2015年1月31日土曜日

第2回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL2: Talk As You Like 2nd)

昨日1月30日(金)の終業後、
第2回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL2: Talk As You Like 2nd)を、
開催いたしました。

プレゼンターは5人。

題目は以下です。
①私の上司による『商社の扇動術』
②某法務担当者による『パチンコ・パチスロビジネスとカジノ法案』
③某法務担当者による『LL.M.@テンプル大学ジャパンキャンパス・ロースクール』
④某法務担当者による『ひとり法務のすすめ』
⑤某法務担当者による『プリビリッジ、って一体なんなのさ』

全て15分ずつ、
やっていただきました。

プレゼンターの皆様、
ありがとうございました。

前回よりは格段に慣れて、
また、
全て企業の法務担当者によるレクチャーということで、
TAYLのカラーを明確に出すことができたと思います。

その後の第10回『新橋・法務交流会』は、
『ROSE&CROWN新橋店』で開催いたしました。

大きな店なので、
いろいろと調整が付きやすいのは、
主催者としては非常に助かるのですが、
店内がうるさ過ぎるのと、
食事が美味しくないのが難点です。

参加者の皆様、
ありがとうございました。

2015年1月22日木曜日

Letter of Credit(最後)

L/Cを理解するのに非常に参考になる、
「輸出入と信用状取引―新しいUCP & ISBPの実務」(浦野直義・監修)ですが、
http://www.proz.com/kudoz/japanese_to_english/finance_general/2528153-%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%A8%E3%80%80%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%B3.html
非常によくまとまっているのですが、
ある程度銀行業務を知っている読者を対象にしているようで、
(監修者+著者は5人全員銀行マン)
いくつかの用語が、何の説明もなく使用されていることに違和感を覚えました。

たとえば「代り金」ですが、
「カワリキン」と読む金融業界用語のようですが、
普通に使っていると、
業界用語か否か分からなくなるのでしょうね。
ちなみに、UCP 600では、
39条の「Assignment of Proceeds」が、
「代り金の譲渡」と翻訳されています。

「reimburse/reimbursement」の訳語も、
「リインバース/リインバースメント」ではなく、
「リンバース/リンバースメント」と表現されています。

まあ、
「マイルス・デイビス」や「阪神タイガース」、
さらには「フォー・ウェディング」という表現が使われている国なので、
仕方ないと言えば仕方ないのですが。

「コルレス契約」「コルレス銀行」も、
説明なく使用されていますが、
それぞれ「correspondent agreement」「correspondent bank」の訳語です。
「コルレス」が「correspondent」の訳語とは、
知らない人は絶対に思い付かないでしょう。

2015年1月21日水曜日

Letter of Credit(その4)

made out to order and blank endorsed
http://www.jetro.go.jp/world/qa/t_basic/04A-011158

「blank back or short form bills of lading are not acceptable」
http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/export_07/04A-020129

『サレンダードB/L』
http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/import_04/04A-010716
http://www.jetro.go.jp/world/qa/t_basic/04C-070301
「輸出車が船荷証券に裏書をして、船会社に返却することで、輸入車が船荷証券の原本を提示せずに貨物を引き取ることができるようにした船荷証券」(『与信管理の英語』)

未だに『サレンダードB/L』については、
完全に理解できていません。

2015年1月20日火曜日

Letter of Credit(その3)

行けるところまで、「Letter of Credit」(信用状)についてです。

前回でも引用しましたが、
「横浜企業経営支援財団」の「役に立つ貿易ワンポイントレッスン」が、
英文の説明も含めて、
なかなか分かりやすいです。
http://www.idec.or.jp/kaigai/report/column/

その「第6回 Letter of Credit(信用状)について。その1」によると、
「B/L」(船荷証券) では、
「Buyer/Importer」のことを「Notify (Party)」と呼ぶようです。
「Notify」は普通「通知する」という動詞として理解しますので、
これだけ単独で使われていたら、
英語の下手な人の間違いだと思ってしまうでしょう。

上記も含めて、
各船積書類によって、
同じ当事者を表現するにも異なる英語を使うという、
非常に理解しにくい慣習があるようです。
http://www.idec.or.jp/kaigai/documents/detail_7.pdf

名詞「tenor」は、
(Banking & Finance) finance the time required for a bill of exchange or promissory note to become due for payment
という意味を持っているようです。
http://www.thefreedictionary.com/Tenor

「指図式手形」(order bill)の指定に使われる、
「to yourself or order」の「order」も、
「to the order of the negotiating bank」(買取銀行の指示に従い)が省略された表現なのか、
「order」自体で名詞「指図人」を意味するのかは分かりませんが、
(後者の場合でも省略された表現と言えますが)
理解しにくいです。

英語は、
単語の持つ意味があまりに豊富過ぎて、
本当に難しい言語だと改めて思います。

英語の文法は難しいと言う人が多いですが、
英語は、
文法は非常に簡単だけれど、
語彙が非常に難しい言語であるというのが、
事実だと思います。

2015年1月19日月曜日

Letter of Credit(その2)

前回に続いて、
「Letter of Credit」(信用状)についてです。

先週の金曜日に注文していた本が届いたのに加えて、
(「輸出入と信用状取引―新しいUCP & ISBPの実務」浦野直義・監修)
文京図書館からも何冊か借りてきましたので、
(「THE L/C―信用状の実務手続き」井上洋・著 、その他)
主にそれらの内容から説明します。

しかし、
いずれの本の著者も、
貿易関係者か銀行関係者で、
「英語」の専門家ではないため、
「そもそもなぜ、そのような単語・表現を使っているのか?」という、
私が一番気になる疑問に対する回答は得られませんでした。
(その昔の電信時代など、とにかく字数を節約しようとしていた頃からの影響ではないかというのが私の推測です)

例えば、
「We hereby issue in your favor this documentary credit which is available by negotiation of your drafts at sight drawn on us bearing the applicant’s name, the number and date of this credit.」
という英文の中で、
なぜ「is available by negotiation of your drafts」(貴社の手形の買取に使用できる)という表現が使用されているのか、
説明がないのです。
http://www.idec.or.jp/kaigai/documents/detail_8.pdf

これは、
形容詞「available」の一般的な使い方ではまったくありません。
「is available for negotiation of your drafts」と前置詞「for」を使うか、
そもそも形容詞「available」を使うこと自体が不適切のように感じます。

形容詞「available」に続く前置詞については、
「信用状統一規則」(UCP 600)の6条でも、
「(the credit) is available with any bank」
「(the credit) is available by sight payment」
と記載されていて、
ここでも「for」は使われていません。

「L/C取引での「availability」とは何か?」というウェブサイト記事を見付けました。
http://www.letterofcredit.biz/Availability.html

しかし、
これを読んでいると、
疑問が解決されるどころか、
疑問はさらに増えていきます。

「Bill of exchange or draft is not required under deferred payment.」
L/Cの支払条件が「deferred payment」の場合、
輸出車は「船積書類」を提出するだけで銀行から代金を回収できるということなのでしょうか?
(後記:その通りでした)
その理解が正しいとしたら、
輸出者は、「船積書類」を提出するだけで、
期日が来れば「発行銀行」(それとも「買取銀行」?)から代金を回収できるため、
輸出者が負担する回収リスクは、
「発行銀行」自体のカントリーリスクと信用リスクということになります。
(後記:「deferred payment」の場合、輸出者は「為替手形」を振り出さない=即座に「買取銀行」に割り引いてもらえないため、L/C規定のユーザンス期間中、代金を回収できないことになります)

上記のウェブサイトも、
専門用語の多さと、英文の間違いの多さから、
既に分かっている人には理解できるけれど、
まだ分かっていない人には理解が難しいという、
専門家が書く文章にありがちな落とし穴に嵌っていますね。
そして、
本当に痒い所には手が届いていないという落とし穴にも。

もっとも、
私が書く文章も、
同じ落とし穴に嵌っている気はします。

2015年1月16日金曜日

Letter of Credit(その1)

私が国際貿易に関与するようになってから、3年半が経ちます。
(契約書を通しての間接的な関与ではありますが)
つまり、現在の会社に入社して3年半が経つということです。

しかし、
未だに「信用状」(Letter of Credit)の仕組みがよく理解できていません。

特に、
ユーザンスが付いている「信用状」の仕組みがよく理解できておらず、
それで何が困るかと言うと、
支払方法がユーザンスが付いている「信用状」による場合に、
契約書の「支払条件」(Payment Terms)の条項に、
「信用状」開設条件を記載する際の英文作成に困るのです。

「見積書」の記載のように、
"Payment: By an irrevocable L/C at 90 days' sight after B/L date"
(※出典は、http://www.eishakubun.com/paymentterms.htmlですが、
 後述するように、この英文は間違っていると思います)
としたり、
Swift形式(42P: Deferred Payment Details)の「信用状」のように、
"90 DAYS AFTER SHIPMENT DATE"
と箇条書きするなら簡単ですが、
きちんとした文章で表現しようとすると、
途端に迷います。

そして、
このような英文は、
英文契約書についての書籍の著者は、
見積書・発注書で扱う文言であって、
契約書で扱う文言ではないと考えているようで、
「英文ビジネス契約書大辞典」(旧版)ですら、
ほとんど扱っていません。
わずかに、
例文183「代金支払条項①」に「荷為替信用状による決済」として紹介されていますが、
それは「一覧払」です。

また、
ビジネス英文についての書籍の著者も、
ユーザンス付きの「信用状」による支払いまで深掘りしている著者は、
私が知る限り、いません。

これも、
私自身が書くしかない内容だなと、
考えています。

余談ですが、
日本では「支払サイト」という用語を一般的に使用するため、
日本人が書く英文には、
上記の例のように「sight」という単語が間違って使用されている場合があります。
おそらく「90日の支払サイトで」という意味で使っているのでしょう。

しかし、
英語では「支払サイト」という意味には「usance」を使用し、
「sight」は「手形の呈示/一覧」を意味します。
したがって、
"Payment: By an irrevocable L/C at 90 days after B/L date"
が正しいです。
「一覧後60日支払」であれば、
"Payment: By an irrevocable L/C at 90 days after sight"
が正しいです。

「支払サイト」の語源を調べてみましたが、分かりませんでした。
「サイト後(=一覧後)90日」から「後」が抜け落ちて「サイト90日」となり、
そこから「支払サイト」という概念が生まれたのかもしれません。

「小麦粉」を「メリケン粉」と言うのと同じでしょうか。
違うかな・・・