2016年10月26日水曜日

法廷通訳、裁判所が鑑定 インドネシア語で誤訳疑い

10月26日(水)の朝日新聞の記事です。

「9月29、30日の2日間に3人の証人尋問を担当した通訳人について、弁護側から誤訳の疑いがあるとの指摘があった。29日の法廷では、通訳人が何度も「ということだと思います」と話し、辻川裁判長が「証人の答えだけを訳してください」と注意する場面もあった。」

ある意味、
この通訳人は誠実だと思います。

私が通訳をする時には、
たとえ自信がなくても、
「ということだと思います」などとは、
絶対に言いませんから。

「訳が極端に短い場合などを除くと、弁護士や裁判官が誤訳に気づくことはない」

はい。
私が通訳をする時に最も気を付ける点は、
とにかく元の発言の長さと、
訳の長さを揃えることです。
たとえ、
全く意味のない言葉や、
同じ内容を繰り返してでも(苦笑)

「静岡県立大の水野かほる准教授(日本語教育)は、「(元の日本語の)質問の言いまわしをわかりやすくする工夫も必要だ」と話す。」

本当にその通りで、
翻訳もそうですが、
(正確性を検証する時間も含めて)時間的な余裕のない通訳では、
いかに元の発言を明確にするかということが、
通訳の質に大きく影響します。

ですので、
コミュニケーションを本当に分かっている人は、
普段と、通訳を通す場合とで、
話し方を変えるのです。

もっとも、
それだけのコミュニケーション能力を持った人は、
ほとんど存在しないでしょう。

私もできていないというか、
これまで通訳される機会がなかったので、
きっとできないだろうと推測します。

2016年10月22日土曜日

「介護」に道開く外国人技能実習法案、衆院委を通過

2016年10月21日の朝日新聞の記事に出ていましたが、
悪名高い『外国人技能実習制度』に、
『介護』が追加されるようです。

実際の記事を読むと、
記事のタイトルとは異なり、
『外国人技能実習制度』に『介護職』が追加されたわけではなく、
『外国人技能実習制度』の改正と、
『在留資格』への『介護』の追加という、
別々の改正法案が、
まとめて出されたというように読めます。

しかし、
同日の時事通信による記事、
同じく同日の毎日新聞による記事を読むと、
やはり『外国人技能実習制度』に『介護職』が追加されるようです。

私個人的には、
他の財政支出を削ってでも財源を確保して、
日本人『介護職』の待遇を向上させることが先だと思うのですが、
日本の縦割り財政では、
できないのでしょう。

また、
「受け入れ先への監督を強化」と言っていますが、
日本という国は、
ルールは作っても、
そのルールを守らせることは不得意と言うか、
本音と建て前を使い分けると言うか、
結局、
『性善説』に基づいて、
制度を遵守するか否かは、
個々の『良心』に任せるという、
したがって、
そのような『良心』を気にしない人なら、
比較的容易に濫用できるという、
どうにもモヤモヤした仕組みになっているのが気持ち悪いです。

『生活保護』しかり、
『労働法』しかり、
『献血制度』しかり。

そのために、
議論や話し合いを避ける傾向、
議論や話し合いをすると感情的になる傾向、
空気を読ませようとする強力な圧力、
空気を読まない人を排除しようとする強力な圧力、
という、
副作用が生じているように感じます。

2016年10月21日金曜日

ASEAN進出、法務支援 東京に事務所

10月21日(金)の日本経済新聞電子版の記事です。

前ベーカー&マッケンジーの栗田哲郎弁護士が参画する法律事務所が、
結構大々的に紹介されていました。

シンガポールで「20人以上の現地弁護士を率いる」というのは凄いと思います。
距離的にも、業務的にも、文字通り、遠くに行ってしまった気がします。

11月1日(火)に、
栗田弁護士も通訳を務める『One Asia』のセミナーに、
挨拶を兼ねて参加するつもりでしたが、
少なくとも「挨拶」には意味が無いように思えてきました。

もっとも、
セミナーの内容(ASEAN各国の紛争解決制度の紹介&比較)は、
私のニーズにドンピシャなので、
参加しようとは思います。

(追記)
仕事の都合で、
残念ながらセミナーに参加することはできませんでした。

2016年10月14日金曜日

月100時間強の時間外労働by電通

ここのところずっと話題になっている事件ですが、
「月100時間を超える時間外労働をこなしたこともあり、高橋さんは精神障害による労災認定の基準の一つを超えたと判断された。」
ということばかり、
(特にマスコミの)議論の焦点となっていますが、
多くの一般人がコメントしている、
「実際の残業時間が、たった100時間強のわけないだろ!」という論点が、
まったく取り上げられていないのが、
本当に不思議でなりません。

なぜ、大手マスコミは、どこもそこに言及しないのか?
「憶測」で、電通と事を構えるのが、それほど怖いのか?

おそらく、怖いのでしょう。
大手マスコミにとって広告収入は生命線であり、
電通が、その生命線の多くを握っているからでしょう。

これだけを取っても、
大手マスコミの存在意義が疑われます。

当たり障りのない情報のソースとしては、
極めて有意義だが、
本当に重要な情報のソースとしては、
まともに機能しない、
というのが、
大手マスコミという存在なのでしょう。

広告or税金という紐付きでないしっかりとしたメディアが、
そろそろ誕生して欲しいものです。

きっと、
物凄い圧力を政財界から受けるでしょうが。

(追記)
オリンパス事件をスクープした『FACTA』が、
今年2月の時点で、
東京オリンピック招致の裏金問題を報じており、
しかもその記事の著者が、
英国Guardian紙のOwen Gibson記者で、
https://www.theguardian.com/profile/owengibson
Owen Gibson記者は、
その3カ月後の今年5月11日に、
所属するGuardian紙に詳細な記事を発表しています。
https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympics-payment-diack-2020-games

改めて、
『FACTA』凄いなと。

その経緯をまとめた『サンデー毎日』に記事です。
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2016/06/05/post-892.html

電通、働けるものなら、一度働いてみたいものですが。

2016年10月4日火曜日

「センテンシングガイドラインの量刑部分に関する解説会」

今日は、
経営法友会の海外コンプライアンス研究会主催による、
「センテンシングガイドラインの量刑部分に関する解説会」に参加してきました。

16時から2時間の予定が、
1時間半で終了したにも関わらず、
(私を含めて7人の)出席者が、
終了後、名刺交換をする間もなく全員消えてしまったのには驚きました。

それでも、
内容はAntitrustについてで非常に興味深く、
また、
講師のRachel Adcox弁護士の英語も非常に耳障りが良く&理解しやすく、
参加して良かったと思います。

「shouken」(商権)という日本語を、
米国人弁護士が普通に使っているのが、
一番驚かされましたし、
参考になりました。

入江弁護士は、
非常に顔が広いなと、
改めて思いました。

2016年10月1日土曜日

第5回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL5: Talk As You Like 5h)

昨日9月30日(金)の終業後、
第5回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL5: Talk As You Like 5h)を、
開催いたしました。

プレゼンターは、
今回も4人。

題目は以下です。
①某企業法務担当者による『法務Tools(仮)』
②某企業法務担当者による『専門商社の法務術』
③私による『専門商社の独禁法』
④私の上司による『商社の浸透術』

全て15分ずつ、
やっていただきました。

プレゼンターの皆様、
ありがとうございました。

私によるレクチャーは、
2日前の水曜日の夜に、
予定していたプレゼンターから、
「急に出張が入りました」とキャンセルされたため、
急遽、作成&実施したものです。

2日で作成して、
実施したにしては、
良い出来だったと自画自賛しています(笑)

その後の第15回『新橋・法務交流会』は、
タイ料理店『Bua de Thai』で開催いたしました。

参加者の皆様、
ありがとうございました。