2015年12月2日水曜日

ハーバード・ロースクール交渉プログラム(Program on Negotiation: PON)

2015年10月に、
上智大学で2日間のワークショップが開催されたようです。
http://bizacademy.nikkei.co.jp/special/hpon201510/

しかし、
受講料金が、108,000円(税込み)。

受講対象者は、
「英語での交渉に携わる法務部門、M&A担当部署、海外事業部の担当者、海外現地法人のトップまたはその候補者。海外業務に携わる弁護士など」
ということですが、
とても手が出ません。

この受講料金を会社が出してくれるくらい、
「英語での交渉に携わる法務部門」になりたいものです。

(追記)
このワークショップの報告記事が、
上智大学のウェブサイトに掲載されていました。
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/news/2015/10/globalnews_1655/20151028?kind=1

「企業法務担当、海外メーカー渉外担当、コンサルティング会社経営、弁護士、金融業、生保会社勤務、大学教員と多業種に携わる日本人のみならず、海外出身者の社会人ら40名あまりが参加」とのことです。

定員は「60名程度」でしたので、
そこそこ集められたようですね。

そのうち自費での参加者が何人いたのか気になります。
私は、できないですね(苦笑)。



2015年11月26日木曜日

海外子会社の管理(ハブ法務)

件名について、
どうにもアイデアが出ないので、
いろいろウェブ検索してみました。

kigyouhoumuさんや、
http://kigyouhoumu.seesaa.net/article/380177600.html
hitorihoumuさん等、
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-400.html
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-494.html
(↑ちなみに、この「私の所属会社と同様、商社に勤務の法務の方」は、私ですね)
皆さん、同様の悩みを抱えているようですが、
残念ながら、ぶっちゃけどうなの、というところまでは明かしてくれていないようです。

推測するに、
理想と現実との乖離に、
皆さん忸怩たる思いをしているからでしょう。

https://www.keieihoyukai.jp/seminar?seminarId=952398
↑こういう「会員懇談会」を、
経営法友会には、ぜひまた開催して欲しいものです。

今年度の報告を作成後、
来年度最初のTAYL5でレクチャーできたらと思っています。
そうして、
その後の懇親会で「ぶっちゃけどうなの?」という話をしたいと思っています。

(追記)
kigyouhoumuさん、
hitorihoumuさん、
に加えて、
私がshoshahomuさんとなったわけですが、
飲み会で、
お互いこの名前で呼び合っていたら、
相当間抜けだと思います。

2015年11月25日水曜日

『ニューヨーク州弁護士が教える 英文契約書の基礎』(松崎謙・著)

ざっと読んで、
中途半端な内容だと辛い評価をした本ですが、
まったく別のウェブ検索をしている時に、
『企業法務マンサイバイバル』の同書の書評に行き当たりました。
http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/52438571.html

これを読んでいると、
自分の中での評価も変わってくるのが、
不思議と言えば不思議です。

しかし、
「本書まえがきにもあるとおり、今後も英文契約書のドラフティングのニーズは高まる一方です。それに伴って、そのノウハウをまとめた書籍も出版され続けると思われます。そんな中、1冊めの本書、具体的なドラフティングバリエーションを学ぶための山本『英文ビジネス契約書大辞典 増補改訂版』、そしてそれらに肉付けをしていくための平野『体系アメリカ契約法』&『国際契約の<起案学>』という英文契約4点セットは、しばらくの間鉄板として君臨し続けるのではないでしょうか。」
と締めていますが、
山本『英文ビジネス契約書大辞典 増補改訂版』
平野『体系アメリカ契約法』&『国際契約の<起案学>』
の3冊すべて、
極めて読みにくくて使い辛いというのが私の評価なので、
松崎『ニューヨーク州弁護士が教える 英文契約書の基礎』も、
やはり読みにくくて使い辛いという私の評価には、
一貫性があると言えるのかもしれません。

その他、はっしーさんが紹介&高評価している各書を見ても、
はっしーさんが、一般的な「読みにくさ」をまったく意に介さない人であることが、読み取れます。
まさに、法務マンの鑑と言えるのではないでしょうか。
『判例100選』すら読めない私とは大違いです。

自分は法務という仕事に向いていないのではないか?
という疑念が改めて湧きます。
少なくとも、はっしーさんの部下としては務まらないでしょう。

それでも、
仮にも国際法務担当者である以上、
山本『英文ビジネス契約書大辞典 増補改訂版』を除く、
上記の3冊は、
しっかりと読み込んでおくつもりです。

2015年11月20日金曜日

第3回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL3: Talk As You Like 3rd)

ほとんど1年振りとなってしまいましたが、
昨日11月20日(金)の終業後、
第3回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL3: Talk As You Like 3rd)を、
開催いたしました。

プレゼンターは、
TAYL2が大幅に時間延長してしまった反省から、
4人。

題目は以下です。
①某法務担当者による『法務の転職&出戻り』
②Microsoft MVP(Word部門)である新田順也さんによる『Wordを使いやすくカスタマイズする方法と便利技』
③某法務担当者による『素晴らしき?中小企業診断士の世界』
④某弁護士による『弁護士の日常諸々』

全て15分ずつ、
やっていただきました。

プレゼンターの皆様、
ありがとうございました。

その後の第12回『新橋・法務交流会』は、
おなじみの『ROSE&CROWN新橋店』で開催いたしました。

参加者の皆様、
ありがとうございました。

2015年11月18日水曜日

翻訳会社「オリアン」

忘れていましたが、
キャシーさんの会社です。

http://www.orian.co.jp/index.html

他の会社に依頼する前に、
まずはキャシーさんに依頼してみたいと思います。

料金はリーズナブルで、
日本語→英語が、16円/1文字。

ちなみにキャシーさんは、
正真正銘のプロ翻訳者なので、
自分の母国語である英語を訳文(ターゲット)とした、
日本語→英語しか請けていません。

しかし、私の会社では、
なかなか日本語→英語の翻訳案件が発生しないため、
キャシーさんに依頼する機会も出てこないことが残念です。

(追記)
先日初めて、キャシーさんの会社に依頼することができました。

2015年11月17日火曜日

翻訳会社「ドルフィン」

「英語圏の弁護士資格取得者、法学博士、日本の法律事務所の専任翻訳者等が翻訳」
「英訳は米(英)国人の法律家が英文校正をおこなってから納品」
「英文に問題があり、法律的に正確な解釈が不可能であったり、2通りに解釈可能であったりするような場合は「その旨」コメントをつけて納品」
「校閲担当の米国人弁護士等の無償コメント」
など、
私の理想のような翻訳会社です。

http://www.dolphin-tr.com/services/translation/contract.html

しかし、
やはりと言うか、
料金が高くなります。

英語→日本語が、39円/1ワード。
日本語→英語が、19.5円/1文字。

日本語→英語なら、
頼める料金だと思うので、
機会があれば是非一度利用してみたいと思います。

2015年11月16日月曜日

翻訳会社「GLOVA」(グローヴァ)

安いです。

http://www.glova.co.jp/translation/legal.html?lfcpid=1&gclid=CjwKEAiAvauyBRDwuYf3qNyXmW4SJACX9-fXnWZg05tVfoTzG8cMuAJeBPVKWnat6VAXmA0LMUUDnRoCkY7w_wcB

法務・法律翻訳の料金が、
英語→日本語が、17円~/1ワード。
日本語→英語が、12円~/1文字。

激安翻訳に至っては、
英語→日本語が、6円~/1ワード。
日本語→英語が、3円~/1文字。

後者は、Google翻訳ではないかという疑問さえ感じます。

中央区築地にあるということなので、
一度見に行ってみる価値はあるかもしれませんし、
一度トライアルを頼んでみる価値もあるかもしれません。

2015年11月14日土曜日

弁護士による翻訳「澄川法律事務所」

川崎にある「澄川法律事務所」という法律事務所の、
「弁護士による英文契約書の翻訳」というウェブページを見付けました。
http://www.sumikawa.net/jpn/?page_id=1175

料金は、
英語→日本語が、50円/1ワード。
日本語→英語が、40円/1文字。

リーガルチェックも含まれているので、
妥当と言えば妥当な料金なのかもしれませんが、
やはり高く感じます。
本当に依頼している人がいるのか疑問に感じます。

加えて、
本当に本人が言うように高品質なのかと、
私は疑っています。

「TOEIC990」とありますので、
相当に高度な英語レベルであることは間違いないですが、
留学経験も、国際法務の実務経験の記載もなく、
もちろん、
米国法の資格のお持ちでないようです。

そもそも、これまでに、
どのくらいの量の翻訳をこなしてきたのかと。

機会があれば、
ぜひ利用してみたい所ではありますが。

2015年11月13日金曜日

「製造委託」の英訳(誤訳)

「製造委託」の英訳として、
本当によく見掛ける表現に、
 「consignment manufacturing」「manufacturing consignment」があります。

そして、
製造や業務を「委託する」「委任する」という意味で、
動詞「consign」がよく使われています。

しかし、
 この表現はいずれも、おそらく誤訳です。

Oxford Dictionaryによる動詞「consign」の定義は、
「Deliver (something) to a person’s keeping」で、
その下位区分として、
Send (goods) by a public carrier」と、
「(consign someone/thing to) Put someone or something in (a place) in order to be rid of it or them」
が、挙げられています。
http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/consign

そして、
Wikipediaによる名詞「consignment」の定義は、
「the act of giving over to another person or agent's charge, custody or care any material or goods but retaining legal ownership until the material or goods are sold」です。

つまり、
「consign」「consignment」は、
「配送・配達の際に物を引き渡す」または「販売委託」の場合にしか使用できないわけです。

それを拡張して、
「subcontract」の意味でも使用するのは誤訳だと思いますが、
これが、日本を含むアジアで、すごく広まっているように感じます。

実際、
 「consignment manufacturing」「manufacturing consignment」をググると、
ヒットするのは日本を始めとするアジア諸国による用例ばかりです。

Black's Law Dictionaryで「consign」「consignment」を調べても、
やはり上記のように定義されていました。

私は、
このような典型的な誤訳の単語集を作りたいと思っています。
しかしそれを実現するには、
同様の問題意識を持っている同業者の協力がないと、
集めることは難しいだろうとも思っています。

2015年11月12日木曜日

「おそれがある」の英訳(誤訳)

「契約を履行できないおそれがある」などで使われる、
「おそれがある」の英訳として、本当によく見掛ける表現に、
「threaten to 不定詞」があります。

しかし、
この表現はおそらく誤訳です。

英語ネイティブスピーカーに確認しないと正確には分かりませんが、
例えば「サプライヤーが製品を引き渡しできないおそれがある場合」を、
「If the Supplier threatens to be unable to deliver the Product」と英訳した場合、
「サプライヤーが製品を引き渡しできないと脅した場合」と解釈されると思います。

Oxford Dictionaryの「threaten」の1番目の定義である、
「State one’s intention to do (something undesirable) in retribution」
と解釈されるわけです。

おそらく、
(ほぼ間違いなく日本人の)翻訳者はOxford Dictionaryの「threaten」の2番目の定義である、
「Seem likely to produce an unpleasant or unwelcome result」の意味で試用しているのでしょうが、
この用法の動詞「threaten」の主語には、
掲載されている例文を見る限り、
状況など意思を持たないモノしか使えないと思われます。

しかし、
英語ネイティブスピーカーのチェッカーが確認しても、
「If the Supplier threatens to be unable to deliver the Product」という英文は、
「サプライヤーが製品を引き渡しできないと脅した場合」という意味でおかしくないために、
誤訳と気付かない、
というケースが頻繁に発生するのだと思われます。

つまり、
日本語ネイティブスピーカーの翻訳者&英語ネイティブスピーカーのチェッカーをペアで併用しても、
そのどちらもが高度なバイリンガルでない場合、
往々にして誤訳が見逃されるということです。

と、偉そうに言っておいて、
もし「If the Supplier threatens to be unable to deliver the Product」の動詞「threaten」を、
「Seem likely to produce an unpleasant or unwelcome result」の意味で解釈できるのだとしたら、
私はかなり恥ずかしいことを書いていることになります(苦笑)。

しかし、
私は、上記の内容が正しいことに、かなりの自信を持っています。

それでは、
どのような英語表現を使用すれば良いのかと考えると、
「the Buyer reasonably believe that the Supplier is unable to deliver the Product 」
などが良いと思います。

2015年11月5日木曜日

夫婦別姓、最高裁弁論

15人の夫婦別姓について、
初の最高裁による憲法判断が、
年内にも出るようです。
私個人的には、
少しでも社会における面倒が減って欲しいので、
とっとと夫婦別姓を認めてもらいたいのですが、
「2012年の内閣府の世論調査では、賛成が35・5%、反対が36・4%と拮抗(きっこう)しているが、50代以下では賛成が多数を占め、20代では47%にのぼる。」(11月5日 朝日新聞朝刊)
と意外にも反対が多いことに驚かされます。

特に、若い世代で反対している人が、
一体どういう理由で反対しているのか、
理解できませんし、知りたいものです。

2015年10月28日水曜日

WarrantyとCondition

2015年10月28日付のCeongsuさんのブログ・エントリーで、
英国法(正確にはイングランド・ウェールズ・北アイルランド法)における、
WarrantyとConditionの違いについて説明されていました。
http://ameblo.jp/legal-practice-in-house/

英国法(正確にはイングランド・ウェールズ・北アイルランド法)を準拠法として、
いわゆる「保証」を制限する場合
Warrantyという単語だけでなく、
Conditionという単語も使って制限しておく必要がある、
とのことです。

幸い、私自身はこれまで一度も、
英国法(正確にはイングランド・ウェールズ・北アイルランド法)を準拠法とする契約書は扱ったことがないので、
しまったという経験もないのですが、
このような知識があるのとないのとでは、
国際法務担当者としてのパフォーマンスに大きく影響しそうです。

たまにこういうことがあるから、
もう少しマメに、幅広く、法務系ブログを購読した方が良いとは思うのですが、
個人的になかなか読む気になれる法務系ブログがないのが現状です。

ぜひ、
Ceongsuさんには『国際法務の勘所』的な本を出して欲しいです。

(2016年5月27日追記)
紹介されていた判例の解釈が完全に間違っている、
とのブログ読者からの指摘を受けて、
Ceongsuさんが訂正していました。
そのCeongsuさんの潔さと真摯さとに、
改めて感銘を受けました。

ちなみに、
紹介されていた英語サイトの記事も読みましたが、
たしかに、
紹介されていた判例は、
Conditionという単語は使われていなくても、
Warrantyという単語で包含していると解釈できる、
というものでしたが、
この判例は非常にfact specificなので、
やはり包括的に明記した方が良い=Conditionも列記しておいた方が良い、
というのが、英語サイトの記事の結論です。

Kenneth Adamsさんが嫌悪しそうな結論ですね。

2015年10月20日火曜日

『リーママ プロジェクト』

経営法友会で知りましたが、
博報堂がCSR活動の一環として『リーママ プロジェクト』なるものを、
2012年4月から展開しているそうです。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/reporttopics/8640

※ リーママとは、サラリーマンママの略。広義には、働くママ全般を指します。
というネーミングの時点で、
どうなのだろう?という疑問が生じます。

働くママ全般」よりは、
サラリーマン(男性)の母親か、
終業後に2丁目のバーで働くサラリーマン(男性)の方を、
連想しそうです。

そういうことを言うと、
いわゆる『ホッチキス』を『ステイプラー』と呼んだ時のように、
(某大学英語学科では皆そう呼ぶのです)
周りから「きどってる」と非難されてしまうのでしょうか。
(しかし、『ホッチキス』は、すごく発音しにくい単語だと思います)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC

2015年9月14日月曜日

品質保証は「Warranty」?「Quality Assurance」?

先日、営業部門の担当者と契約書の話をしていて、
最後の方まで食い違いに気が付かなかった概念に、
「品質保証」があります。

英文契約書を翻訳している時に、
さんざん悩んだ概念だったので、
なぜすぐに気が付かなかったのかと、
後で落ち込みました。

英文契約書では、
「Warranty」と「Quality Assurance」(または「Quality Control」)という条項が併記されていることが多いのですが、
一般的には前者を「保証」、後者を「品質保証」と和訳します。

厳密に考えると、
前者の「保証」のうち、品質に関する「保証」も「品質保証」となり、
私にとっては、
こちらの「品質保証」の方が重要と言うか、
前者の「保証」を根拠として、
後者の「品質保証」が義務付けられる、
と理解しているため、
「品質保証」と言われると、
まず前者と考えてしまうのですが、
営業部門の担当者の場合、
後者と考えるのが普通なのでしょう。

例えばWikipediaでも、
「品質保証(ひんしつほしょう、英: Quality assurance, QA)は、効率と品質が求められるあらゆる活動において、それらに保証を与えるのに必要な証拠を提供する活動一般を指す。」というように、
「品質保証」は、ある種の「保証」を与えるのに必要な証拠を提供する「活動一般」を意味するとされています。
つまり、
(後者の)「品質保証」とは、(前者の)「保証」に関連する、「活動一般」であるわけです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%93%81%E8%B3%AA%E4%BF%9D%E8%A8%BC

しかし、
Wikipediaでも「品質保証は品質管理と密接に関連しており」 としているように、
「品質保証=Quality Assurance」と「品質管理=Quality Control」の違いが、
私にもよく理解できません。

ソフトウェアの分野では「全く異なるもの」だそうですが、
よく理解できません。
http://homepage3.nifty.com/koha_hp/process/Proc.QA%26QM.html

ちなみに、
Wikipediaの「Warranty」の英語ページで日本語を選択すると、
https://en.wikipedia.org/wiki/Warranty
なんと「L/G」の日本語ページが表示されます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/L/G
これは、いくらなんでも「Warranty」の意味を制限し過ぎです。

これも、
「Warranty」の意味が、
日本では一般的に理解されていない証左の一つでしょう。

2015年9月7日月曜日

日本ガイシの司法取引成立

『ビジネス法務の部屋』の今日9月7日のエントリーで、
日本ガイシ米国子会社による米国司法省(DOJ)との司法取引成立が取り上げられていました。
http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2015/09/post-a710.html

私の従兄が日本ガイシ米国子会社に勤務していたので、
(母親に確認したところ、かなり昔に退職していたそうですが)
非常に興味を惹かれました。

「日本ガイシさんの前社長を含む3名の方が企業本体の司法取引では免責されなかった(カーブアウト)と、日経が報じています」
とのことなので、
本気で日本ガイシさんの前社長が米国の刑務所に収監される可能性が高い、
ということです。
日本人&日本企業には、
この手の制裁が一番利くので、
個人的には良いことだと思います。

唯一懸念されるのは、
二重拘束的な指示が増えることです。
一方で、コンプラ遵守の徹底指示、
他方で、コンプラ無視の利益至上指示が、
並列的に存在する事態が懸念されます。
二重拘束的な指示ほど、
企業活動のみならず、
人間によるあらゆる活動の妨げになるものはないと、
私は考えています。

とりあえず、
私の近い将来の仕事はこの分野にあるのではないか?
という気がしますが、
すべてはいかにシステム&人脈を構築できるか次第でしょう。

2015年8月28日金曜日

読書家&読書について

少し前に上司とした会話と、
2015年8月22日に結婚した堀北真希(26)と山本耕史(38)に関連するエントリーです。

本当にどうでも良い話ですが、
山本耕史(38)は全く活字を読まないそうです。
本はもちろん、
マンガでさえ『ドラゴンボール』を読んだくらいで、
『デスノート』は活字が多過ぎて読めなかったと。

そんな人間は、
上司も言っていましたが、
私も全く信用できません(笑)

ずいぶん昔、
飯島直子がトーク番組の中で、
「(この世の中で)本棚を持っている人なんているの?」
「私が付き合った男性にはいなかった」
(当然、女友達も持っていないのでしょう)
という旨の発言を聞いて驚いたのですが、
世の中にはそういう人も多いというか、
そういう人の方が多いのだろうなと思います。

なぜ、
本を読まない人を信用できないのか考えてみると、
本を読まないと、どうしても視野が狭くなると思うからです。
本を読まないでも、
幅広い経験・体験をしている人は別だと思いますが、
そんな人は例外的だと思います。

もっとも、
そういう私も、
今後どんどん目が悪くなっていったら、
他の方法を考える必要があると思います。

そしてその頃には、
「本を読まない人は信用できない」という信念も、
変わっていることだろうとは思います。


ところで最近、
私はフットサルのチームメイトに薦められたのを契機に、
上橋菜穂子さんの小説に嵌っていて、
『獣の奏者』『鹿の王』『守り人シリーズ』と読み進めています。

非常に面白いのですが、
私の場合、
フィクションの世界に嵌ってしまうと、
現実世界の生活に多大な支障を来たすのが困ったものです。

某企業の某法務担当者のように、
Bar Examの勉強が趣味みたいになれれば、
現実世界の生活がとても楽になると思うのですが、
なかなか思うようには生きられないものです。

2015年8月26日水曜日

Wordの使い方(その1)

Wordを使用していると、
いろいろと操作が分からない点が出てくるのですが、
その解決方法が、
日本語で調べるよりも、英語で調べた方が、
容易に判明するというのが、
日本人である私には、どうにも納得行きません。

考えられる理由の一つは、
英語でWordを使用している人が、
日本語でWordを使用している人よりも、
桁違いに多いだろうという、
単純な母体数の違いです。

しかし、
ある程度の母体数を超えてしまえば、
利用方法&悩み所はそれほど変わらないように思えますので、
このような違いが出る理由にはならないような気がします。

ちなみに、
今日調べた悩み所は、
以下の2点です。

「編集記号(formatting marks)の一覧表」
「ブックマーク(bookmark)の一括削除」

まずは日本語で、
いろいろな検索用語の組み合わせで探してみたのですが、
まったく見付からなかったところ、
英語で適当に検索したら、
一発で見付かりました。

http://wordfaqs.mvps.org/NonprintChars.htm
http://www.extendoffice.com/documents/word/745-word-remove-all-bookmarks.html

これは一体どういうことなのか、
今度、Word MVPの新田さんに聞いてみようと思います。

2015年8月24日月曜日

第三者知的財産権のメーカーによる非侵害保証

「第三者知的財産権のメーカーによる非侵害保証」が、
契約書に明記されていなかった場合、
日本法ではメーカーに責任が発生するのか否か、
発生するとしたら、どのような責任が発生するのかが、
気になっています。

ざっと調べてみたところ、
米国法のように「権利の保証」は法令で規定されていないようですが、
ある種の契約責任は発生しそうな感じがします。

しかし、
この手の話題になると、
なぜか「強者」の立場から書かれたものしか見付からないのはなぜなのでしょうか?
たいてい「なるべく契約書に明記しておくように」とあるわけですが、
契約書に明記しようとしたら「非侵害保証はしない」と明記されてしまう「弱者」の立場から書かれたものが、
したがって、明記しない方がマシであるという立場から書かれたものが、
まったく見付からないのはなぜなのでしょうか?

おそらく、
「弱者」の法務担当者は、
他の業務と兼務をしている人が多く、
専門性が相対的に低い&書く時間もモチベーションもない、
ということなのでしょう。

また、
同じ法務専任の担当者であっても、
担当者の能力と、
勤務企業の交渉力の強さとが、
一般的に正比例するからでしょう。

いずれにせよ、
「第三者知的財産権のメーカーによる非侵害保証」の有無に関わらず、
このような問題が発生した場合に取るべき手順について、
参考になるブログのエントリーが以下です。
(前半は、去年の「法務系 Advent Calendar 2014 - Adventar」の1つでした。)

http://mainstage.senri4000.com/entry/2014/12/08/070000
http://mainstage.senri4000.com/entry/2015/01/25/103150

 「商社などの場合、技術情報を持っているわけではありませんし、特許侵害の該当性や、責任の有無について自ら判断できるわけではありませんので、そのまま製造元にリレーされます。このような場合には、金銭的な補償は契約の当事者である商社などが行い、技術的なサポートについては直接製造元にコンタクト窓口を設定されることもあります。」

↑こんな状況には陥りたくないです。

「上述したように、契約上に条項がない場合は条文を引用できませんので、契約名だけを持って来て、供給元としての責任において、とかなんとかぼかしておきます。契約がない場合にも、これまた取引を継続していることと供給元としての責任を強調しておきます。」

↑これは、結構ありそうなことです。

「なお、責任を求めるかわりに技術的な見解をもとめるタイプの通知書を送った場合には、見解自体が帰ってくるには相当の時間がかかります(少なくとも1ヶ月、場合によっては数ヶ月)。長期間放置されないようにするために、先方の担当窓口がわかるように、回答期限と求める回答を工夫する必要があります。」

↑親会社以外から、見解をもらうのは大変そうです。
やはり、
「第三者知的財産権のメーカーによる非侵害保証」を、
契約書に明記しておくことが、
この見解をもらうためにも重要になると推測されます。

2015年8月21日金曜日

紛争解決に仲裁を指定する際の注意点

今日2015年8月21日のCeongsuさんのブログ『日々、リーガルプラクティス。』の記事に、
紛争解決に仲裁を指定する際に注意する事項として、
一般的な「the delegation provision」(紛争解決に仲裁を指定する条項)と、
「the carve-out to an arbitration provision」(差止請求などは裁判所に申し立てられる例外条項)とを併用する場合の注意点が紹介されていました。
http://ameblo.jp/legal-practice-in-house/entry-12064058108.html

正確には、
Ceongsuさんが読んだ英文ブログ記事の紹介です。
http://www.tradesecretslaw.com/2015/08/articles/trade-secrets/effective-carve-outs-to-seek-injunctive-relief-from-the-court-in-arbitration-provisions/

結論としては、
英文の順番や構造が重要だということになるのですが、
両当事者の意図は明確なのだから、
差止請求などの裁判所への申し立ては認めてやれよ、
と思いますね。

2015年8月13日木曜日

英会話サークル@日暮里(その2)

この前の水曜日の夜、
前回とは別の英会話サークルに参加してきました。
日暮里なんて辺鄙(?)な場所に、
英会話サークルが2つもあるというのは凄いです。

「日暮里英会話クラブ」という、
そのままの名称の英会話サークルです。
http://www.nipporienglish.com/

参加者は私を含めて6人(男性3人、女性3人)。
レベルは、
私よりも流暢だと感じた人はいませんでしたが、
全員が海外滞在経験があるようでした。

参加しない進行スタッフ(女性)が1人いましたが、
参加者が6人しかいないのに、
専任の進行スタッフは不要と言うか、
むしろ目障りだと感じました。

内容は、
前半が、グループでの自己紹介を約1時間。
後半が、グループワークを約30分。
合計で1時間35分です。
もっとも、
私は前半途中で退出したため、
後半がどのように進行するのかは分かりません。

3人ずつの2組に分かれての進行でしたので、
かなりの量の英語を話すことができました。

しかし残念だったのは、
私のグループの1人(おそらく20代前半の男性)が、
自分が話す内容を予め全て暗記して来ているようなタイプで、
会話に欠片も柔軟性がなく、
その不自然な表情&抑揚と相俟って、
まるで演劇の登場人物のように振る舞っていたことです。

途中で退出しなければならなかったことに、
正直、ほっとすると同時に、
その後その男性と1対1で話さなければならなくなる女性を、
(NYに2年留学経験のあるピアノ教師)
大変気の毒に感じました。

このように、
コミュニケーションは1人ぶち壊してしまう人がいると、
どうにも成立しなくなるという危険性があります。

もっとも、
この危険性は英語でのコミュニケーションに限ったことではありませんし、
また、
私自身が自覚していないだけで、
私がコミュニケーションをぶち壊してしまっていることもあるでしょう。
その男性が自覚していたとは思えませんので。

他人の振り見て我が振り直せ、と言いますが、
自分がコミュニケーション・クラッシャーにならないように注意することと、
コミュニケーション・クラッシャーとのコミュニケーションをどのように上手く維持するかが、
私の今後の課題です。

2015年8月12日水曜日

倉庫業者の『善管注意義務』と『標準倉庫寄託約款』との関係

商法では593条で、
「商人カ其営業ノ範囲内ニ於テ寄託ヲ受ケタルトキハ報酬ヲ受ケサルトキト雖モ善良ナル管理者ノ注意ヲ為スコトヲ要ス」と、
倉庫業者に『善管注意義務』を課しており、
さらに617条で、
「倉庫営業者ハ自己又ハ其使用人カ受寄物ノ保管ニ関シ注意ヲ怠ラサリシコトヲ証明スルニ非サレハ其滅失又ハ毀損ニ付キ損害賠償ノ責ヲ免ルルコトヲ得ス」と、
立証責任が倉庫業者側にあることが規定されています。
(注:倉庫業者の『善管注意義務違反』は債務不履行であり、債務不履行は債務不履行側が『義務違反』がなかったことを立証しなければならないので、617条がなくても同じ結論にはなります。)

しかし、
国交省のウェブサイトにも掲載されている『標準倉庫寄託約款』では、

(賠償事由及び挙証責任)
第38条寄託者又は証券所持人に対して当会社が賠償の責任を負う損害は、当会社又はその使用人の故意又は重大な過失によつて生じた場合に限る。
2 前項の場合に当会社に対して損害賠償を請求しようとする者は、その損害が当会社又はその使用人の故意又は重大な過失によつて生じたものであることを証明しなければならない。

として、
倉庫業者の責任を『故意又は重大な過失』に限定した上で、
寄託者が『受寄者の故意又は重大な過失を証明』する必要があると、
立証責任も転嫁しています。

当然、
『標準倉庫寄託約款』を使用しない倉庫業者など皆無でしょうから、
倉庫業者に対してよほど交渉力のある寄託者でない限り、
倉庫業者には商法593条&617条は適用されない、
ということになるのではないでしょうか?

実際、
ネットで検索すると、
商法593条&617条は任意規定のようですので、
上記の結論になりそうです。

2015年8月11日火曜日

英語での契約交渉

私にとって、
ここまでがっつり英語で契約交渉をしたのは初めてでした。

やはり、
英会話力を抜本的に向上させたいと、
改めて思いました。

J氏の英語を聞いていると、
「落ち着いて明確に話す」という、
意識の問題なのかもしれませんが、
非常に実践的だと感心させられます。

その意識を、
どのようにして行動として実践できるようにするのかが、
英会話の肝の一つだと思います。

これを実現するためには、
量をこなす、
ということが最も重要だろうと想像しますが、
(私が実現できていない現状では「想像」しかできません)
日本で、ほとんど日本語を使って生活している環境では、
量をこなすことは非常に難しいため、
いかに量をこなすことなく、
これを実現できるのかが、
一般的な日本人の英会話習得において、
最も重要なポイントだと思います。

この方法を見付けることができれば、
そして、
実際に実現することができれば、
本の1冊くらい簡単に書けるだろうなと思います。

しかし、
卵が先か鶏が先かの話になりますが、
本の1冊くらい書けないことには、
それを実現することは難しいだろうとも思います。

2015年7月29日水曜日

ニューヨーク大学 プロフェッショナル学部 ALI東京校

これまで認識していませんでしたが、
『ニューヨーク大学 プロフェッショナル学部 ALI東京校』
なんてものが存在していました。
https://www.sps.nyu.alitokyo.jp/

そこで8月22日(土)に、
『リーガル・ワークショップ
~アメリカの司法制度と法務教育を学ぶ~』
というセミナーが開催されるということで、
早速、申し込んでみました。

内容&講師については、
あまり期待していませんが、
参加者(20人)の中に、
(いろいろな意味で)良い人がいるのではないか?
と期待しています。

もっとも、
毎週土曜日(9/19-10/24)、9:00-12:30(90分×2コマ)、計18時間で、
120,600円+入学金32,400円=153,000円(税込)と料金が高いため、
受講は現実的ではありません。

しかし、
そもそも『ニューヨーク大学 プロフェッショナル学部 ALI東京校』とは何ぞや?
と調べてみると、
(COCO塾の)株式会社ニチイ学館が、
ニューヨーク大学プロフェッショナル学部(NYU-SCPS)と業務提携・サービス契約を締結して、
『アメリカン・ランゲージ・インスティテュート(ALI)東京校』を2013年10月に開校したとのことです。
http://www.nichiigakkan.co.jp/up_files/pdf/1226

COCO塾にせよ、Gabaにせよ、このALIにせよ、
非常に高価で、
私の周りでは一人も受講生を知らないのですが、
事業が成立しているということは、
行く人は行くのでしょうね。

(8月23日 追記)
家庭の事情で、セミナーには参加できませんでした。
ぜひ平日に開催して欲しいものです。

2015年7月28日火曜日

意味のない変更案

日本語の契約書について、
「なぜ、そこにこだわるのか?」と、
疑問に感じる変更案に頻繁に遭遇します。

全角の数字を半角にしてきたり、
「売主」と「買主」を「甲」と「乙」にしてきたり、
趣味の違いとしか思えない助詞や句読点を変更してきたり。

日本語として意味が変わらず、
明確になるわけでもないのなら、
わざわざ変更する必要はないのでは?
と、その度に思います。

しかし、
我が身を振り返って考えてみると、
私は日本語の契約書については、
上記のスタンスで臨みますが、
英語の契約書については、
表現的にも文法的にも、
できるだけ正確で明確な文章に変更したいという、
希望というか衝動に駆られます。

この違いの理由を考えてみると、
私の英語に対する自信のなさだと思います。
母国語である日本語なら、
「意味が変わらない」という自分の判断に確信を持って対応できるのに対して、
外国語である英語だと、
本当に「意味が変わらない」のか?と不安を感じるのです。

そう考えると、
日本人であるにも関わらず、
日本語の契約書について、
私が「意味は変わらないのに」と感じる変更をしてくる人は、
実は自身の日本語の理解力に確信を持てない・持たないように注意している、
誠実または慎重な人なのかもしれません。

単純に融通が利かない人という可能性の方が、
はるかに高いでしょうが。

2015年7月3日金曜日

『アメリカ不法行為法(第1版)』(樋口範雄)

数年前に購入後、
これまで部分的にしか読んでいなかった本です。

既に第2版が出版されてしまっていますが、
今更ながら最初から読んでみたところ、
とても参考になりました。

同著者の『アメリカ契約法』よりも、
ずっとまとまっていると感じました。
もっともこの印象は、
私の米国不法行為法についての知識が、
米国契約法についての知識よりも、
はるかに乏しかったからかもしれません。

すべての法務翻訳者は、
少なくとも同著者の『アメリカ契約法』と『アメリカ不法行為法』は、
読んでおくべきだと思います。
(私の自己イメージは、未だに法務翻訳者です)

時間がある時に、
第2版で何が変わったのか、
図書館で借りて確認しようと思います。
(実際、何度も借りていますが、まだ読めていません)

ちなみに、
Torts(不法行為法)のホーンブック(シケタイのような本)を、
私は今年2月に日本のamazonで注文しているのですが、
6月になっても未だに入荷しません。

ぜひamazonには、
「確定注文」オプションを作って欲しいです。
(購入者によるキャンセルができない注文)

某メーカーの案件が一段落したら、
北米支社に、
Torts(不法行為法)のケースブックと一緒に送ってもらおうと考えています。

(追記)
某メーカーの案件で北米に出張したため、
Criminal Law(刑法)とCivil Procedure(民事訴訟法)のホーンブックも合わせて、
購入しました。
重かったです。

また、この某メーカーとの契約交渉では、
本書の第8章第3節の「寄与過失・比較過失」の知識を披露したことで、
相手方の米国法弁護士の信頼が得られたと思っています。

ちょっとした知識が大きな意味を持つことがあるので、
不断の地道な努力が必要だと、
改めて思いました。

2015年7月1日水曜日

米国連邦最高裁判所2014-2015年開廷期の主な判例

恒例のThe New York Times紙によるまとめ記事です。

『Major Supreme Court Cases in 2015』
http://www.nytimes.com/interactive/2015/us/major-supreme-court-cases-in-2015.html?_r=0

個人的には、
同性婚を認める、Obergefell v. Hodges
が、特に興味深かったです。

2015年6月15日月曜日

「fault or negligence」

「故意・過失によらず」を英語でどう表現するかと考えると、
これがなかなか難しいのです。

「故意の過失」(intentional negligence, willful negligence)という表現などに遭遇すると、
非常に混乱してきます。

混乱するのは、
私がTorts(不法行為法)をよく理解していないことが原因だと思います。

とりあえず、
名詞であれば「fault or negligence」という表現を使っていますが、
(例えば「through the Seller's fault or negligence」など)
厳密に言うと、
「negligence」は「fault」の一形態(下位概念の一つ)のようですので、
簡潔に表現すれば、
「fault」一言で足りるのかもしれません。

副詞であれば、
そのまま「intentionally or negligently」が使い易いですが、
この表現は「breach」(侵害する)などの動詞を一緒に使わないと、
英語として成立しません。

そもそも、
Torts(不法行為法)で言う「過失責任主義」が、
英語で表現すると「fault principle」になるそうですので、
やはり「negligence」は「fault」の一形態のようです。

そう考えると、
菊地正登弁護士(日本&英国)の何も説明していないような表記が正しいのかもしれません。
http://www.mkikuchi-law.com/article/14673472.html

まったく、
勉強すべきことは山積みです。

2015年6月12日金曜日

BATIC(国際会計検定)

2015年度の業務目標設定の一つとして、
「英文会計」の能力向上を検討しています。

しかし、
現在の業務上、
信用調査会社からの調査レポートを読む以外に、
使う機会がないため、
客観的な基準を使用するのが都合が良いと考えました。

そこで、
東商のBATIC(国際会計検定)が第一候補に挙がってきます。

BATIC(国際会計検定)には、
subject 1とsubject 2という2つの形式があるのですが、
将来的にも経理の仕事をするつもりがない私に必要なのは、
全体の概略を理解できるようにするための「財務会計」と「管理会計」の知識であり、
そう考えると、
(簿記3級レベルの)BATIC subject 1で充分な気がします。
実際、
同僚も、簿記3級&BATIC subject 1で、
海外現地法人の決算書の確認等は事足りていると言っています。

BATIC(国際会計検定)の最大の難点は、
受験料が高いことで、
Subject1のみで 5,400円、Subject2のみで7,990円します。
(同時に受験すると10,150円)

第二の難点は、
試験日である日曜日が半日潰れることで、
(同時に受験すると1日潰れる)
毎週土日のどちらかにフットサルorバスケットボールをしたい私には辛いです。

7月受験が6/12(金)締切でしたので、
申し込み画面にデータを入力するところまでは行ったのですが、
どうしても「申し込み」ボタンを押すことができませんでした。

次回は12月13日(日)受験で(10月30日(金)締切)、
2015年度の業務目標を達成するためには、
絶対に受験する必要があります。

とりあえず、
subject 1のテキストをブックオフで買ってみましたので、
(ただし、古いテキストを200円+消費税で購入)
内容を確認することから始めようと思います。

せめて会社が受験料&テキスト代を負担してくれたらなと思いますが、
そうすると『逃げられない』というマイナス面も生じます。

(追記)
めでたく12月13日(日)受験でsubject 1に合格しました。

来年2016年度の目標設定のために一応、
subject 2のテキストもブックオフで買ってみましたが、
(やはり、古いテキストを200円+消費税で購入)
合格率を見るとsubject 1と比べてアホみたく難しく、
現時点ではコスパ的に受験は現実的でないと考えています。

(追記その2)
結局、subject 2合格を、
2016年度の業務目標とはしませんでしたが、
最新の公式テキストは購入しました。
(3,672円(税込)もしました)

とは言え、
本気で合格したければ、
公式問題集や予想問題集もこなす必要がありますし、
そうなると、
本代よりも時間&労力の方が問題となります。

現状では、ちょっと厳しいです。

2015年6月2日火曜日

Taniguchi v. Kan Pacific Saipan, LTD (10-1472)

今年の10月3日(土)に、
同志社大学のColin P.A.Jones 教授(ニューヨーク州・グアム準州弁護士)が、
JAT(日本翻訳者協会)のカンファランスでレクチャーする予定の判例です。
http://project.jat.org/kyoto/2015/program

控訴審までの経緯は↓こちら。
https://www.law.cornell.edu/supct/cert/10-1472

最高裁の判決を含む記事が↓こちら。
http://www.transenzjapan.com/blog/interpretation-translation/

日本語での記事が↓こちら。
http://realtime.wsj.com/japan/2012/05/23/%E5%85%83%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%83%BB%E8%B0%B7%E5%8F%A3%E5%8A%9F%E4%B8%80%E6%B0%8F%E3%80%81%E8%A8%80%E8%91%89%E3%81%AE%E8%A7%A3%E9%87%88%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B/

結局、
連邦最高裁は、連邦控訴審を覆して、
「翻訳料金は(通訳料金と異なり)敗訴当事者が負担するinterpretation料金には該当しない」
と判決しました。
つまり、
interpretationとtranslationとを明確に区別したわけです。

ちょうど私が通訳・翻訳業界と絶縁している時期だったから気が付かなかったのでしょうが、
非常に面白い裁判ですし、
元巨人のドラフト1位(谷口功一投手)が関与している事件である上に、
そもそも日本人が米国の連邦最高裁で争うなんてことはほとんどないことなのに、
私が気が付くくらいに大きなニュースにならなかったのが不思議です。

さて、
連邦最高裁まで戦ったその翻訳料金ですが、
わずか「5,517.20 米ドル」だったそうです。

そのために弁護士費用その他の費用がどれだけ掛かったのか知りたいものです。

2015年6月1日月曜日

『Restitution: Civil Liability for Unjust Enrichment』(Ward Farnsworth著)

「過収金」の続きですが、
Restitution: Civil Liability for Unjust Enrichment』
というペーパーバックが到着しました。
http://www.amazon.co.jp/Restitution-Civil-Liability-Unjust-Enrichment/dp/022614416X/ref=tmm_pap_title_0?ie=UTF8&qid=1432880289&sr=1-1-catcorr

非常によくまとまっていて&内容も面白いです。
何よりも、
英文が非常に読み易いのが良いです。

これで、
日本語の本のように、
図解やまとめがされていれば最高なのですが、
それはILTが個人的にすべきことでしょう。


本書のような米国法の知識を、
体系的に身に着けることができるなら、
終了するには「4年」という長期が必要でも、
通信教育のロースクールを始めたいと思います。

もっとも、
とりあえず「1年」やってみて、
「Contracts」と「Torts」を体系的に身に着けることができれば、
少なくとも日本企業の「法務マン」としては十分という気もします。
1年目のもう一つのクラスが「Criminal Law」ではなく「Remedies」だったら、
ベターなのですが。

しかし、
私の妻は、
私が通信教育のロースクールを始めることに対して極めて否定的です。
理由は、
私が何事もすぐに飽きるからです(苦笑)。
たしかに、
私が継続できている習い事(とも言えませんが)は、
これまで英語だけですので、
私の妻が懐疑的になるのも無理はないです。

具体的にどのような成果を出せたら、
個人的に「成功」とみなせるのか、
基準と(妻への)プレゼン方法を、
予め決めておく必要がありそうです。


本の内容に戻りますと、
2章に紹介されている判例ですが、
http://www.leagle.com/decision/19971108946SW2d162_11087.xml/AMOCO%20PRODUCTION%20CO.%20v.%20SMITH
控訴審で、
出訴期限が一審の「2年」から「4年」に変更された理由は、
本件の「mistaken payments」が「an action for debt」に該当するとして、
かつ、
「2年」(書面によらないdebt)と「4年」(書面によるdebt)の区別が、
法改正で撤廃されたからとのことですが、
そもそも一審が出訴期限を「2年」と判断していた理由が分かりません。

別のウェブサイトを読むと、
http://www.bf-law.com/casenotes/116590323611.97.pdf
どうやら一審は、
法改正前の「不当利得」=「2年」という諸判例を、
「書面によらないdebtであるから」という理由を考慮しないで、
オートマチックに適用してしまっていたようです。

なるほどですが、
これは「テキサス州法」の判例であって、
それでは「カリフォルニア州法」ではどうなるのかと考えると、
まだ分かりません。

「テキサス州法」と同じ考え方を適用するなら、
「書面によらないdebt=quasi-contract」として「2年」となりそうですが(339条)、
「An action for relief on the ground of fraud or mistake」として「3年」も該当しそうです(338条(d)項)。
http://www.leginfo.ca.gov/cgi-bin/displaycode?section=ccp&group=00001-01000&file=335-349.4

「Gilbert Law Summaries: Remedies」によると、
「The appropriate remedy is a quasi-contract action at law.」(274ページ)とのことなので、
「2年」となりそうですが(339条)、
ずばり「mistake」が明記されている、
「An action for relief on the ground of fraud or mistake」が「特別法は一般法を破る」として、
「3年」となりそうです(338条(d)項)。

いずれにせよ、
 http://www.courts.ca.gov/9618.htm#Type_of_Problem_or_Case
は、分かりやすい表です。
この表に「restitution of unjust enrichment」も挙げられていれば、
一気に問題解決なのですが。


ちなみに、
「restitution」という法律用語が難しいのは、
①「a type of legal claim; a cause of action」という意味と、
②「a remedy for a contract claim, which is another cause of action」という意味の、
2つの意味があるからだそうです。
そして、
多くの場合は②の意味で理解されており、
①の意味での(「contract law」「tort law」と並ぶ)「restitution law」という意味では、
あまり理解されていないそうです。

本書のPrefaceには、
「The reader familiar with private law will recognize that restitution in the sense used here is in many ways symmetrical to the law of torts. Tort law governs liability for losses that one person inflicts on another. Restitution governs liability for gains that one person makes at another's expense. Tort and restitution law sometimes cover the same situations, with the choice between them just a matter of which amount is larger (and thus which the plaintiff prefers to recover): the plaintiff's losses or the defendant's gains. But restitution also offers a more powerful range of equitable remedies than are traditionally available at the end of a tort case, and it covers many situations that neither tort nor any other body of law does. Restitution thus is a major division of American private law, one that sits alongside the law of tort and contract and provides a practical and theoretical complement to them.」
とありますが、
なるほどその通り、
「contract law」と「tort law」を別の視点から理解するには、
「restitution law」を理解することが非常に役立ちます。

米国のロースクールでは、
「restitution law」は、
「Remedies」の授業で軽く触れられる程度のようですが、
「Restatement」に「Restatement of Contracts」「Restatement of Torts」と並んで「Restatement of Restitution and Unjust Enrichment」があるのに、
「Restatement of Remedies」がないわけですから、
本来は逆であるべきなのかもしれません。

いずれにせよ「contract law」と「tort law」を別の視点から見るという意味では、
(原告が被ったlossからではなく、被告が受けたgainから見る)
「Remedies」でも、その役割は果たしていると思います。

2015年5月29日金曜日

「過収金」の法定時効@米国法

米国法で、
取引先が請求額よりも多く支払ってきた「過収金」の消滅時効が分かりません。

日本法であればおそらく、
不当利得の返還請求権は商人間であっても、
商行為による債権として商事時効(商法522条により「5年」)を適用する事はできず、
民法167条により「10年」で、
起算点は「過払いした時点」と思われます。

これが「5年」か「10年」かは、
弁護士ですら怪しいようですが。
http://www.bengo4.com/saiban/1137/b_183016/

もっとも、
いろいろ調べてみると、
おそらく「10年」と思われます。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/12-4/matsumoto.pdf

しかし、
「商品代金の精算」ということになると、
判例の趣旨からも「5年」になるかもしれません。

いやあ、分からない(苦笑)。

いずれにせよ、
これが米国法になると、
どうにも検索できないのです。

いえ、
実を言うと、
日本法でも検索できません。
「商品代金を余分に払ってしまった場合における、不当利得の返還請求権の消滅時効」
なんていうことをウェブ検索しようとしても、
いわゆる「サラ金」の「過払い訴訟」や、
未払いの商品代金(=買掛金)の消滅時効などはいくらでもヒットしますが、
得たい情報は得られないのです。

たまに、
法律Q&Aサイトで、
「家賃の過払い」や「駐車場代金の過払い」の質問があっても、
回答している人たちは、
「不当利得」という法的概念さえ知らない人たちばかりで、
何の参考にもなりません。

ちなみに、
「不当利得」「時効」「商事」で検索すると、
昭和55年1月24日の最高裁判所判決についてばかりヒットして、
(サラ金に対する過払金返還請求権の消滅時効期間が「10年」という判例です)
これもあまり参考になりません。

したがって、
米国法について上記の内容を検索できないのは、
当然かもしれません。
母国語である日本語でもできないのですから。

まず、
「過収金」=「過払い」は、
英語では「mistaken payment」と思われます。
そして、
「時効」は、
英語では「statute of limitation」(より正確には「出訴期限」)と言います。

他方当事者の詐欺などがなく、
単純な間違いの場合には、
(そもそもそうでなければ「mistaken payment」とは言えないでしょうが)
「mistaken payment」は「unjust enrighment」(不当利得)の一種であり、
「restitution of unjust enrighment」(不当利得の返還)の問題となります。

gilbertの「Remedies」(救済法)によると、
「Because a mistake is not a tort, the only remedy available necessarily is restitutional.」(273ページ)
とのことです。
同書には、
「Overpayment of money」(274ページ)
という項目もありますが、
「statute of limitation」と絡めては説明されていません。

やはり、
「米国民事訴訟法」のテキストを読む必要があるのかもしれません。
もっとも、
「アメリカ民事手続法」(浅香吉幹・著)には、
当然のように「statute of limitation」の説明はないため、
いわゆる法学のテキストよりも、
「1人でできる少額訴訟@カリフォルニア」みたいな、
ハウツー本を読んだ方が良いのかもしれません。
というわけで、
The Complete Idiot's Guide to Lawsuits
http://www.amazon.com/Complete-Idiots-Guide-Lawsuits-ebook/dp/B00AR19KDK/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1432885647&sr=8-2&keywords=Litigation+For+Dummies
という本をサンプルで入手してみましたが、
残念ながら、
目次を読む限り、
裁判システムの概略を説明している感じで、
具体例と具体的ポイントが書かれている感じではないです。

いつも思うことですが、
日本の書籍の実用性というか、
個別具体性は凄いと思います。

ちなみに、
「mistake」(錯誤)は、
「mistake of fact」(事実の錯誤)と「mistake of law」(法律の錯誤)の2種類に分類されます。
また、
同じ「mistake of fact」(事実の錯誤)と「mistake of law」(法律の錯誤)であっても、
民事法と刑事法では扱いが異なるようです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Mistake_(contract_law)

いずれにせよ、
「mistaken payment」と「statute of limitation」で簡単に検索できそうなものですが、
これがどうにも検索できないのです。

おそらく、
LexisかWestlawなら簡単に検索できるのでしょうが、
普通のウェブ検索ではどうにも検索できません。

そしてなぜか、
40年以上前のマサチューセッツ州の判例がヒットしたりします。
http://masscases.com/cases/sjc/363/363mass112.html

The statute of limitations on an action for recovery of money paid by mistake, despite the action's antecedents in equity, begins to run when the money was paid rather than when the mistake was discovered.

やはり、
40年以上前のネブラスカ州の判例も。
http://law.justia.com/cases/nebraska/supreme-court/1974/39012-1.html

The stipulation of facts establishes several points which narrow the scope of the question involved, namely: (1) The overpayment by plaintiff was made solely due to plaintiff's own mistake and lack of care; (2) the defendant hospital made no misrepresentation to induce the overpayment; (3) defendant acted in good faith without prior knowledge of the mistake in receiving the overpayment; and (4) there is no evidence that defendant, in reliance upon the mistaken payment, changed its position to its detriment.

そして、
検索すればするほど、
誰もが「Restitution and Unjust Enrichment」は難しい、
と書いています。

いや、
難しい法理はとりあえず置いておいて、
私が知りたいのは単純に「時効の期間」と「起算点」だけなんだけど、
と思うのですが、
どうにも突き止められません。

私には、
米国法について、
何か根本的な知識が欠けているように思えます。

もっとも、
↓このペーパーによると、
http://www.law.virginia.edu/pdf/faculty/hein/laycock/110michlrev929.pdf
1960年頃から「Damages」「Equity」「Restitution」を統合した現代的な「Remedies」(救済法)の授業コースが広まって以来、
「Restitution」(返還法理)の授業コースがなくなり、
その過程で「restitutionary causes of action」(返還法理による訴訟原因)についての理解が抜け落ちてしまっている、
とのことなので、
私が検索できないのも仕方がないのかもしれません。

理想的には、
「THE RESTATEMENT (THIRD) OF RESTITUTION & UNJUST ENRICHMENT」の本文&解説書を購入できれば良いのですが、
何百ドルもするので、
とりあえず、
Restitution: Civil Liability for Unjust Enrichment
というペーパーバックを購入しました。
http://www.amazon.co.jp/Restitution-Civil-Liability-Unjust-Enrichment/dp/022614416X/ref=tmm_pap_title_0?ie=UTF8&qid=1432880289&sr=1-1-catcorr

2015年5月26日火曜日

BLJ2015年5月号『国際動産売買契約における瑕疵担保・紛争解決条項の留意点』

改めて読み直してみましたが、
コンパクトに良くまとまっている記事で、
とても参考になります。

最初に読んだ時の感想を見直してみたところ、
「特に、
青山大樹弁護士の記事は、
期待が大きかっただけに、
落胆も大きかったです。
もっとも、
CISGに馴染みのない人にとっては、
参考になる内容だろうと思います。」
という辛口の感想でしたが(苦笑)。

内容は、極々基本的な内容ですが、
現行民・商法、改正民法案、CISGを比較している記事はなかなかないですし、
また、
日本法における英文条項の有効性という問題意識を、
おそらく誰よりも持っている青山弁護士による記事ですので、
参考英文も(文字通り)参考になります。

それが法務担当者がよく読むBLJの記事だということで、
他社の法務担当者との議論の土台としても使えると思います。

但し、
「紛争解決条項」 の部分は、
紙面を埋める目的だったのでは?
と思えるほど薄い内容で、
記事のインパクト&役目を考えると、
「瑕疵担保条項」に集中して欲しかったと思います。

青山弁護士による、
『条文から分かる 民法改正の要点と企業法務への影響』も、
amazonで予約しました。
(追記:素晴らしい内容の本でした)

今後も、
青山弁護士による記事&書籍は、
すべてチェックしていこうと思います。
できれば、
『日本法における英文条項の有効性』で、
一冊出して欲しいと思います。
(追記:現在、その点への問題意識は薄くなっているようです)

マメに本人に感想をメールで送っておくと、
今後に繋がって良いかもしれません。

2015年5月25日月曜日

法務担当者への英語教育

先日、
英文契約書の打ち合わせをした某社の法務担当者による英文の変更案を見て、
英文契約書への対応を仕事として任されている人でも、
「主語+動詞」という英文構造が叩き込まれていないという事実に、
どうしたものかなと、
改めてモヤモヤしています。

これまでの法務担当者としての経験と、
さらにはその前の英語教師としての経験から、
ほとんどの日本人ビジネスパーソンの人の頭の中に、
「主語+動詞」という英文構造が叩き込まれていないという事実は認識していましたが、
英文契約書を担当する人でもそうかと。

これはおそらく、
結局のところ、
英語を使ったアウトプットの問題だと思います。

例えどれだけの量の英語をインプットしていたとしても、
英語を使ったアウトプットをして、
そのアウトプットの適切さを検証するというステップを経ない限り、
正確な英文構造(syntax)を脳のシナプスに焼き付けることはできないのだと思います。

したがって、
英語を習得するためには、
アウトプットの適切さを検証するというステップを、
どうやって実現するかというのが、
最も重要となります。

当然、一番簡単なのは、
他人にチェックしてもらうことですが、
そのためには、
①謙虚な姿勢を取る
②お金を払う
のどちらかが必要となると思います。

もちろん、
両方するのがベストですが、
ほとんどの人は、
両方ともしないために、
いつまで経っても実現しないことになります。

おそらく同じことが、
英語以外のことにも言えると思います。

「人の振り見て我が振り直せ」
というやつですね。

(追記)
今、イシグロ・カズオの最新作『The Buried Giant』を読んでいるのですが、これが難しい。
彼は、シンプルだけれど凝った文体(正確には、作品に合った文体)で書く上に、
正統的な小説家らしく、
新聞記事などでは絶対に見ないような単語&表現を多用します。

前作『Never Let Me Go』は、近未来的なSF小説ということで、
極めて読み易かったのですが、、、

久し振りに、
辞書を引かないとストーリー展開が正確に理解できない、
という状況に陥っています。

私の英語力も、まだまだだと実感しています。

2015年5月22日金曜日

英訳のフラストレーション

日本語と英語の文章構造の違いから、
英語から日本語に翻訳するのは、
それほど抵抗を感じないのですが、
日本語から英語に翻訳するのは、
大きな抵抗を感じます。

それは、
日本語から英語に翻訳する作業には、
非常に大きなフラストレーションを伴うからです。

それを生業としている外国人翻訳者は、
本当に凄いと思います。
その忍耐力を尊敬します。

何よりもフラストレーションを感じることは、
そのフラストレーションの大きさを、
ほとんどの人に理解してもらえないことです。

理由は、
ほとんどの日本人の頭の中には、
英文の構造が叩き込まれていないために、
適格な英文を作成する時に、
どのような情報が必要なのかが分からないからです。

自分でも英文を書けるけれど、
時間がない/効率が悪いから、
他の人に頼む、
という場合であれば、
お互いにフラストレーションが発生する危険性は低くなりますが、
そのような例外的な場合を除いては、
こちらは「どうしてそんな情報も書いてないんだ」と、
相手は「どうしてそんな情報をいちいち求めるんだ」と、
お互いにフラストレーションを感じることになります。

難解な単語・表現や、難解な文法規則を教える/覚える時間と労力があるなら、
基本的な英文構造と、そこに必要とされる情報とを、
徹底的に叩き込むことに回すことができれば、
日本人の英語レベルは格段に向上すると思います。

難解な単語・表現なんて、
必要になった時に覚えれば良いだけです。

振り返ると、
大学時代の塾講師の頃から、
同じ気持ちを抱えています。

あれから20年、
状況がまったく変わっていないことに愕然としますが、
日常的に英語を使う必要がある日本人の数が、
20年前からそれほど増えていない以上、
状況がまったく変わっていないことは当然であって、
驚くべきことではないのでしょう。

2015年5月18日月曜日

「explicitly permit」

某米国企業から、
某日本企業経由で要請されているEAR遵守の誓約書の最重要ポイントとして、
EARが「explicitly permit」している場合を除いては再輸出不可、
という規定がありました。

ここで、
「explicitly permit」とは、
具体的に何を意味するのかと、
悩んでしまいました。

法律用語ではなく、
日常的な英語として、
「explicitly permit」を捉えれば、
「clearly allow」と同義として、
「法令上、明らかに許される範囲で」と解釈でき、
遵守は問題ない、少なくともEARそのものの遵守と同じと考えられるでしょうが、
もし、
「法令が文言で、具体的に許可している範囲で」との解釈を求められると、
EARそのものの遵守よりも、
誓約書の遵守が難しくなります。

結論としては、
EARを遵守していれば、
誓約書の文言がどのように解釈できるにせよ、
問題は発生しようがなく、
逆に、
EARに違反すれば、
誓約書の文言がどのように解釈できるにせよ、
会社に与えられる罰則は同じと考え、
提出することにしました。

こういう時に、
一人でいいから英語のネイティブスピーカーが会社にいると、
便利だろうなあと思います。

2015年4月16日木曜日

『英文契約書のための和英用語用例辞典』(野副靖人・著)

著者自身にとっては、
極めて有用な内容であることは想像できるのですが、
私には、
使い所が分からない本です。

通常であれば、
そのままスルーするのですが、
『企業マンサバイバル』の書評を読んで、
いろいろと考えさせられました。
http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/52297844.html

おそらく、
私の方が『企業マンサバイバル』管理人よりも、
(自分で言うのも何ですが)
英語力がずっと高いことと、
『企業マンサバイバル』管理人の方が私よりも、
日本語の用語の理解力がずっと高いこととが相俟って、
「実務に使える」という、
『企業マンサバイバル』管理人の書評となっているのだと思います。

実際、
この書評の末文には、
「原則としては英借文をこころがけ、プロによるチェックを前提としつつも、このような本を“脇差”としていざとなれば刺し違えリスク覚悟で立ち向かい、傷つきながら実践力を磨くことも必要となってきているように思います。」とあり、
「英借文が原則」であることについては、
私と認識の違いはないようです。

なぜ今回、
本書を取り上げたかと言うと、
同著者の新作が本日(2015年4月16日)発売されていて、
購入するか否か迷っているからです。
『自分で読み書きできる 英文ビジネス契約書』
http://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%9B%B8%E3%81%8D%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%80%80%E8%8B%B1%E6%96%87%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E5%A5%91%E7%B4%84%E6%9B%B8-%E9%87%8E%E5%89%AF%E9%9D%96%E4%BA%BA/dp/4502145211/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1429143762&sr=1-1

同著者はもう一冊出していて、
2005年2月発行の『英文ビジネス契約書の読み方・書き方・結び方』ですが、
それから10年間にどれだけの知見を集められたのかという点に、
私としては興味がありますが、
きっと可もなく不可もなくの無味乾燥な内容なのだろうなとは思います。

同著者の本3冊すべて中央経済社からの発行ですので、
編集者に知り合いがいるのかもしれません。

いずれにせよ、
一度書店で立ち読みしてみるつもりですが、
そのためには丸善oazoまで行かなければならず、
近くで知人と食事の約束でもしていないことには面倒で、
なかなか行けません。

こういう本こそ、
amazonでサンプルを読めると便利なのですが。

2015年4月1日水曜日

辞書サイト「Oxforddictionaries.com」

私が数年前から有料会員となっている辞書サイトですが、
半年前の2014年10月1日からUIが良い感じに変わっています。
http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/paragon

私は年額£9.99のSilver会員でしたが、
例文の表示が不要で、
広告が気にならないなら、
無料会員でも全く問題なく使えるお勧めサイトです。

これで、
類義語(synonym)だけでなく、
反対語(antonym)も表示してくれると、
完璧な辞書サイトなのですが。
ちなみに、
随分前から年額£19.99のGold会員の30日無料体験のメールが来ていたのですが、
メールのリンクをクリックしても、
ウェブサイトのアップグレード・ボタンをクリックしても、
なぜか最初にPayPalでの支払を要求されるため、
本当に30日間課金されないのか、
または、
課金されても返金されるのか不安で、
無料体験に踏み切れませんでした。

しかし、
新年度になった&法務課になったということで、
2015年4月1日から、
無料体験にならないどころか、
最悪、二重課金されても構わないという気持ちで、
Gold会員にアップグレードしてみました。

結果としては、
Silver会員との差額の支払いを要求され、
おそらく、
30日以内にSilver会員にダウングレードすれば、
その差額が払い戻されるのだと思います。
私にとって有用なGold会員の追加サービスは、
「Garner’s Dictionary of Legal Usage」だけですので、
正直、これだけのために£10/年を払う価値があるのか疑問には感じているのですが、
どんなものか試してみます。

私は、
iPad に「BLACK'S LAW DICTIONARY 9TH」をインストールしていますが、
iPadの場合、入力するのが面倒で、
なかなか活用できていないというのが現状だからです。

(追記)
おそらく本日4月1日からだと思いますが、
英英辞書と英西・西英辞書以外に無料でアクセスできなくなりました。
これは個人的には結構痛いです。

2015年3月27日金曜日

会社法&施行規則・改正の大会社・非公開会社への影響

直近の課題としては、
おそらく『内部統制システム構築・整備についての基本方針』の改訂だと思われますが、
今回の改正により、
一体何を新たにする必要があるのか、
以下にまとめてみました。

ベースは、dtkさんのブログ記事です。
http://dtk.doorblog.jp/archives/43175277.html

前提:
•東証一部上場の親会社の100%子会社。∴多重代表訴訟の可能性あり。
•規模としては大会社。
•株式の全部に譲渡制限がついている閉鎖会社:公開会社ではないので、社外取締役の事実上の義務化(327条の2)の議論も関係ない。
•監査役設置会社:監査役はいるが、監査役会はなく、社外監査役の義務化も無関係。

<対応が必要そうな項目>
•責任限定契約について、業務執行取締役等(2条15号イ)でない取締役及び監査役については、社外取締役または社外監査役でなくとも会社との間で責任限定契約を締結可能(427条1項)。

•会計監査人の選解任等に関する議案の内容は、監査役が決定する(344条1項)。監査役が2人以上ある場合には、監査役の過半数を持って決定する(344条2項):今までも監査役に提案権はあったが、特段の提案がない限りは、再任とみなされていた(338条2項)が、今後はそもそも議案を決定しないでよいのか(338条2項は今回の改正では変更はなかった)、個人的にはちょっと良くわからない。

業務の適正を確保するための体制の内容(内部統制システムの整備)に関する決定:
もともと取締役会決定を要する(348条3項4号、362条4項6号)ところで、もともと法律の要請通りに決議していた場合は、従前決定していた内容に加えて、改正後施行規則100条3項で次の事項については、追加的に決議が必要。
一 当該監査役設置会社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
二 前号の使用人の当該監査役設置会社の取締役からの独立性に関する事項
三 当該監査役設置会社の監査役の第一号の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
四 次に掲げる体制その他の当該監査役設置会社の監査役への報告に関する体制
 イ 当該監査役設置会社の取締役及び会計参与並びに使用人が当該監査役設置会社の監査役に報告をするための体制
 ロ 当該監査役設置会社の子会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当該監査役設置会社の監査役に報告をするための体制
五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
六 当該監査役設置会社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
七 その他当該監査役設置会社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制の整備
(施行規則98条1項、100条1項、110条の4第2項、112条2項)
例示としては次のような内容が挙げられている。
当該株式会社の子会社の取締役等の職務の遂行に係る事項の当該株式会社への報告に関する事項(各項5号イ)
当該株式会社の子会社の損失の危険の管理に関する規定その他の体制(各項5号ロ)
当該株式会社の株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(各項5号ハ)
当該株式会社の子会社の取締役等・使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制(各項5号ニ)
なお、上記については柱書に「当該株式会社における」とあり、親会社たる「当該株式会社」の体制整備を求めるもので、「当該株式会社」がその子会社等の内部に介入して体制を整えることを求めているものではないとのこと。

その他「事業報告」において、記載の追加変更が必要になると考えられる事項:
内部統制システムの運用状況の概要(施行規則118条2号)
親会社等との取引に関する事項(施行規則118条5号、128条3項)
後者の「施行規則118条5号」の条文を読んでも(引用条文まで読む気になれないので)よく理解できませんが、少し気になります。

2015年3月23日月曜日

『英文売買書式と取引実務』(伏見和史・著)

2006年12月発行の本で、
英文契約書関係の日本語の本としては、
『英文契約書の基礎知識』(The Japan Times)の次に、
私が読み込んでいる本です。

ただし、
読み込み具合と、内容の良し悪しとは、
それほど関連性はありません。

『英文契約書の基礎知識』は、
私が法務翻訳を開始した頃に購入した本だからです。
今読み返すと、
例文の質も、本の構成も、良くないのですが、
初学者が英文契約書を理解するための一冊目には、
良い本だと思います。

『英文売買書式と取引実務』は、
例文の質は良くないのですが、
(しかも、たまたま読んだ他人の「英文売買書式」についての解説という書き振りで、著者が自分が選んだ英文に対する責任を放棄しているようで印象が悪いです。)
本の構成は、
英文契約書関係の日本語の本としては珍しく、
売買契約書(正確には売買約款)に特化していて、
説明が詳しく、
体系的で読み易いです。

『英文契約書の基礎知識』や『初歩からきちんと英文契約書』(仲谷栄一郎)を始めとして、
ほとんどの英文契約書関係の日本語の本は、
英文契約書の全体像、英文契約書に特徴的な表現集、(売買、ライセンス、M&Aなど)各種の英文契約書の説明、
といったことを一冊に詰め込んでいて、
英文契約書の全体像を知るためには良いのですが、
それ以上の知識・技能を得るためには適していない場合が多いのです。

『国際売買契約~ウィーン売買条約に基づくドラフティング戦略』(LexisNexis)も、
売買契約書に特化している点は良いのですが、
残念ながら版型が中途半端に大きく、
(こんな中途半端な大きさにすることに誰が決めたのか疑問です)
持ち歩いて読み込む気になれません。
また、
サブタイトルから推測できるように、
ウィーン売買条約に関する説明に紙面を多く割かれていることも、
何度も読み込むには邪魔です。

近い将来、
私が個人的に満足できる=使い易い、
例文と構成にまとめた英文契約書についての本を、
出版できたら良いなと考えています。

私が満足できるレベルの例文が使用されている英文契約書関係の日本語の本が存在しない理由は、
本当の意味で『英語と法律の両方』を専門にする専門家が、
日本人にはいないからだろうと思います。

日本人の法務翻訳者のほとんどは、
それほど法律を勉強していないし、
日本人の海外法務担当者のほとんどは、
それほど英語を勉強していないように思えます。

が、その第一人者になれれば良いなと思いますが、
まずは、
目の前の実務に使える売買契約書類の例文集をまとめることから、
地道に始めます。

2015年3月10日火曜日

法務交渉の場数

所属部門の方針から、
私が他社との交渉に臨席する機会は、
これまで極めて稀でした。

しかし、
その数少ない機会の度に、
山ほど反省点が浮かび上がってきます。

その最大の原因は、
私の想像力の不足でしょう。

法務担当者として、
この想像力の不足は致命的とも言える弱点ですが、
その弱点を少しでも補うためには、
場数を踏むことが必要不可欠と考えています。

ちょうど、
4月から組織変更があり、
法務課の非管理職が私だけになるので、
なるべく多くの機会を見付けては、
積極的に他社との交渉に臨席したいと思います。

私の性質からして、
普段からそれほど重要でない法務交渉を積み重ねておかないと、
いざ重要な法務交渉が発生した時に、
上手く対応できないと思うからです。

2015年3月3日火曜日

「クレーム」の英訳

既に書いていることかもしれませんが、
備忘録として書きます。

一般的な意味での「クレーム」の英訳は、
「complaint」でしょう。

逆に「claim」の和訳は、
「請求」「主張」「債権」でしょう。

「クレーマー」の英訳は、
「complaining customer」でしょう。

逆に「claimer」という英語はそれほど一般的ではなく、
通常「claimant」を使います。

2015年3月2日月曜日

U.C.C. 2-312(3)「第三者の権利への非侵害の保証」

2-314(Implied Warranty: Merchantability; Usage of Trade)や、
2-315(Implied Warranty: Fitness for Particular Purpose)のように、
タイトルには書かれていませんが、
2-312(Warranty of Title and Against Infringement; Buyer's Obligation Against Infringement)も、
「黙示の保証」(Implied Warranty)の一類型です。

wikipediaの「Implied Warranty」
http://en.wikipedia.org/wiki/Implied_warranty

以下、U.C.C.の条文です。
http://www.law.cornell.edu/ucc/2/2-312
http://www.law.cornell.edu/ucc/2/2-314
http://www.law.cornell.edu/ucc/2/2-315

特に2-312(3)では、「第三者の権利の非侵害の保証」が「商人」にのみ規定されていて、
これが取引基本契約書においては問題になる場合も多いです。

(3) Unless otherwise agreed a seller who is a merchant regularly dealing in goods of the kind warrants that the goods shall be delivered free of the rightful claim of any third person by way of infringement or the like but a buyer who furnishes specifications to the seller must hold the seller harmless against any such claim which arises out of compliance with the specifications.

ロースクール生用のホーンブックの一つである『gilbert LAW SUMMARIES』の『Sale and Lease of Goods』によると、
"...the warranty of title under U.C.C. is breached only when someone makes a non-frivolous claim to superior title. The seller is not responsible for colorless claims of superior title. [U.C.C. 2-312, Official Comment 1; Jefferson v. Janes, 408 A.2d 1036 (Md. 1979)]"
とのことですが、
何が『non-frivolous claim』で、何が『colorless claim』なのか、その境界線は不明です。

また、
U.C.C.では、
その前身であるUniform Sales Actやコモンローの規則である、
『quiet possesion』に関するwarrantyを売主に課していないとのことです。
『quiet possesion』に関するwarrantyとは、
『一切の訴訟またはその恐れからの自由』(quiet possesion)を保証するものとのことです。
やはり、
何が『non-frivolous claim』で、何が『colorless claim』なのか、
その境界線に問題は戻ってきそうです。

2015年2月24日火曜日

救済方法の制限(その1)

救済方法の制限条項についてです。

先日、海外営業担当者から見積書に、
「liquidated damage(予定損害金)については責任を負わない」という条件を記載したいので、
英語の文例を教えて欲しい、
という依頼を受けました。

当然、
「それでは、liquidated damage(予定損害金)以外にはどんな責任は負うつもりなのか?」という疑問が湧きましたので、
質問したところ、
「問題発生時に当社ができるのは良品との交換のみとなります」
との回答を受けました(苦笑)。

そもそも「liquidated damage」の概念を理解していないことについて、
仕方がないのかなと思う一方で、
海外営業担当者として、それくらいは理解しておいてもらいたいという気持ちもあります。

しかも、
この担当者は私の会社においてはエースと言える存在ですので、
彼が理解していないということは、
おそらく誰も理解していないだろうということは、
容易に推測されます。

これは社内研修や社内方針の問題だと思いますが、
他の中規模商社は、
この問題についてどう対応しているのか非常に気になります。

上司に話したところ、
「営業担当者に、見積書にそのような条件を記載しようという意識が出てきたことは素晴らしい」と、
glass-half-fullな反応をしたので、
自分のglass-half-emptyな反応を反省もしましたが、
同時に、
(おそらく)責任者として、
私には営業者の意識&知識を何とか向上させていく責任があるとも、
改めて思いました。

以下、
「問題発生時に当社ができるのは材料との取り換えのみとなります」
を実現するための、
見積書条件の考え方です。
少なくとも以下の3つの概念を使用する必要があるでしょう。
①製品保証の制限
②製品に問題があった場合の対応(=救済方法)の制限
③損害賠償の制限

ただし、
以上の3つの概念を使用しても、
「相手からの異なる条件提示を許さない」という、
もう1つ別の条件の記載をしておかないと、
相手がこちらが提示した条件を無視して異なる条件を提示してきた場合、
特別に対応する必要が出てきます。

このように突き詰めて考えて行くと、
結局、
「販売約款」「購入約款」が必要という結論になるわけです。

したがって、
私の次なる課題は、
このように突き詰めて考えていく風土を、
どのようにして営業部門に浸透させていくのか、
ということになります。

これは、
会社の風土自体が変わらなければ難しいことかもしれませんが、
まずは、私自身が、
突き詰めて考えていく習慣を身に着けたいと考えています。

以下、上記の見積書条件の参考英文です。

LIMITED WARRANTIES
SELLER SHALL ASSIGN THE MANUFACTURER’S WARRANTY FOR THE PRODUCTS TO BUYER TO THE EXTENT AUTHORIZED BY THE MANUFACTURER WITHOUT RECOURSE TO SELLER. THIS WARRANTY IS THE EXCLUSIVE WARRANTY AND IS PROVIDED INSTEAD OF ANY WARRANTY OF MERCHANTABILITY, FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE, OR ANY OTHER WARRANTY, EXPRESS OR IMPLIED.

LIMITATION OF REMEDIES
SELLER SHALL AT ITS ELECTION AND EXPENSE REPAIR OR REPLACE ANY PRODUCTS OR ANY PART THEREOF WHICH DO NOT COMPLY WITH THE FOREGOING LIMITED WARRANTIES, PROVIDED THAT SUCH PRODUCTS OR PART WAS USED IN A PROPER MANNER, UNDER NORMAL CONDITIONS AND IN ACCORDANCE WITH SUCH DIRECTIONS FOR USE AS MAY BE FURNISHED BY SELLER AND PROVIDED THAT ALTERATIONS OR REPAIRS UPON SUCH PRODUCTS OR PART BY ONE OTHER THAN SELLER SHALL HAVE BEEN PERFORMED, IN THE SOLE JUDGMENT OF SELLER, IN A PROPER MANNER AND SHALL NOT HAVE RESULTED IN A SUBSTANTIAL CHANGE THEREIN. THIS IS SELLER'S SOLE AND EXCLUSIVE LIABILITY AND BUYER'S SOLE AND EXCLUSIVE REMEDY FOR SELLER’S BREACH OF THE FOREGOING LIMITED WARRANTIES.

LIMITATION OF LIABILITY
IN NO EVENT SHALL SELLER BE LIABLE TO BUYER FOR ANY INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, PUNITIVE, DELAY, OR CONSEQUENTIAL DAMAGES, INCLUDING WITHOUT LIMITATION, LOSS OF DIRECT OR INDIRECT PROFITS, REVENUE, OR USE, WHETHER ARISING IN CONTRACT, TORT, OR OTHERWISE, EVEN IF BUYER OR ANY OTHER PARTY HAS BEEN ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGES. IN NO EVENT SHALL SELLER’S AGGREGATE LIABILITY TO BUYER EXCEED ALL AMOUNTS ACTUALLY PAID BY BUYER TO SELLER.

上記の参考英文についての注意ですが、
「製品保証の制限」を、
「仕入先の製品保証の譲渡」と規定していますので、
保証内容を明記しておかないと、
保証内容が無効になる危険性がある場合には使えません。

また、
「救済方法の制限」についても、
製品保証の違反についての救済方法しか制限しておらず、
それ以外の契約違反=債務不履行についての救済方法は制限していないため、
それも制限する必要がある場合には使えません。

2015年2月19日木曜日

期限の利益の喪失(その2)

2014/12/24のエントリーに書きましたように、
マレーシア法弁護士に、
「期限の利益の喪失」について質問したところ、
「そのような規定はない」との回答を受けたので、
改めて、
「acceleration」と「occasions where one's debt or obligation immediately becomes due and payable」という表現を使って質問したところ、
やはり、
「そのような規定はない」との回答を受けた上に、
関連するかもしれない規定として、
「Time is of the essence to this contract」についての説明がありました。
(それは全く関連しないだろ、とツッコミたくなりましたが)

やはり2014/12/24のエントリーに書きましたように、
『株式会社カイ・コーポレーション』という翻訳会社のブログに、
以下の記述があります。
http://kaicorp.com/knowhow/31.html
『米国企業や米国弁護士が作成した契約書で benefit of time を見たことは私は一度もありません。』

マレーシアは「米国」でなく「英国」の影響が非常に強いので、
もしかすると、
『All obligations of the Borrower shall be accelerated and become immediately due and payable.』
というような「acceleration」条項は、
「米国」では一般的でも、
「英国」では一般的ではないのかもしれません。

マレーシア法弁護士によると、
「debt/payment dueのaccelerationを規定した条項を含む契約書は見たことがない」
ということですので。

もしかしたら、
日本国外では、より簡単に相殺が許されるので、
日本のように、わざわざ「acceleration」させて「相殺適状」にする必要性がない、
ということなのかもしれません。
実際、私も民法137条の規定は不適切だと思いますし。

または、
相殺したくなるような状況が発生したら、
とりあえず契約を終了させて処理することにして、
契約終了条項さえしっかりと規定しておけば良い、
ということなのかもしれません。

どちらかと言うと、
後者の方が正しい気がします。

2015年2月4日水曜日

JATLAW勉強会「Tools For Legal Translators」

先週の土曜日、
3か月振りに、
JATLAWのレクチャーに参加しました。
http://jat.org/events/show/tools_for_legal_translators_7_techniques_for_improving_accuracy_and_consist

講師は、
第9回「新橋・法務交流会」にも来てもらった、
Cathy Eberstさん。
JATLAWのレクチャーが翌日にあったために、
CathyさんはTAYL2&交流会に出席できなかったとのこと。

Cathyさんは、
何と私の「5倍」ものスピードで翻訳できるという、
超一流の法務専門翻訳者です。

この勉強会にはどうしても参加したくて、
妻が仕事であるにも関わらず、
娘を荒川区立保育園の一時保育に預けて、
参加しました。

勉強会の内容は、
-          OCR software and tools for creating a “cleaner” document
-          Translation memory software
-          Glossary creation
-          Macros and Word add-ins of specific use to legal translators
-          Tips for using the Standard Legal Terms Dictionary and Japanese Law Translation website
-          Tips for efficiently using resource materials
-          Translation check software
-          Bonus Tip: advice on how to synchronize Word keyboard shortcuts and macros on all your PCs
と、目白押しでした。

と言っておきながら、
実はいろいろな事情があり、
レクチャーには大幅に遅刻してしまいました(苦笑)

しかし、
レクチャー後の懇親会では、
MS Wordマクロの専門家&日本に数人しかいないというMS WordのMVPである、
新田順也さんと知り合うことができ、
懇親会中、ほぼ独占的に話ができました(笑)

その場で、
TAYL3での15分スピーカーを依頼して快諾を受けました。

2015年1月31日土曜日

第2回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL2: Talk As You Like 2nd)

昨日1月30日(金)の終業後、
第2回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL2: Talk As You Like 2nd)を、
開催いたしました。

プレゼンターは5人。

題目は以下です。
①私の上司による『商社の扇動術』
②某法務担当者による『パチンコ・パチスロビジネスとカジノ法案』
③某法務担当者による『LL.M.@テンプル大学ジャパンキャンパス・ロースクール』
④某法務担当者による『ひとり法務のすすめ』
⑤某法務担当者による『プリビリッジ、って一体なんなのさ』

全て15分ずつ、
やっていただきました。

プレゼンターの皆様、
ありがとうございました。

前回よりは格段に慣れて、
また、
全て企業の法務担当者によるレクチャーということで、
TAYLのカラーを明確に出すことができたと思います。

その後の第10回『新橋・法務交流会』は、
『ROSE&CROWN新橋店』で開催いたしました。

大きな店なので、
いろいろと調整が付きやすいのは、
主催者としては非常に助かるのですが、
店内がうるさ過ぎるのと、
食事が美味しくないのが難点です。

参加者の皆様、
ありがとうございました。

2015年1月22日木曜日

Letter of Credit(最後)

L/Cを理解するのに非常に参考になる、
「輸出入と信用状取引―新しいUCP & ISBPの実務」(浦野直義・監修)ですが、
http://www.proz.com/kudoz/japanese_to_english/finance_general/2528153-%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%A8%E3%80%80%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%B3.html
非常によくまとまっているのですが、
ある程度銀行業務を知っている読者を対象にしているようで、
(監修者+著者は5人全員銀行マン)
いくつかの用語が、何の説明もなく使用されていることに違和感を覚えました。

たとえば「代り金」ですが、
「カワリキン」と読む金融業界用語のようですが、
普通に使っていると、
業界用語か否か分からなくなるのでしょうね。
ちなみに、UCP 600では、
39条の「Assignment of Proceeds」が、
「代り金の譲渡」と翻訳されています。

「reimburse/reimbursement」の訳語も、
「リインバース/リインバースメント」ではなく、
「リンバース/リンバースメント」と表現されています。

まあ、
「マイルス・デイビス」や「阪神タイガース」、
さらには「フォー・ウェディング」という表現が使われている国なので、
仕方ないと言えば仕方ないのですが。

「コルレス契約」「コルレス銀行」も、
説明なく使用されていますが、
それぞれ「correspondent agreement」「correspondent bank」の訳語です。
「コルレス」が「correspondent」の訳語とは、
知らない人は絶対に思い付かないでしょう。

2015年1月21日水曜日

Letter of Credit(その4)

made out to order and blank endorsed
http://www.jetro.go.jp/world/qa/t_basic/04A-011158

「blank back or short form bills of lading are not acceptable」
http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/export_07/04A-020129

『サレンダードB/L』
http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/import_04/04A-010716
http://www.jetro.go.jp/world/qa/t_basic/04C-070301
「輸出車が船荷証券に裏書をして、船会社に返却することで、輸入車が船荷証券の原本を提示せずに貨物を引き取ることができるようにした船荷証券」(『与信管理の英語』)

未だに『サレンダードB/L』については、
完全に理解できていません。

2015年1月20日火曜日

Letter of Credit(その3)

行けるところまで、「Letter of Credit」(信用状)についてです。

前回でも引用しましたが、
「横浜企業経営支援財団」の「役に立つ貿易ワンポイントレッスン」が、
英文の説明も含めて、
なかなか分かりやすいです。
http://www.idec.or.jp/kaigai/report/column/

その「第6回 Letter of Credit(信用状)について。その1」によると、
「B/L」(船荷証券) では、
「Buyer/Importer」のことを「Notify (Party)」と呼ぶようです。
「Notify」は普通「通知する」という動詞として理解しますので、
これだけ単独で使われていたら、
英語の下手な人の間違いだと思ってしまうでしょう。

上記も含めて、
各船積書類によって、
同じ当事者を表現するにも異なる英語を使うという、
非常に理解しにくい慣習があるようです。
http://www.idec.or.jp/kaigai/documents/detail_7.pdf

名詞「tenor」は、
(Banking & Finance) finance the time required for a bill of exchange or promissory note to become due for payment
という意味を持っているようです。
http://www.thefreedictionary.com/Tenor

「指図式手形」(order bill)の指定に使われる、
「to yourself or order」の「order」も、
「to the order of the negotiating bank」(買取銀行の指示に従い)が省略された表現なのか、
「order」自体で名詞「指図人」を意味するのかは分かりませんが、
(後者の場合でも省略された表現と言えますが)
理解しにくいです。

英語は、
単語の持つ意味があまりに豊富過ぎて、
本当に難しい言語だと改めて思います。

英語の文法は難しいと言う人が多いですが、
英語は、
文法は非常に簡単だけれど、
語彙が非常に難しい言語であるというのが、
事実だと思います。

2015年1月19日月曜日

Letter of Credit(その2)

前回に続いて、
「Letter of Credit」(信用状)についてです。

先週の金曜日に注文していた本が届いたのに加えて、
(「輸出入と信用状取引―新しいUCP & ISBPの実務」浦野直義・監修)
文京図書館からも何冊か借りてきましたので、
(「THE L/C―信用状の実務手続き」井上洋・著 、その他)
主にそれらの内容から説明します。

しかし、
いずれの本の著者も、
貿易関係者か銀行関係者で、
「英語」の専門家ではないため、
「そもそもなぜ、そのような単語・表現を使っているのか?」という、
私が一番気になる疑問に対する回答は得られませんでした。
(その昔の電信時代など、とにかく字数を節約しようとしていた頃からの影響ではないかというのが私の推測です)

例えば、
「We hereby issue in your favor this documentary credit which is available by negotiation of your drafts at sight drawn on us bearing the applicant’s name, the number and date of this credit.」
という英文の中で、
なぜ「is available by negotiation of your drafts」(貴社の手形の買取に使用できる)という表現が使用されているのか、
説明がないのです。
http://www.idec.or.jp/kaigai/documents/detail_8.pdf

これは、
形容詞「available」の一般的な使い方ではまったくありません。
「is available for negotiation of your drafts」と前置詞「for」を使うか、
そもそも形容詞「available」を使うこと自体が不適切のように感じます。

形容詞「available」に続く前置詞については、
「信用状統一規則」(UCP 600)の6条でも、
「(the credit) is available with any bank」
「(the credit) is available by sight payment」
と記載されていて、
ここでも「for」は使われていません。

「L/C取引での「availability」とは何か?」というウェブサイト記事を見付けました。
http://www.letterofcredit.biz/Availability.html

しかし、
これを読んでいると、
疑問が解決されるどころか、
疑問はさらに増えていきます。

「Bill of exchange or draft is not required under deferred payment.」
L/Cの支払条件が「deferred payment」の場合、
輸出車は「船積書類」を提出するだけで銀行から代金を回収できるということなのでしょうか?
(後記:その通りでした)
その理解が正しいとしたら、
輸出者は、「船積書類」を提出するだけで、
期日が来れば「発行銀行」(それとも「買取銀行」?)から代金を回収できるため、
輸出者が負担する回収リスクは、
「発行銀行」自体のカントリーリスクと信用リスクということになります。
(後記:「deferred payment」の場合、輸出者は「為替手形」を振り出さない=即座に「買取銀行」に割り引いてもらえないため、L/C規定のユーザンス期間中、代金を回収できないことになります)

上記のウェブサイトも、
専門用語の多さと、英文の間違いの多さから、
既に分かっている人には理解できるけれど、
まだ分かっていない人には理解が難しいという、
専門家が書く文章にありがちな落とし穴に嵌っていますね。
そして、
本当に痒い所には手が届いていないという落とし穴にも。

もっとも、
私が書く文章も、
同じ落とし穴に嵌っている気はします。

2015年1月16日金曜日

Letter of Credit(その1)

私が国際貿易に関与するようになってから、3年半が経ちます。
(契約書を通しての間接的な関与ではありますが)
つまり、現在の会社に入社して3年半が経つということです。

しかし、
未だに「信用状」(Letter of Credit)の仕組みがよく理解できていません。

特に、
ユーザンスが付いている「信用状」の仕組みがよく理解できておらず、
それで何が困るかと言うと、
支払方法がユーザンスが付いている「信用状」による場合に、
契約書の「支払条件」(Payment Terms)の条項に、
「信用状」開設条件を記載する際の英文作成に困るのです。

「見積書」の記載のように、
"Payment: By an irrevocable L/C at 90 days' sight after B/L date"
(※出典は、http://www.eishakubun.com/paymentterms.htmlですが、
 後述するように、この英文は間違っていると思います)
としたり、
Swift形式(42P: Deferred Payment Details)の「信用状」のように、
"90 DAYS AFTER SHIPMENT DATE"
と箇条書きするなら簡単ですが、
きちんとした文章で表現しようとすると、
途端に迷います。

そして、
このような英文は、
英文契約書についての書籍の著者は、
見積書・発注書で扱う文言であって、
契約書で扱う文言ではないと考えているようで、
「英文ビジネス契約書大辞典」(旧版)ですら、
ほとんど扱っていません。
わずかに、
例文183「代金支払条項①」に「荷為替信用状による決済」として紹介されていますが、
それは「一覧払」です。

また、
ビジネス英文についての書籍の著者も、
ユーザンス付きの「信用状」による支払いまで深掘りしている著者は、
私が知る限り、いません。

これも、
私自身が書くしかない内容だなと、
考えています。

余談ですが、
日本では「支払サイト」という用語を一般的に使用するため、
日本人が書く英文には、
上記の例のように「sight」という単語が間違って使用されている場合があります。
おそらく「90日の支払サイトで」という意味で使っているのでしょう。

しかし、
英語では「支払サイト」という意味には「usance」を使用し、
「sight」は「手形の呈示/一覧」を意味します。
したがって、
"Payment: By an irrevocable L/C at 90 days after B/L date"
が正しいです。
「一覧後60日支払」であれば、
"Payment: By an irrevocable L/C at 90 days after sight"
が正しいです。

「支払サイト」の語源を調べてみましたが、分かりませんでした。
「サイト後(=一覧後)90日」から「後」が抜け落ちて「サイト90日」となり、
そこから「支払サイト」という概念が生まれたのかもしれません。

「小麦粉」を「メリケン粉」と言うのと同じでしょうか。
違うかな・・・