2016年9月28日水曜日

『東京ハラルデリ&カフェ』@上智大学

上智大学の四谷キャンパスに、
秋学期授業開始日である9月29日(木)から、
宗教法人日本イスラーム文化センターによるハラル認証を取得したハラルフード専門の食堂、
『東京ハラルデリ&カフェ』がオープンするそうです。
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/news/2016/9/globalnews_2049/20160926?kind=0

留学生の多い上智大学にとっては、
実用的にも、宣伝効果的にも、
とても良いことだと思います。

上智大学の学食には、
随分行ってませんが、
かなり変わったのでしょうか?

私が在学中は、
個人的に精神的な問題を抱えていたこともあって、
ほとんど利用しませんでしたが、
精神的な問題を抱えていなかったとしても、
それほど利用したいと思える学食ではなかったと、
記憶しています。

アスファルト合材で価格カルテルか 塗装6社を立ち入り

9月28日の朝日新聞の記事です。

未だに『価格カルテル』が横行しているようです。

『価格カルテル』に参加している各社の法務部門が、
一体どのような働き方を強いられているのかが、
一番気になります。

2016年9月27日火曜日

INSTITUTE CARGO CLAUSES(協会貨物約款)

海上保険で一般的に使用される約款で、
貨物保険において『ロンドン国際保険引受協会』(IUA: International Underwriting Association of London)が定めた代表的な保険条件のことで、
2009年版が最新版のようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E4%BC%9A%E8%B2%A8%E7%89%A9%E7%B4%84%E6%AC%BE
https://www.scangl.com/media/1257/icc-a-2009-cl382.pdf

ちなみに、
  • All Risks, A/R
  • With Average, WA
  • Free from Particular Average, FPA
というのは、
1982年版までの呼び方のようで、
2009年版ではそれぞれ、
  • I.C.C. (A) 
  • I.C.C. (B) 
  • I.C.C. (C) 
となっているようです。
まるでIncotermsみたいです。

上記の『Average』は、
『海損=航海に関し船舶または積荷について生じる損害および費用』という意味で、
『共同海損』は『general average』または『GA』と言います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E6%B5%B7%E6%90%8D

このICC上で、
韓国hanjinの倒産がどう扱われるかを解説した、
大手法律会社Clyde & Coによる記事を見付けたました。

対象となる条項をただ紹介しているだけで、
ほとんど何の説明も足していないようにも思えますが、
「...知っているか、通常の業務上当然知っているべきである」
ことの挙証義務が保険会社にあるということが分かっただけでも、
大収穫です。
http://www.clydeco.com/insight/article/hanjin-shipping-cargo-insurance-implications

Analysis – the insolvency exclusion

The Institute Cargo Clauses (A) 1/1/82, at Clause 4.6, provide that:
"Exclusions
4. In no case shall this insurance cover:
4.6 Loss damage or expense arising from insolvency or financial default of the owners, managers, charterers or operators of the vessel…". 
Over course of time a more restricted exclusion wording,  came to be used in the London market, notably in the Institute Commodity Trades Clauses of 1983). This was adopted as Clause 4.6 of the Institute Cargo Clauses (A) 01/01/2009 as follows:
"Exclusions
4. In no case shall this insurance cover:
4.6. Loss damage or expense caused by insolvency or financial default of the owners managers charterers or operators of the vessel where, at the time of loading of the subject-matter insured on board the vessel, the Assured are aware, or in the ordinary course of business should be aware, that such insolvency or financial default could prevent the normal prosecution of the voyage.
This exclusion shall not apply where the contract of insurance has been assigned to the party claiming hereunder who has bought or agreed to buy    the subject-matter insured in good faith under a binding contract". 
The exclusion will therefore not apply if the policy has been assigned to a buyer in good faith under a binding contract.

Also, and more importantly, the exclusion does not apply in any event unless the Assured were "aware or in the ordinary course of business should be aware" that the owners' insolvency or financial default could prevent the normal prosecution of the voyage. Underwriters would have the burden of proving in any given case that at the relevant time the insured was aware or in the ordinary course of business should have been aware that the insolvency or financial default which has proximately caused the loss could have prevented the normal prosecution of the voyage.

したがって、
おそらくは貨物代金分(CIF料金等の場合は輸送費用&保険費用を含む貨物代金分)の保険給付を受けられるのだろうと思います。
そして、
貨物代金分の保険給付を受けられるのなら、
代替ルートで送ることにすれば、
特別な保険(おそらくは損害保険)の付保は不要、
ということになります。

問題は、
どのような要件が満たされれば、
保険給付を受けられるのかです。

しかし、
商社で英文契約を担当して5年以上が過ぎるまで、
『INSTITUTE CARGO CLAUSES』の存在を知らなかったというのは、
かなり問題があるだろうと反省させられました。

2016年9月20日火曜日

法務系ライトニングトークby Kataxさん

参加費1500円(※飲食代別途)で、
参加者100人+キャンセル待ち38人という、
集客力に圧倒されます。
http://katax.blog.jp/archives/52742892.html

私たちが主宰するTAYL("Talk As You Like" 別名『新橋・法務レクチャー会』)とは、
方向性が全く違うことは容易に想像できますが、
現状のTAYLは間口が狭過ぎるのかもしれないと、
反省させられもします。

2016年9月19日月曜日

"contracts of adhesion"

いわゆる『約款』的な契約=『附合契約』ですが、
B-to-Cでは、無効となる場合が多そうでも、
B-to-Bで、無効となるには相当にハードルが高そうです。

The Association of Corporate Counsel (ACC)という、
"The World's Largest Community of In-house Counsel"と宣言している団体のウェブサイトに、
よくまとまった記事がありました。
http://www.acc.com/legalresources/quickcounsel/gfceco.cfm

まず、
そもそも"contracts of adhesion"として認められるのか?
という第一関門があります。

"A court may be less likely to conclude that an agreement is a contract of adhesion when the offeree must accept the terms by one of the methods described above that clearly and affirmatively signal assent."
この段階で、大抵のB-to-Bの取引では、
"contracts of adhesion"として認められなさそうです。

そして、仮に"contracts of adhesion"として認められたとしても、
無効とされるには"Shock the conscience standard."という第二関門をパスしなければなりません。

「取引するために、取り敢えず形式的に合意する」という判断は、
B-to-Bでは致命的となる危険性があります。

受発注手続きをオンラインで行うプラットフォームを準備したもの勝ち、
という気がしないでもないです。

究極的には、
(ウェブサービスの費用が下がり)
全ての企業が何らかのオンラインで行うプラットフォームを備えた場合、
(現状の契約書の雛形と同様に)
どちらのプラットフォームを利用するか、
つまりは、
どちらの契約条件を採用するかは、
どちらの当事者がより力を持っているのかというバーゲニングパワーの問題に収束しそうです。

2016年9月16日金曜日

豊洲市場3棟予定価格、ゼネコンに聴取後400億円増

9月16日の朝日新聞の記事です。

受注する側にとっては、
「随意契約にしてくれよ」という感じでしょうが、
発注する側にとっては、
「随意契約にすると、手続きが超面倒なんだよ」という感じなのでしょう。

しかし、
それで『実質随意契約の入札』=『談合』という違法行為が多発するなら、
(していると思います)
一体何のために『随意契約』を超面倒にしているのか、
本当に意味が分かりません。

『実質随意契約の入札』=『談合』とした時の罰則を、
超面倒な『随意契約』手続きを厭わなくなるほど、
大きく&確実にするしかないと思います。

こういう部分にこそ、
(効率の良い)民間企業や市場原理のメカニズムを、
上手く取り入れていけたら良いなと思うのですが、
私が知っている民間企業の非効率さを考えると、
(それでも外務省・大使館よりは格段に効率的ですが)
それもなかなか難しそうです。

今回の入札結果を見れば、
『実質随意契約の入札』=『談合』であることは確実ですが、
おそらく(よく分からない)『世論』が騒がなければ、
(司法&競争)当局が乗り出すことはないでしょう。

2016年9月3日土曜日

マレーシアの競争法&親子会社関係の英語

マレーシアの競争法(Competition Act 2010)は、
日本の独禁法と同じく大雑把で、
本当に原則的なことしか規定していません。

Chapter 1
Anti-competitive agreement
Prohibited horizontal and vertical agreement
4. (1) A horizontal or vertical agreement between enterprises is
prohibited insofar as the agreement has the object or effect of
significantly preventing, restricting or distorting competition in
any market for goods or services.
http://www.mycc.gov.my/sites/default/files/CA2010.pdf

したがって、
日本の独禁法と同じく、
競争当局のガイドラインが重要となりそうです。
http://www.mycc.gov.my/final-guidelines

しかし、
このガイドラインも結構大雑把で、
それほど詳細な事は分かりません。

特に、
孫会社("second-tier subsidiary")の扱いが、
よく分かりません。

Chapter 1についてのガイドラインにある、
“Enterprise” means any entity carrying on commercial activities
relating to goods or services, and for the purposes of this Act, a parent
and subsidiary company shall be regarded as a single enterprise if,
despite their separate legal entity, they form a single economic unit
within which the subsidiaries do not enjoy real autonomy in determining
their actions on the market.
の『subsidiary company』の中に、
『first-tier subsidiary』(子会社)だけでなく、
『second-tier subsidiary』(孫会社)や『third-tier subsidiary』(ひ孫会社)が含まれるのか、
分からないのです。

このような極めて単純明快かつ重要な論点が、
ILTの能力では、どれだけ調べても分からないというのが、
独学の限界を端的に示している気がします。

しかし、
しつこく調べ続けたところ、
"single entity", "intra-enterprise conspiracy"というのが、
英語で言う『親子関係による反競争的行為の例外』という論点でした。

私が体系的に競争法を勉強した経験があれば、
すぐに出てきた用語だと思います。
したがってこれは、
独学の限界を示しているのではなく、
ある程度体系的に勉強しているか否かを示している、
と言えるでしょう。

様々な法分野を、
日本語と英語の両方で、
ある程度体系的に勉強するのは、
非常にしんどいなと思います。

以下、参考文献です。
「Organization, Control and the Single Entity Defense in Antitrust」
https://www.justice.gov/sites/default/files/atr/legacy/2007/09/28/221876.pdf

2016年9月2日金曜日

東京五輪招致、支出「違法でない」 JOCが報告書

9月2日の朝日新聞の記事によると、
日本オリンピック委員会(JOC)の調査チーム(座長・早川吉尚弁護士)が前日に公表した報告書によると、
「海外の主な関係者への聞き取りはできず、資金の流れや使途は解明できなかったが、招致委員会が約2億3千万円を払った支出や契約は違法ではないとした。」
とのことです。

「、、、招致委が贈賄の意図を持ってBT社に支出したかどうかについては、国内外の関係者34人からの聞き取りなどを基に「疑いはクリアに晴れたと思っている」と述べた。招致委がBT社との契約締結を相談した広告会社の電通を始め、日本側は誰もタン氏とディアク親子側との関係を知らず、使途を知る由もなかったと認定。契約は日本の法律や仏の刑法、IOC倫理規定のいずれにも違反しないと結論づけた。タン氏の活動も相応だったと推認した。」

しかし、
以前から極めて詳細な記事を公開している英Guadian紙の記事によると、
「The Japanese investigation was also unable to study official committee documents because they had been destroyed after Tokyo was chosen to host the 2020 Games.」
とのことで、
これは欧米の司法制度では明白に『証拠隠滅』で、
その事実だけで、
当局や裁判所なら『クロ』と判断すると推測されます。
https://www.theguardian.com/sport/2016/sep/01/japan-olympic-committee-clears-tokyo-bid-leaders-papa-massata-diack

これを、
「契約は日本の法律や仏の刑法、IOC倫理規定のいずれにも違反しないと結論づけ」るのは、
極めて日本らしい判断と言うか、
当局でも裁判所でもない、
単なる調査委員会の報告ですので、
仕方がないのかもしれません。

ちなみに、
早川吉尚弁護士の本業は立教大学法学部教授で、
専門は国際私法です。

まあ、
世界的には大した金額ではないですし、
政治的な理由から、
問題にされることはないと思いますが、
日本の権力者の法&法務に対する無関心さと言うか、軽視ぶりに、
うんざりさせられます。