2017年12月7日木曜日

HDD部品でカルテル、11億円の課徴金を通知 公取委

2017年12月7日朝の朝日新聞DIGITALの記事です。
http://digital.asahi.com/articles/ASKD63QY0KD6UTIL00W.html?iref=com_alist_8_04


対象となった製品は、
「サスペンションと呼ばれるHDDの板ばね状の部品」
とのことですが、
関与していたのはTDKとニッパツの2社だけで、
そのうちTDKが公取に自主申告したので免責され、
ニッパツに11億円の課徴金が課される見込みとのことです。


この事件、
十分にありえることですが、
もしTDK側から持ち掛けた話であれば、
ニッパツにとっては腸が煮えくり返る事件でしょうね。
もちろん、
仮にそうだとしても話に乗った方も悪い訳ですが。


社内レクチャー等でも、
早速、この事件を取り上げるつもりです。



2017年11月22日水曜日

ロゼッタ『テイラーメイド自動翻訳 T-4OO』

2017年10月19日(木)のブログ記事で紹介したサービスですが、
今月号(2018年1月号)の『Business Law Journal』の巻頭広告にも掲載されていました。


ブログ記事では、
「何とか機会を見付けて、契約書で試してみたいです。」
と書きましたが、
定期的にグループセミナーを開催しているようですし、
インターネット経由ならいつでも無料体験できるようなので、
早速、申し込んでみました。
http://www.jukkou.com/t4oo/


無料体験をしましたら、
また感想を書きます。







2017年11月20日月曜日

「下請取引の適正化について」(平成29年11月15日付)


皆さんの所にも届いていることと思いますが、
本日11月20日(月)、
公正取引委員会委員長及び経済産業大臣連名の文書である、
「下請取引の適正化について」(平成29年11月15日付)が私の会社にも届き、
下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)に従い、
親事業者の遵守すべき事項について、
「社内周知及び実施」を要請されました。
送られてきた文書は、
公正取引委員会委員会のウェブサイトにも掲載されています。

私の会社は、
下請法についての社内レクチャーを定期的に実施していますので、
この要請を受けたからといって現時点で何が変わるわけでもありません。


しかし、
おそらく、
2017年2月6日(月)の私のブログ記事でも言及しました、
昨年末に、通達『下請代金の支払手段について』が50年ぶりに出されたのと同じく、
下請代金の支払手形のサイトを「120日手形」から「60日手形」に縮めるための、

2017年11月19日日曜日

ISS法務翻訳クラス

2017年10月クラスは、
既に開講していますが、
備忘録的に紹介しておきます。


「高まる法務翻訳市場のニーズに対する答えとして、プロ翻訳者養成校のISSインスティテュートと日本最大の翻訳会社(株)翻訳センターが共同で開発しました。」
とのことですが、
本当に「法務翻訳市場のニーズ」は高まっているのでしょうか?
http://blog.issnet.co.jp/?eid=1387


毎週土曜日、
2時間×15回=30時間
定員12名で、172,800円(税込)。
https://www.issnet.co.jp/courses/e_t_index.html


半年に1回、
来期の開講前に無料体験レッスンをしているようですので、
次回(おそらく2018年3月)まで覚えていたら、
受講してみるつもりです。

2017年11月18日土曜日

"mediation"と"conciliation"の違い

日本語訳では、
一般的に(主に労働分野における)「あっせん」と「調停」が当てられる、
"mediation"と"conciliation"ですが、
英語ではどういう違いがあるのか気になって調べてみました。


しかし、
多数の英語サイトを読んでみましたが、
決定版だというサイトは見つからず、
概ね共通するのは、
各国法によって定義が異なることと、
一般的に"conciliation"の方が"mediation"よりもformalなことくらいでした。


ただし、
ある"mediation"についてのウェブサイトでは、
逆に"mediation"の方が"conciliation"よりも、
unstructured process(体系化されていない手続き)だと主張しています(笑)。
http://www.mediationmatters.com/resources/articles-and-reviews-by-carl/mediation-conciliation/


ISSの法務翻訳クラスのブログでも、
「調停conciliationは日本の民事調停のように解決策という結果に至るところが主であるのに対し、あっせんmediationは当事者間の交渉を促進するという点に重きが置かれているそうです。」
と分かるような分からないような説明がされているだけです。
http://blog.issnet.co.jp/?eid=1489


結論としては、
"mediation"と"conciliation"が、
それぞれ準拠法でどう規定されているかを調べるしかないようです。

2017年11月15日水曜日

下請法に関する「受入検査」の運用

公取委のよる通達『下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準』(平成28年12月14日改正)に規定されていますが、
『返品』が認められるためには、
以下の条件を満たす必要があります。


「(前略)当該給付を受領後速やかに引き取らせる場合又は給付に係る検査をロット単位の抜取りの方法により行っている継続的な下請取引の場合において当該給付受領後の当該給付に係る下請代金の最初の支払時までに引き取らせる場合に限られる。ただし,給付に係る検査をロット単位の抜取りの方法により行っている継続的な下請取引の場合において当該給付受領後の当該給付に係る下請代金の最初の支払時までに引き取らせる場合にあっては,あらかじめ,当該引取りの条件について合意がなされ,その内容が書面化され,かつ,当該書面と発注書面との関連付けがなされていなければならない。」




さらに、「製造委託,修理委託における違反行為事例」の一つとして、
「4-6 受入検査を文書で委任していない場合の返品
 親事業者は,受領した商品の検査を自社で行わず,かつ,下請事業者に対し,当該検査を文書で委任していない場合に,受領後に不良品であることを理由として,下請事業者に引き取らせた。」
と規定されています。






ここで、
(自ら受入検査をしない)商社にとっては、
下請事業者(=仕入先)に受入検査を委託するのと、
販売先に受入検査を委託するのと、
どちらがより望ましいのか?
という論点が浮上します。






下請事業者に受入検査を委託する場合のメリットは、
上記の『運用基準』に、
「給付に係る検査を下請事業者に文書により明確に委任している場合において当該検査に明らかな手落ちの認められる給付であっても,受領後6か月を経過した場合」
と規定されており、
「受領後6か月」は、受入検査で発見されるべき、いわゆる「明らかな瑕疵」を理由とした『返品』が認められることになります。




また、
いわゆる「隠れた瑕疵」を理由とした『返品』も、
受入検査を実施していなければ認められないはずですので、
これも認められることになります。






デメリットは、
下請業者から商社が納入を受領する場合はもちろんのこと、
たとえ下請業者から販売先へ直送の場合でも、
下請業者から当社への納入=受領時期と、
当社から販売先への納入and/or検収時期とのズレ、
つまりは、
(当社と販売先とで、瑕疵担保期間の起点が検収時と合意している場合)
瑕疵担保期間のズレが発生することですが、
これは、
販売先に受入検査を委託する場合も同じですので、
特にデメリットとは言えないでしょう。





ちなみに、
下請業者に対する各種対応の要請の起点となる『受領』ですが、
上記の『運用基準』には、
「ア 「給付の受領」とは,物品の製造又は修理委託においては,給付の内容について検査をするかどうかを問わず,親事業者が下請事業者の給付の目的物を受け取り,自己の占有下に置くことである。」
と定義されていますので、
下請業者に委託した受入検査が終了しても、
(そして、受入検査の合格時が所有権の移転時と契約していても)
当社の占有下に置かれなければ、
『受領』したことにはならないようです。




これに対して、
販売先に受入検査を委託する場合のメリットは、
販売先が受入検査をすることを要求している場合に、
その要求を満たせることくらいでしょうが、
これは、
受入検査を二重にやっても問題ないと思いますし、
下請業者に対する各種対応の要請の起点となる『受領』である以上、
瑕疵担保期間のズレが小さくなる訳でもありませんので、
特にメリットとは言えないでしょう。





デメリットは、
販売先が受入検査を実施してくれない場合、

または、
実施しても、3条書面に規定した検査期間内に実施してくれない場合、
下請業者に各種対応を要請できなくなることで、

これは極めて大きなデメリットだと考えられます。

上記をまとめると、
(自ら受入検査をしない)商社の場合、
下請事業者に受入検査を委託するのが、
より安全と考えられます。

2017年11月6日月曜日

賃貸不動産(事務所)広告における「償却(費)」

事務所の賃貸の広告を読んでいると、
よく『償却』という項目を目にします。


『敷金/保証金』『礼金』は、
住居の賃貸でも馴染みがありますが、
『償却』とは何なのかと思い調べてみたところ、
「敷金や保証金から解約時等に無条件で差し引く金銭」
とのことです。
https://www.officeiten.jp/word/shikikin_etc/


ちなみに、
会計用語では、
「日本語では、有形固定資産は「減価償却費」、無形固定資産は単に「償却費」と呼びます。」
「英語では、有形固定資産の減価償却はDepreciation、無形固定資産の償却費はAmortizationと呼びます。」
とのことです。
http://diamond.jp/articles/-/46167?page=4


しかし、いずれの用語も、
賃貸不動産広告の文脈における『償却(費)』とは違うと思います。
特に、
無形固定資産の『償却費』と、
賃貸不動産広告の文脈における『償却(費)』とが異なるのが、
英語への翻訳時に誤解(and/or誤訳)を生み易そうです。

2017年10月20日金曜日

通訳はメカにお任せ 富士通やNEC、TOEIC800点級

本日10月20日(金)の日経web版の記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22491360Q7A021C1MM0000/


TOEIC800点級でどこまで『通訳』が務まるのかは怪しいですが、
来年1月から発売予定のNECの携帯端末は、
価格は5万円で、月額3,000円で利用できるそうです。




英語と他の欧米言語との間の通訳は、
googleの携帯端末の方が遥かに精度が高いと思いますが、
日本語と英語との間の通訳なら、
富士通やNECなどが使うという、
総務省所管の『情報通信研究機構』(NICT)が開発する翻訳エンジンの方が、
優れているのかもしれません。
https://www.nict.go.jp/




NICTは、2010年7月に、
多言語音声翻訳技術の研究開発成果として、
多言語音声翻訳アプリ『VoiceTra』を公開していて、
現在は無料アプリも利用できますが、
これは「TOEIC 600点レベル」とのことですので、
今回の翻訳エンジンは、
それと比べると、かなり進歩しているようです。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000285578.pdf


来年1月に発売されたら、
早速試してみます。

2017年10月19日木曜日

ロゼッタが精度95%の翻訳システムを開発

本日10月19日(木)の日経web版の記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL19H5O_Z11C17A0000000/


「開発に成功したシステムでは英語から日本語への翻訳精度が従来の60~80%程度から95%まで高まった。」
とのことで、
株価がストップ高とのことです。


この「翻訳精度95%」というのが、
どのくらいのものなのか、
何とか機会を見付けて、
契約書で試してみたいです。


翻訳の方向が「英語から日本語」であって、
「日本語から英語」でないのは、
当然ですね。


現在、
「日本語から英語」が何%の翻訳精度を達成しているのかも、
知りたいものです。



2017年10月14日土曜日

(お礼)10月13日開催『ファイナンス法務入門』無料レクチャー会

当ブログでも募集していたイベントですが、
https://shoshahomu.blogspot.jp/2017/09/1013.html
昨日10月13日(金)、
『ファイナンス法務入門』と題した無料レクチャー会、
第9回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL9: Talk As You Like 9th)を開催いたしました。

その後の、
第19回『新橋・法務交流会』(DAYL19: Drink As You Like 19th)共々、
大いに盛り上がりました。

これも全て、
参加していただいた皆様、
とりわけ、
講師を務めていただいた酒井弁護士のおかげです。
本当に、ありがとうございました。

次回は年明けに、
新年会も兼ねた節目のTAYL10&DAYL20の開催を予定しています。

これまでのTAYL&DAYLにご参加いただいたた方も、
まだ未参加の方も、
ぜひご参加ください。

詳細が決まり次第、
また当ブログでもお知らせいたしますので、
よろしくお願いいたします。

2017年10月4日水曜日

2017–18 NBA season 間もなく開幕!

今月10月17日(火)に、
いきなりCleveland CavaliersがBoston Celticsをホームに迎えての開幕戦で、
NBAが開幕します。

https://en.wikipedia.org/wiki/2017%E2%80%9318_NBA_season


ご存じの方も多いでしょうが、
Cleveland CavaliersとBoston Celticsは、
昨季の東カンファレンス決勝の対戦相手でありながら、
今オフ、
オールスターに選出されたお互いのPGをトレードで交換するという、
私個人的には、これまでで最も驚いたトレードを行ったチーム同士です。
(Kyrie IrvingとIsiah Thomasのswapです)


加えて、
Cleveland Cavaliersは、
veteran's minimum(最低年棒)で、
Dwyane Wade(背番号「9」には違和感大です)と、
Derrick Rose(adidasの『D Rose 8』、買う人いるんですかね?)という、
(かつての)スター選手を加えていますし、
(ついでに、BostonとのトレードでJae CrowderとAnte Zizicも )
Boston Celticsも、
max contract(最高年棒)で、
Gordon Haywardを加えており、
(それでJae Crowderが弾き出されたとも言えます)
Isiah Thomasは怪我で欠場ですが、
盛り上がること必至のカードです。


私は有休を取ってライブ観戦する予定ですので、
(日本時間10月18日(水)午前9時開始)
一緒にライブ観戦したい方は、
ぜひご連絡ください。



私は新人研修を含めて社内外でレクチャーをする度に、
毎回NBAの話をしているのですが、
残念ながら、
これまで一人もNBAを観戦している人に出会ったことがありません。



今季はより積極的に、
NBA観戦仲間を探していくつもりですので、
このブログを読んだ方で、
もしNBAを観戦している方がいましたら、
ぜひご連絡ください。

2017年10月3日火曜日

pro forma

誤解されているように思える、
法務部門でよく扱う英単語の一つに、
「pro forma」があります。


以下、Oxford Dictionaryのweb版での定義です。
https://en.oxforddictionaries.com/definition/pro_forma
1. Dne or produced as a matter of form
‘pro forma reports’
1.1 Denoting a standard document or form, especially an invoice sent in advance of or with goods supplied.
‘a pro forma invoice’
1.2 (of a financial statement) showing potential or expected income, costs, assets, or liabilities, especially in relation to some planned act or situation.
‘revenues in excess of 35 million dollars on a pro forma basis’


それに対して、英辞郎on the WEBでの定義です。
http://eowp.alc.co.jp/search?q=pro+forma
1.《ラテン語》形式的な、形式上の
2.《ラテン語》見積もりの、仮の、試算の
pro forma contract
見積契約書
pro forma invoice
《貿易》プロフォーマ・インボイス、見積送り状


どうも、
「見積もりの」という意味に引っ張られてしまっている人が多いように感じますが、
特に契約書類の文脈で使用される場合には、
「standard」という意味で使われている場合がほとんどだと思います。


つまり、
「標準基本契約書」や「標準約款」における、
「標準の」という意味で、
「pro forma」は使われています。


英辞郎on the WEBの影響力は非常に大きいと思いますので、
早急に定義を追加してもらいたいところですが、
残念ながら、
ユーザーがコメントできるような仕組みはなさそうです。

2017年10月2日月曜日

『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(西牟田靖・著)

前作『本で床は抜けるのか』(本の雑誌社 (2015/3/5))の最後で、
子供が生まれた後も変わらない、
そもそも変わる必要性を感じなかったために、
3歳の娘と別れる形で離婚せざるをえなかった著者が、
離婚後に子供に会えなくなった父親たちをインタビューして作ったのが、
この『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(PHP研究所 (2017/1/19))です。
ちなみに、著者本人は離婚後も娘に会えているそうです。

『子どもの連れ去り問題-日本の司法が親子を引き裂く』 (コリンP.A.ジョーンズ・著)でも詳しく取り上げられていますが、
(世界水準では総合的に良い方だとは思いますが)
日本の司法制度の欠陥、
より根本的には、
日本の社会制度として、
(子供は勝手に育つと思っているのか)
親子関係、特に子供の成長をあまり重視せず、
家族に丸投げしていることの弊害が、
浮き彫りにされている本だと思います。


父親の視点のみで一方的だという批判は、
Amazonの書評にも散見されますが、
それを踏まえた上で本書が指摘したかったのは、
日本の社会全体として、
基本的に親子関係・家族関係は「母親」さえいれば成立する、
という誤った信念・価値観だと思います。


4歳の娘がいる私にとって他人事ではありませんが、
幸いにも、
妻が親子関係には「父親」が絶対的に必要であり、
それは夫婦関係とは無関係であるという信念の持ち主ですので、
たとえ離婚したとしても、娘と会えなくなることは心配していませんし、
仮に、外国に移住するなどの理由で、娘と(ほとんど)会えなくなったとしても、
しっかりと育ててもらえる、育つことができる、という信頼を、
妻と娘に対して持っています。


しかし、
本書で取り上げられているような、
(母親側の視点/インタビューが欠けているという批判はあるとして)
DV冤罪で不当拘留までさせるような母親に対しては、
とてもそのような信頼は持てないでしょうし、
制度的に、
そのような母親に子供を委ねざるを得ない父親は、
気が狂いそうな思いになるでしょう。


この問題の裏返しとして、
養育費不払い問題もありますので、
社会制度的に、
この問題の対策に本腰を入れて欲しいと思います。


ちなみに本書は、
2013年12月23日に、
私の自宅近くの区立小学校で起きた、
父親による焼身無理心中という、
衝撃的な事件についての記述から始まっています。


子供を一人の人間として見ることができず、
誰かの所有物のように感じてしまう感覚も、
この問題の根底にあると思います。

2017年10月1日日曜日

米連邦最高裁の2017年10月会期が開始

毎年10月の第1月曜日から始まる、
米連邦最高裁(SCOTUS)の2017年10月会期が、
(米国時間の)明日開始します。

前2016年10月会期は、
1人空席で8人の判事でしたので、
4対4になりそうなcontentiousなケースを避けようとする配慮があったようですが、
その分、
今期はcontentiousなケースも精力的に取り上げていくだろうと推測されます。

とりあえず、
今期最初の2週間の口頭弁論の予定表です。
https://www.supremecourt.gov/oral_arguments/argument_calendars/MonthlyArgumentCal0otober2017.pdf

プライベートの事情で、
SCOTUSの閉会時期と合わせるかのように、
ほとんど更新できていなかった本ブログですが、
ようやくプライベートの事情が落ち着いてきましたので、
本ブログも今後は精力的に更新していくつもりです。

長らく2人法務だった私が勤務する会社も、
ちょうど明日から3人目の法務担当者が中途採用で加わることになり、
座席の配置も変わりますので、
そういう意味でも、
心機一転という感じがします。

2017年9月30日土曜日

無料セミナー10月13日開催『ファイナンス法務入門』@JR新橋駅前


今回の第9回『新橋・法務レクチャー会』(TAYL9: Talk As You Like 9th)は、
昨年末に(株)商事法務から『ファイナンス法-金融法の基礎と先端金融取引のエッセンス』を出版された、
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の酒井俊和弁護士のご厚意により、
『ファイナンス法務入門』と題した、
無料セミナーを開催していただけることになりました。
 
開催日時は、
2017年10月13日(金)19時00分~20時10分で、
開催場所は、
JR「新橋駅」烏森口から徒歩2分で、
お申し込みいただいた方に、
私から個別にお知らせいたします。
 
レクチャー会終了後は続けて、
近くのレストランを貸し切って(20時30分~22時30分)、
第19回『新橋・法務交流会』(DAYL19: Drink As You Like 19th)を開催いたします。
 
レクチャー会と交流会、どちらか一方のみのご参加も大歓迎です。
毎回、参加者の約半数は初参加の人たちですので、
初めての方でも気楽に楽しんでいただけるはずです。
 
参加をご希望の方は、
PC版ページでは右上に表示される『連絡フォーム』から、
モバイル版ページでは下にスクロールして表示される『連絡フォーム』から、
名前とメールアドレスに加えて、
メッセージ欄に所属する会社名または学校名と、
法務経験年数をご記入の上、
(法科大学院生など法務経験の無い方は、その旨お書きください)
お申し込みください。

折り返し、
こちらから会場など必要事項をご連絡いたします。

ご連絡いただいた個人情報は、
レクチャー会&交流会に関する連絡の目的のみに使用し、
それ以外のいかなる目的にも使用しないことをお約束いたします。 


お申し込み、お待ちしています! 

2017年7月12日水曜日

『国際交渉の法律英語』(中村秀雄・著)

書店で内容を確認することなく、
ついamazonで「タイトル買い」をしまったのですが、
大失敗でした。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4535522529/ref=oh_aui_detailpage_o01_s00?ie=UTF8&psc=1

しっかり読めば、
それなりに役に立つ内容だと思いますが、
私にはとても読む気になれない内容構成&エディトリアル・デザインでした。
そして残念ながら、
その読みにくさを乗り越えさせてくれるだけの内容がありませんでした。

その内容は、
紙面の3分の2を占める第1部が「的を射た動詞を選ぶ」、
残りの3分の1を占める第2部が「動詞以外の道具立て」で、
要するに用語・文例集です。

しかし、
この単語をこう使ったら実際の交渉が上手くいったとか、
逆に、こういう大失敗をしたとかいう実例の紹介はなく、
参考文献から文例を集めてきただけの、
無味乾燥な内容です。

文体も、
「~であろう」「~にはなるまい」といった感じで、
非常に読みにくいです。

まあ、
ある一定の割合で、
こういう外れの本があることは、
「タイトル買い」をする者として、
引き受けなければならないリスクですね。

2017年7月10日月曜日

英語民間試験へ移行期間4年 大学入試新テスト最終案

以下、2017年7月10日付の、日経の記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H36_Q7A710C1000000/

文科省が今日、
大学入試センター試験に代わり2020年度に導入する新テスト「大学入学共通テスト」について有識者会議に示した実施方針の最終案の中で、
英語については、以下のような方針を提示したとのことです。

「英語は現行の「読む・聞く」に「話す・書く」を加えた4技能を評価するため、実用技能英語検定(英検)やTOEICなどの民間試験を活用する。」

「文科省は5月に示した実施方針案で、マーク式を廃止して20年度に民間試験に全面移行するA案と、23年度まで併存させるB案を示した。」

「これに対し、高校、大学関係者から準備期間の短さを懸念する声などがあがり、民間試験とマーク式が4年間併存する「移行期間」を設けることにした。」

つまり、
英語は2024年度から民間試験に全面移行するとのことです。
(なぜ、最初にそう書かないのか、不思議ですが)

「様々な民間試験のうち、学習指導要領との整合性や実施状況などの水準を満たしたものを文科省が認定する。受験生は高3の4~12月に最大2回受験でき、結果は点数と、語学力の国際規格に基づく段階別の成績として大学に提供する。」
とのことなので、
文科省に認定された民間試験は、
爆発的に売上が伸びることが予想されます。

民間試験の実施団体間で、
きっと熾烈な働き掛けが行なわれていることでしょう。

2017年6月21日水曜日

クラウド翻訳サービス

上司に翻訳会社を紹介する際に、
『Conyac』という、
クラウドソーシングサービスを見付けました。

元々、クラウド翻訳サービスだったようですが、
今は翻訳以外にも依頼できるようです。

これも、
守秘義務的に問題ないのか不安に感じますし、
長文の契約書に対応できるのかも不安に感じますが、
ぜひ一度試してみたいと思います。

その流れで、
『Gengo』という、
クラウド翻訳サービスも見付けました。

「おすすめのコンテンツ例」に、
「契約書」が含まれていないのが気になりますが、
これも、ぜひ一度試してみたいと思います。

このようなクラウド翻訳サービスの影響で、
契約文書以外の翻訳料金は確実に下がっていると思いますし、
契約文書の翻訳料金も、
近い将来、確実に下がると思います。

そういう意味では、
このようなクラウド翻訳サービスを利用することは、
翻訳者を害することのように感じますが、
今後、Machine Translationが今のペースで発達すれば、
近い将来、
クラウド翻訳サービスを含めて、
あらゆる翻訳サービスが不要になるでしょうし、
さらには、
(マジで)人類がAIに滅亡させられるかもしれませんので、
あまり気にしなくても良いかなと思っています。

↓Wired誌に掲載された有名な記事です。
"Why the future doesn't need us."

という訳で(?)、
これから大工になろうと思っています。

2017年6月20日火曜日

Googleの翻訳エンジンについて

昨年2016年11月にGoogleが一新した翻訳エンジン、
Google Neural Machine Translation Systemを、
(一般にはGNMTと呼ばれています)
個人的&会社の業務で使えないかと、
いろいろ調べています。

完全にプライベートなテキストであれば、
Google翻訳を使えば良いだけですが、
守秘義務が課されているテキストの場合は、
そうもいきません。
そもそも、
私が勤務する会社のPCからでは、
Google翻訳のページにアクセスすらできません。

お金を払っても良いから、
Google Neural Machine Translation Systemを、
守秘義務がされる形で利用できないかと調べているのですが、
これまでの所、
その方法が見付かりません。

『Google Translator Toolkit』を使えばできるのか、
『Google Cloud Translation API』を使えばできるのか、
どなたかご存知の方がいたら、
是非ご連絡ください。

ちなみに、
Google Neural Machine Translation Systemに関する、
Googleによる論文です。
https://arxiv.org/pdf/1609.08144.pdf

2017年6月2日金曜日

最安価格契約を撤回 アマゾン、公取委検査受け

いろいろなメディアで取り上げられていますが、
とりあえず、
2017年6月2日付の、朝日新聞(電子版)の記事です。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12967938.html

アマゾンの「マーケットプレイス」に出品する数十万の事業者と結んでいた契約内容で、
・価格を他の通販サイト以下にする
・一部の商品に関しては色やサイズなどの品揃えを他の通販サイト以上にする
旨の契約条項が、
『不公正な取引方法』の1類型である、
『拘束条件付取引』に該当する疑いがあるとして、
6月1日から撤廃することを、
公取委に申し出たとのことです。

その申し出を受けて公取委は、
「契約条項を撤廃することにより独禁法違反の疑いが解消されるため、審査を終了する」と発表したと、
2017年6月2日付の、読売新聞(電子版)に載っていました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170602-OYT1T50024.html

公取委が立入検査を行った案件で、
行政処分や行政指導を行わないのは異例とのことですが、
そのこと自体はどうでも良い気がします。

私が扱う契約書でも、
特に国外の企業との契約書では、
いわゆる『最恵国待遇条項』(MFN clause: most favored nation clause)なるものが含まれているのは頻繁にありますので、
今後は「日本では独禁法に違反する可能性がある」と言おうと目論んでいます。

もっとも、
「「(ほかの通販サイトでの)価格を下げたいのに、アマゾンとの契約でできない」といった不満が寄せられて」おり、
公取委が「将来的には商品の価格が高止まりするおそれがあるとして調べていた」、
とのことなので、
相手がアマゾンほどの独占的企業でなければ、
実際には問題とならない可能性が高いとは思います。

2017年5月26日金曜日

『ファイナンス法 - 金融法の基礎と先端金融取引のエッセンス』(商事法務2016年)

今、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の酒井俊和弁護士が書かれた、
『ファイナンス法 - 金融法の基礎と先端金融取引のエッセンス』(商事法務2016年)
を読んでいます。

私の仕事では、
ごくたまに回ってくる、
主に流動化のための金融機関との契約書くらいでしか、
ファイナンス法に触れる機会がありません。

したがって、
仕事の面からは、
この600ページ弱の大著を読み進めるモチベーションを見付けることは、
難しいです。

では、
なぜこの本を読んでいるのかと言いますと、
まず、
Business Lawyersウェブサイトの連載記事(5回連載)、
『ファイナンス法の基礎』を読んで、
何となく全体像を掴んだことで、
弾みがついたからです。

そして、
なぜこの連載記事を読んだのかと言いますと、
酒井弁護士とフットサルをしているからです(笑)

そして、
ある程度読み進めることができると、
酒井弁護士が、
この本の執筆に莫大な時間と労力とを投入したであろうことが想像できて、
こちらも完読くらいはしよう!
というモチベーションが湧いてきます。

この本の位置付けは、
「ファイナンス法の網羅的な入門書」だと思いますので、
おそらく想定読者は、
①これからファイナンス法に取り組む弁護士
②これからファイナンス法に取り組む法務担当者
だと思います。

私は①にも②にも該当しないのですが、
③ファイナンス法関係の契約書を翻訳する翻訳者
にも最適な本で、
私の場合は(将来的に)これに該当しそうです。

問題は、
ファイナンス法関係の契約書の翻訳のニーズが、
世の中にどの程度あるのか、
そして、
そのニーズにどうすればアクセスできるのか、
(要するに、どうすれば仕事を得られるのか)
という点でしょう。

この点を、
これから調べてみようと思います。

2017年5月25日木曜日

語学学習の継続(その2)

先日5月19日(金)に開催したTAYL8でもお話ししましたし、
1年前のブログ記事でも書いたことですが、
http://shoshahomu.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html
語学学習を継続できるか否かは、
いかにモチベーションを向上・維持できるかだと思います。

そのモチベーションを向上・維持するための理由として、
TAYL8のプレゼンでは、
①金になる(会社での業務を含む)
②楽しい(主に、映画、ドラマ、小説などのエンタメ)
③情報収集
④その他(他人の役に立つ、配偶者や家族・親戚が日本語を話せない、など
を挙げました。

③は、①②④と重複するでしょうし、
その①や④も、安心する、やり甲斐を感じる、などと言い換えられることから、
モチベーションを向上・維持するためには、
何らかの『感情』を使う必要があると、
言い換えられると思います。

モチベーションを向上・維持するために、
最も有効な『感情』は、
やはり『楽しさ』でしょう。

もちろん、
「TOEIC 860点取らないと昇進できない」とか、
「ある程度英語ができないと仕事が回らない」とか、
『恐怖』や『不安』といったネガディブな『感情』も、
モチベーションを向上・維持するための強力な要因となりますが、
できるだけポジディブな『感情』を活用したいものです。

英語学習に限らず、 私が頻繁に悩むことに、
『楽しさ』を感じられなくことがあります。

そういう時には、
本屋に行って、
自分が『楽しさ』を感じられそうな活動を探すのですが、
上手く見付かることもあれば、
見付からないこともあります。

今現在、
自分が『楽しさ』を感じられる活動を挙げてみます。
・4歳の娘と過ごす(ただし、限度を超えると苦痛になることもある)
・親しい友人と過ごす(ただし、親しい友人は少ない)
NBA観戦&NBAに関する情報収集(ただし、妻との関係に悪影響している&他にもっと有意義な時間の使い方があると常に感じる)
・フットサルをする(同じく、妻との関係に悪影響している&楽しめない場合も多い
・仕事に関係する勉強(ただし、楽しめる対象は極めて限定される)
・仕事に関係しない勉強(今は、日本史(特に戦前~戦後史)、メンタル関係(特にモチベーション理論))
・Skype英会話(ただし、英会話全般を楽しめるわけでは全くないので、日本人以外と友人付き合いしたいというモチベーションが弱い)
・マンガを読む(読み過ぎ)

こう挙げてみると、
あまりに興味の範囲が狭く、
自分の人生が貧しい気がしますので、
より豊かにするべく、
工夫&努力しようと思います。

2017年5月20日土曜日

(お礼)5月19日開催「法務の英語」無料レクチャー会

以前に当ブログで募集していたイベントですが、
http://shoshahomu.blogspot.jp/2017/03/519.html
昨日5月19日(金)、
「法務の英語」と題して、
プレゼン会(TAYL8)を開催いたしました。

開場の18時30分から、
多くの人たちに来ていただき、
(申込み人数「55人」)
私の時間管理が拙かったために、
またしても予定時間を大幅に超えてしまいましたが、
概ね好評でした。

その後、
新橋駅前の会場に場所を移しての、
第18回「新橋・法務交流会」(DAYL18)も大盛況でした。
(申込み人数「50人」)

初のビュッフェ形式(着席)でしたが、
最初から最後までほとんど誰も座ることなく、
店の人には、
「椅子、無かった方が良かったのでは?」と言われたほどでした。

これも全て、
参加していただいた皆様のおかげです。
本当に、ありがとうございました。

次回は9月に、
「英語で法務プレゼン」をテーマに、
TAYL9&DAYL19の開催を予定しています。

過去のTAYL&DAYLにご参加いただいたた方も、
まだ未参加の方も、
ぜひご参加ください。

詳細が決まり次第、
また当ブログでも、
お知らせしますので、
よろしくお願いします。

2017年5月11日木曜日

「~を邪魔に思う」

今朝、
「(靴を)邪魔だなあと思った人が」と英語で言おうとして、
どう言えば良いか分からなくなりました。

「someone who found the shoes...obstructive」と言って、
何か違和感を覚えたのです。
「靴が邪魔」と表現するには、
「obstructive」という形容詞は仰々し過ぎるのではないかと。

後で早速ググッてみたところ、
『DMM英会話 なんてuKnow?』に、
正にズバリの質問がされていました。
http://eikaiwa.dmm.com/uknow/questions/714/

この中に、
あのデイビッド・セインさんによる回答に、
(一体いくらもらっているのでしょうか?)
・That's in the way.
・That bag's blocking the way.
・That bag's taking up space.
という3つの表現が挙げられていました。

これを上記に当て嵌めると、
・someone who thought the shoes were in the way
・someone who thought the shoes were blocking the way
・someone who thought the shoes were taking up space
という感じになるのでしょう。

個人的には、
日本語の「邪魔」を表現するには、
いずれも物理的&客観的過ぎて、
しっくりこない感じがします。

日本語の「邪魔」という表現には、
物理的に「場所を取っている」というのと同時に/それ以上に、
主観的&感情的に「いらっとする」という意味が含まれているからだと思います。

そういう意味では、
最初の「in the way」が最も近い気がしますが、
実際の所はどうなのか分かりません。

私の場合、
ほとんど活字を読んで英語を覚えているため、
こういう「大和言葉」を英語で表現しようとすると、
途端に難しく感じます。

死ぬまでには、
自分が表現したいことをすべて、
それほど苦労しないで自然に表現できるようになりたい、
そのためには、
ある程度の長期間、
がっつり英語環境で暮らしてみたいと思います。

とは言え、
私が死ぬのもそれほど先のことではなくなってきているので、
そのうちに優先順位が変わって、
40年勉強してきた英語がどうでも良くなっている私の父のように、
私も英語のことなどどうでも良くなるのかもしれません。

2017年5月10日水曜日

「(損害や費用を)被る・蒙る」

「(損害や費用を)被る・蒙る」を表現する動詞として、
英文契約書で圧倒的に最も多く見掛ける単語は、
「incur」です。

しかし、
この「incur」という動詞、
契約書以外の文章ではそれほど頻繁には見掛けないので、
厳密にはどういう意味なのか、
疑問に思いました。

まず、
いつものオンライン版『Oxford Living Dictionaries』で検索すると、
Become subject to (something unwelcome or unpleasant) as a result of one's own behaviour or actions.
とあり、
掲載されている例文からも、
自業自得的なニュアンスが読み取れます。

しかし、
iPad アプリ『BLACK'S LAW DICTIONARY 9TH』で検索すると、
To suffer or bring on oneself (a liability or expense)と、
特に自業自得的なニュアンスは読み取れません。

「suffer」を使えば良いだけかもしれませんが、
何となく契約書っぽくない感じがします。
もっとも、
この「契約書っぽさ」こそ避けるべきものであり、
もっと積極的に「suffer」を使うべきなのかもしれません。

しかし、
結局「incur」を選択してしまうあたりが、
私も保守的な法務担当者の1人なのでしょうね(苦笑)。

ちなみに、
「suffer」という動詞には、
目的語が続く「suffer~」と、
目的語が続かない(代わりに前置詞+前置詞の目的語が続く)「suffer from~」という、
2つの使い方がありますが、
何となく、
「suffer~」が~を直接的に、
「suffer from~」が~から間接的に、
ネガティブなものを被ると理解していたのですが、
今回改めて調べてみたところ、
オンライン版『Oxford Living Dictionaries』では、
「suffer~」がExperience or be subjected to (something bad or unpleasant)
「suffer from~」がBe affected by or subject to (an illness or ailment)
と、分かったような分からないような定義でした。

一つの違いは、
「suffer from~」に続くのがan illness or ailmentのようなニュアンスの内容であること、
もう一つの違いは、
私のこれまでの理解で合っているような気がします。

もう一つ、
英文契約書でよく見掛ける動詞に、
「sustain」がありますが、
この動詞は「~を支える」的な意味を強く感じるので、
私は、この文脈で使用することは避けています。

2017年3月25日土曜日

5月19日開催「法務の英語」無料レクチャー会

昨年12月2日(TAYL6)、今月3月10日(TAYL7)と、
2回続けてイレギュラーな形式のイベントが続きましたが、
今回(TAYL8)はTAYL(Talk As You Like)のルーツに戻って、
6名の英語に堪能な法務担当者が、
その苦しみや楽しみ、そして上達の秘訣などを、
情熱を込めてプレゼンします!

開催日時は、
5月19日(金)19時~20時10分(18時30分開場)。
開催場所は、
東京の新橋駅近くで、
お申込みいただいた方に個別にお知らせいたします。

参加をご希望の方は、
『お問い合わせ』をクリックして表示されるフォームに、
名前とメールアドレスに加えて、
メッセージ欄に所属会社名(または学校名)と、
法務経験年数’(法務経験の無いの方はその旨お書きください)をご記入の上、
お申込みください。

ご記入いただいた個人情報は、
このWebサイト上には表示されませんし、
上記申し込みの目的のためにのみ使用させて頂くことをお約束します。

折り返し、
こちらから会場など必要事項をご連絡いたします。

当日は続けて(20時30分~22時30分)、
第18回「新橋・法務交流会」(DAYL 18: Drink As You Like 18)も開催いたしますので、
併せてご参加ください。

以上、お申込みお待ちしています!

2017年3月21日火曜日

"net of all taxes"

フィリピン人弁護士が、
自身のタイムチャージについて、
「~フィリピンペソ/時, NET OF ALL TAXES,」
書いてきたのですが、
これが、
「exclusive of all taxes」なのか、
「inclusive of all taxes」なのか、
疑問に感じました。

もちろん、
前者だろうとは思いましたが、
本当に正しい表現なのかと疑問に思ったのです。

調べてみたところ、
多くの人たちが、
同じ質問をしていました。

そして、
決定版と言える回答は見付からなかったのですが、
やはり、
前者で正しいのは間違いないようです。

しかし、
この表現は、
主に「net of tax」=「after tax」(税引後)の意味で使われる、
会計用語のようで、
弁護士のタイムチャージについて使うのは、
不適切なのだろうと思います。

おそらく「英借文」として、
ある地域で流通している表現なのだろうと思います。

2017年3月11日土曜日

3月10日開催「法務担当者にとっての米国法知識の重要性」無料レクチャー&パネルディスカッション

以前に当ブログで募集していたイベントですが、
http://shoshahomu.blogspot.jp/2017/01/310.html
昨日3月10日(金)、
「法務担当者にとっての米国法知識の重要性」と題して、
セミナーおよびパネルディスカッション(TAYL7)を開催いたしました。

開場の18時30分から、
多くの人たちに来ていただき、
セミナー&パネルディスカッション共に、
予定時間を大幅に超える盛り上がり(?)でした。

その後、
タイ料理店に場所を移しての、
第17回「新橋・法務交流会」(DAYL17)も大盛況でした。

これも全て、
参加していただいた皆様のおかげです。
本当に、ありがとうございました。

次回は5月に、
「法務の英語学習」をテーマに、
TAYL8&DAYL18の開催を予定しています。

過去のTAYL&DAYLにご参加いただいたた方も、
まだ未参加の方も、
ぜひご参加ください。

詳細が決まり次第、
また当ブログでも、
お知らせしますので、
よろしくお願いします。

2017年2月21日火曜日

東芝と米国電力会社との価格契約

いろいろなメディアで取り上げられていますが、
とりあえず、
2017年2月21日付の、日本経済新聞(電子版)の記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13149140Q7A220C1EA1000/?n_cid=NMAIL001

>「買収直後に結んだ価格契約が原因」と、ある幹部は打ち明ける。
要するに、
ここで工事費用の固定を、
米国の電力会社としてしまったことが、
今回の根本的な原因だったということでしょう。
もちろん、
そうせざるを得なかった、
それまでの経緯があるのでしょうが。

問題は、
この、ある意味単純な契約条件を、
原子力事業を統括してきた前会長の志賀重範と、
WH会長のダニエル・ロデリック氏以外、
東芝の経営陣が認識していなかったらしいことです。

果たして、
そんなことが起こり得るのか?

起こり得るとしたら、
東芝の構造的な問題か、
または、
志賀重範・前会長による取締役としての義務違反でしょう。

そういう観点から見ると、
まったく他人事ではないと思います。

日本側の問題としては、
東芝によるWH買収&その後の問題・失態により、
数兆円規模の金が、
日本から米国に流れた・流れることになります。

米国側の問題としては、
(個人的には『幸運』だと思いますが)
当面の間、
原発の新規建設がなくなるでしょう。

これが東芝という日本企業でなければ、
はるかに早い段階で、
チャプター11and/or公費投入ということになっていたでしょう。

米国側の原発政策も絡めて、
今回の事件について詳細に説明している、
2017年2月13日付のBloombergの記事です。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-02-13/toshiba-s-nuclear-reactor-mess-winds-back-to-a-louisiana-swamp

この記事では、
Shaw Group Inc.という米国の新興企業(1987年設立)と、
その創業者であるJames Bernhard Jr.氏とが、
今回の事件で果たした中心的役割を取り上げています。

工事案件で、
ろくでもない工事屋を下請に使うと、
ろくでもないことになるのは、
ありふれた話ですが、
これだけの規模になると、
歴史的な話になりますね。

このBloombergの記事、
(少なくとも私は)これまで知らなかった経緯を取り上げていて、
とても参考になりますので、
東芝の問題に興味のある方は、
ぜひ読んでみてください。

シャープの問題は、
それほど興味が惹かれなかったのですが、
(それでも数冊のノンフィクション本は読みましたが)
東芝の問題は、
非常に興味が惹かれます。

おそらく、
米国、契約、訴訟、工事、原発など、
私が興味を持っていることに、
より関係しているからでしょう。

2017年2月20日月曜日

「会社に仕事を決められるのではなく、自分で仕事を決める」

2017年2月19日付の日立製作所による海外展開の記事の最後に、
「会社が進化するには、仕事は速いが自分で決めなくて、本質を考えないような『できる人』が変わる必要があります」
と書かれていました。
http://digital.asahi.com/articles/ASK1W7G49K1WULFA03T.html

よく言われている当たり前のことですが、
今日は凄く心に響きました。
何事も、受け取る側の問題ということでしょう。

――うまく仕事をさばく「できる人」が会社を滅ぼすと主張されていますね。
「仕事が速く『できる人』は、どうやるかという手段を考えるのが得意。半面、仕事の意味や意義を問うたり、会社の将来にとって何が必要かをあまり考えたりしない人です。そんなことを考える人は、社内で排除されがちでした。日本の多くの会社はさばくのがうまく、本質をあまり考えようとしない『できる人』が昇進する傾向があるのです。複雑な時代の経営には向いていません」

正に、私だと思いました。
(昇進する傾向はありませんが(泣))

――どうすればいいのでしょうか。
「会社に仕事を決められるのではなく、自分で仕事を決めるよう努めることが大切です。日立製作所のように子会社のトップとして自分で決断した人が親会社のトップに戻るケースも出始めました。会社が進化するには、仕事は速いが自分で決めなくて、本質を考えないような『できる人』が変わる必要があります」

「自分で仕事を決めるよう努める」ことを、
これから常に意識しようと思います。

非常に幸運なことに、
私の隣に座っている直属の上司が、
これを常に意識している人なので、
見習っていこうと思います。

2017年2月15日水曜日

米国:14歳の結婚が認められている米・ニューヨーク州

2月13日付(米国東部標準時間)の、
ヒューマン・ライツ・ウォッチによる記事です。
https://www.hrw.org/ja/news/2017/02/14/300136

「ニューヨーク州の現行法は結婚が認められる婚姻適齢を18歳以上と定めているものの、16歳・17歳の子どもは保護者の許可、14歳・15歳の子どもでもそれに加えて裁判官の許可を得られれば、例外的に結婚することができる。」
とのことですが、
ニューヨーク州で14歳の結婚が合法というのは、
驚きました。
おそらく歴史的な経緯があるのでしょうが。

とは言え、
すぐに16歳以下の結婚を非合法&17歳・18歳の結婚に裁判官の許可を必要とする法令が作られそうです。
http://www.wgrz.com/news/local/marriage-at-14-legal-in-ny-but-not-for-long/408299109

2017年2月12日日曜日

米入国禁止の大統領令、政権側の不服退ける 連邦控訴裁

朝日新聞の速報ですが、
米国時間2月9日、
連邦第9控訴裁(カリフォルニア州サンフランシスコ)が、
7カ国(イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン)の国民の入国を一時禁止した米大統領令について、
一時的な効力停止を維持する決定をしました。
http://digital.asahi.com/articles/ASK290HTXK28UHBI02Y.html?ref=flashmail

これは、
米国時間2月3日に出された、
ワシントン州西部地区による『暫定的差し止め命令』(temporary restraining order)を支持するものです。

この問題も、
オバマケアと同様に、
最終的には連邦最高裁に上げられることになると思います。

その場合のシナリオを、
『The Nine』『The Oath』の著者であるJeffrey Toobin氏が、
2月10日付の『The New Yorker』の記事にまとめています。
http://www.newyorker.com/news/daily-comment/the-vulnerabilities-in-the-ninth-circuits-executive-order-decision

この記事の中でToobin氏は、
連邦最高裁が米大統領令を支持する可能性のある論点として、
以下の4つのポイントを挙げています。

①憲法第3条に規定する、
当時者適格(standing)を満たさないのではないか?

今回のケースでは、
ワシントン州とミネソタ州が原告となっているわけですが、
その理由が、
「教授陣や学生たちへの影響により、州立大学の教育や研究が害される」
というものです。
教授陣や学生たち「自身」が提訴したのであれば、
何の問題もありませんが、
果たしてワシントン州やミネソタ州に当時者適格(standing)があるのかと。

②トランプ大統領は、
今回の大統領令を、
合衆国法典第8編第1182条(f)に基づいて出しているわけですが、
この制定法について、
連邦第9控訴裁は何の言及もしていないと。

③連邦第9控訴裁は、
今回の大統領令が基本的に「Due Process」違反であると判断しているわけですが、
その際に、主に「市民権」を持っている人たちに言及しているのですが、
今回の大統領令による影響を受ける人たちの大半は、
「市民権」を持っていない人たちであり、
そのような人たちの「Due Process」についての権利は遥かに弱いだろうと。

④原告側は、
今回の大統領令が「宗教による差別」であると主張しているわけですが、
この点についても、
入国の許可・不許可に関しては、
大統領に大きな裁量が与えられており、
原告側による「宗教による差別」であるとの主張が認められないかもしれない、
としています。

今回のケースが連邦最高裁に上げられることになれば、
おそらく、
いつものようにケネディ判事の判断次第になると思いますが、
移民や安全保障に関する大統領権限の根幹に係わってくるケースであり、
予断を許さない、
極めて興味深いケースになると思います。

(2月13日追記)
ちょうど1年前の「米国『テロリスト渡航防止法』施行開始」の記事へのアクセスが、
急に増えているので読み直してみたら、
その時=オバマ政権が指定した7カ国と同じですね。
http://shoshahomu.blogspot.jp/2016/02/blog-post_17.html

トランプ政権になって、
急に出てきた話というわけでもなさそうです。

(2月14日追記)
マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)の辞任により、
トランプ政権は当面、
(バノン首席戦略官が主導したと言われる)今回のケースを、
連邦最高裁に上げることはなさそうですね。

2017年2月9日木曜日

米上院、5票差でセッションズ司法長官を承認

日本時間で2月9日、
米国時間で2月8日、
米上院で、
トランプ大統領が司法長官に指名したジェフ・セッションズ氏(Jeff Sessions)が、
52対47の賛成多数で承認されました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Jeff_Sessions

共和党議員全員と民主党議員1人の賛成を得たとのことですが、
ちなみにその民主党議員とは、
ジョー・マンチン上院議員(Joe Manchin)です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Joe_Manchin

マンチン議員は、
民主党に所属しながらも、
中絶反対派&銃賛成派ということで、
共和党と親和性が高い議員のようです。

以下、日経新聞の記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H2Z_Z00C17A2MM0000/

まず確実に承認されるであろう、
ゴーサッチ連邦最高裁判事候補の指名と共に、
米国司法の保守化がどこまで進むのか、
懸念されます。
同時に、
興味深くもありますが。

2017年2月8日水曜日

『医療機器参入/医療機器CEマーキング』セミナー

本日、
『医療機器参入/医療機器CEマーキング』セミナーを受講してきました。
http://md.sunflare.com/seminar/seminar_170201.html

内容は、
日本とEUの医療機器関連の法規制についてで、
主催は、
元々翻訳会社で、今は薬事コンサルティングサービスもしている、
株式会社サン・フレアです。
http://www.sunflare.com/

サン・フレアのセミナーを受講するのは、
2011年の震災直後に新田さんのセミナーを受講「しなかった」以来、
初めてです。
(要するに、初めてです)
http://www.wordvbalab.com/

しかし、
EUの医療機器関連の法規制は、
勉強するのが難しいですね。

とりあえず、
日本語&英語の入門書を探したのですが、
読者数が見込めないためでしょうが、
全く見つかりません。

Amazon Unlimitedで、
『Devine Guidance for Complying With the European Medical Device Directive Mdd: The Mdd 93/42/eec』
という本を入手して読んでいますが、
全く入門書ではない感じです。
ブログ記事かニュースレターを基にしている本らしく、
読みにくい英文&スペルミスも頻発です。
https://www.amazon.co.jp/Guidance-Complying-European-Medical-Directive/dp/1468137581/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1486525590&sr=1-1&keywords=medical+device+directive

講師の方にも聞きましたが、
入門書のようなものは知らない、
結局、条文を読むしかない、
と言われました。

今年上半期には、
新しい『Medical Device Regulation (MDR)』の最終版が出されるという話ですので、
この機会に理解しておきたいのですが、
正直、自信はありません。

2017年2月6日月曜日

下請代金の支払手段についての通達が改正

今まで気が付かなかったのが何とも間抜けなのですが、
今日2月6日(月)付のみずほ総合研究所株式会社からのニューズレターで、
下請代金の支払手段についての通達が、
なんと50年ぶりに改正されたことを知りました。

正確には、
2016年12月14日付で、
中小企業庁(=経済産業省の外局)と公正取引委員会の連名で、
全国約21万の親事業者及び約870の業界団体に対して、
通達『下請代金の支払手段について』が出されていたようです。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2016/161214Shitauke2.pdf

これは、
2016年6月19日(日)の私のブログ記事でも言及した、
同じく中小企業庁と公正取引委員会による、
『下請代金の支払手形のサイト短縮について』という、
昭和41年の通達に代わるもので、
「120日手形」の根拠が、
昭和41年の通達だった以上、
この2016年の通達によって、
どのような効果が、どのような時期に、発生するのか、
懸念されます。
(下請事業者にとっては「期待されます」ですね)

「段階的に短縮に努めること」
「将来的には60 日以内とするよう努めること」
という文言なので、
契約書なら、
「努力目標」として、
あまり気にしなくて良いのでしょうが、
公官庁による通達ですから。

ちなみに、
約870の業界団体の1つであるだろう、
『一般社団法人 日本電設工業協会』のウェブサイトに、
中小企業庁&公正取引委員会からの書面が掲載されていました。
http://www.jeca.or.jp/je16sys/pdf/805.pdf

内容は、
まず、上記の通達『下請代金の支払手段について』、
次に、経済産業省&国土交通省&公正取引委員会の連名による、
通達『下請等中小企業の取引条件の改善に向けて』(2016年12月20日付け)。

その通達『下請等企業中小の取引条件の改善に向けて』には、
以下の3つがぶら下がっており、
まず、
①公正取引委員会による、
『下請代金支払遅延防止法に関する運用基準』(2016年12月14日改正、2017年4月1日施行開始)。
次に、
②経済産業省(=中小企業庁)による、
『下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準』(2016年12月14日改正)
最後に、
③上記の通達『下請代金の支払手段について』

つまり、
通達『下請代金の支払手段について』を、
最初と最後に2回重複して掲載しているわけですが、
それだけ、
この通達のインパクトが大きいということだと思います。

以下、
各省庁のウェブサイトに掲載されている原文です。

①公正取引委員会
『下請代金支払遅延防止法に関する運用基準』
http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/unyou.html
『下請代金の支払手段について​』
http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/saito.html
『(平成28年12月14日)「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正について』
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html

②中小企業庁(=経済産業省)
『下請等中小企業の取引条件改善のため、振興基準の改正、通達の見直しを行いました』
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2016/161214Shitauke.htm
『業種別下請ガイドライン』
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/ShitaukeGuideLineGyoushu.htm

いずれの改正も、
間に入る商社の存在は、
ほとんど考慮されていないように思えますが、
関係資料と併せて、
これから読み込んでいきます。

2017年2月1日水曜日

トランプ米大統領、連邦最高裁判事に保守派のゴーサッチ判事を指名

2017年1月31日(米国時間)、
トランプ米大統領が、
2016年2月に保守派のアントニン・スカーリア判事が死亡して以来、
1年近く空席が埋まらず「8人」のままとなっていた連邦最高裁判事に、
保守派のニール・ゴーサッチ(Neil Gorsuch)第10巡回区連邦控訴裁判所判事を指名しました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Neil_Gorsuch

Wikipediaを読む限りでは、
前任者に負けず劣らず、
originalist(原意主義者)でtextualist(条文主義者)のようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Originalism
https://ja.wikipedia.org/wiki/司法条文主義

トランプ米大統領は、
選挙期間中から一貫して、
「スカーリア元判事のような判事たちを任命する」
("looking to appoint judges very much in the mold of Justice Scalia." )
と言っていたわけですから、
当然のことですが。

各連邦最高裁判事候補が、
どれだけスカーリア元判事に似ているかという、
「スカーリア基準」(Scalia Index)というものも議論されていて、
ゴーサッチ判事は、
トーマス・リー・ユタ州最高裁判所判事に次いで2位とのことでした。
http://www.usatoday.com/story/news/politics/2017/01/30/supreme-court-trump-scalia-pryor-gorsuch/97057474/

「スカーリア基準」は、
以下の3つの基準から構成されています。
①originalism(原意主義)
②スカーリア元判事が書いた「法律関係以外の」著作の引用数。
③どれだけ多くの「補足意見」「意見」「反対意見」を述べているか。
(多いほどスカーリア元判事に似ている)

元の論文もネット経由で読めますので、
興味のある方はどうぞ。
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2874794

ちなみにトーマス・リー判事は、
ぶっちぎりの1位ですが、
連邦最高裁の判例に拘束される連邦裁判事と異なり、
トーマス・リー判事はユタ州の最高裁判所判事ですので、
連邦裁判事であるゴーサッチ判事とは、
同じ土俵では比較できないと、
補足説明がされています。

しかし、
返す返すも、
16年3月にオバマ前大統領が連邦最高裁判事に指名した、
メリック・ガーランドDC巡回区連邦控訴裁判所判事について、
上院共和党が投票に掛けることを拒否していたのを、
オバマ前大統領が政治問題化しなかったことが悔やまれます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Merrick_Garland

(上院選ではともかく)
大統領選では、
共和党に負けるはずがないという、
民主党上層部の油断があったように思えます。

ギンズバーグ判事が来月3月で84歳、
(「84歳」で最高裁判事を務めるって、その気力&体力が信じられません!)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ruth_Bader_Ginsburg
ブライヤー判事が現在78歳であることを考えると、
https://en.wikipedia.org/wiki/Stephen_Breyer
連邦最高裁の右傾化は当面(=私が生きている間?)続きそうです。

(2017年2月12日追記)
今後の流れがscotusblogの2月7日付の記事に書かれていましたが、
http://www.scotusblog.com/2017/02/gorsuch-nomination-whats-next/
クローゼットから何かとんでもないモノが出て来ない限り、
遅かれ早かれ、
ゴーサッチ判事が上院で承認されるのは確実でしょう。

それでも、
「ゴーサッチ判事が承認された場合、民主党は何はともあれ、ガーランド判事が前代未聞の形で与えられなかった地位を与えられた人物として、ゴーサッチ判事の名前の横に常にアスタリスクマーク(=注意書きのマークです)が付くようにしようするだろう」
とのことです。

そして、
「本当に重要なのは、次の空席で、(民主党&共和党)両者共に、それが生じることは分かっている。唯一の疑問は、それが何時かということだ。」
と、記事は締めています。

2017年1月31日火曜日

米司法省サリー・イェイツ長官代理が解任

米国時間で1月30日、
トランプ大統領が命じた中東・アフリカ7カ国からの入国禁止措置について、
大統領令に従わないよう同省に通知した、
米司法省サリー・イェイツ長官代理が解任されました。

元々、民主党の人なので、
当然の流れと言えば、当然の流れです。

後任は、
ダナ・ボエンテ連邦検事(ヴァージニア州東地区)。
https://en.wikipedia.org/wiki/Dana_Boente

ちなみに、
サリー・イェイツ「前」長官代理は、
企業犯罪において個人の責任を積極的に追及していく方針を表明した、
いわゆる『Yates Memo』の著者です。
https://www.justice.gov/dag/file/769036/download

そして、
その前の司法長官は、
黒人女性として初めて司法長官になったロレッタ・リンチ女史。
https://en.wikipedia.org/wiki/Loretta_Lynch

さらにその前の司法長官は、
私も個人的に付き合いのある法律事務所、
Covington & Burlingで司法長官就任まで勤務していた&辞任後戻った、
黒人男性として初めて司法長官になったエリック・ホルダー氏。
https://en.wikipedia.org/wiki/Eric_Holder

こう書いていくと、
米司法省長官も、
何となく親しみが湧いてくるのが不思議です(笑)。

2017年1月26日木曜日

東芝、原発工事の撤退検討 設計・納入に専念 損失防止策

2017年1月26日の朝日新聞の記事です。

「原発新設の事業は、設計、原子炉などの納入、建設工事の三つに大きく分かれ、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)は設計や原子炉などの納入を手がけてきた。今回の損失計上は、遅れていた原発4基の工事を進めるため、WHが建設工事の会社を15年末に買収し、建設工事を自前で手がけるようになったことがきっかけ。買収後に費用が大きく膨らんだ。」

これ、
WHが建設工事会社と紛争になって、
そのままだと引当金を積まなければならないなどして、
東芝全体が債務超過に陥る危険性があるため、
時間稼ぎのために、
その紛争相手だった建設工事会社を買収したと聞いていたのですが、
違っていたようです。

少し調べてみたところ、
2015年10月29日付のForbesの記事を見付けました。
http://www.forbes.com/sites/williampentland/2015/10/29/why-chicago-bridge-iron-sold-its-nuclear-business-to-westinghouse/#194864ef158e

電気会社側とWH&建設工事会社側との訴訟は、
2012年11月1日午前8時から始まっており、
お互いが別の州で提訴したことから、
どちらが原告となり、どの州で裁判するのかが決まるまでに、まず1年掛かり、
(その判決です↓)
https://www.cadc.uscourts.gov/internet/opinions.nsf/8B6AB6641655E38085257E0400525346/%24file/13-7151-1541465.pdf
その後の裁判の進行も良い感じではなかったので、
建設工事会社(CB&I)が損失を確定してでも、
裁判&賠償責任から抜けたがった、
というのが真相のようです。

WHとCB&Iが紛争になったのは、
CB&Iの原発工事部門(CB&I Stone & Webster Inc.)を、
WHが買収した後のようです。

2016年12月28日付のReutersの記事です。
http://www.reuters.com/article/us-toshiba-accounting-workingcapital-idUSKBN14H1WT

改めて、
会計周りの知識&英語を入れておく必要性を感じました。

ちなみに、
上記の訴訟競合ですが、
契約書のVenue(裁判管轄)条項には、
the parties "agree to the non-exclusive jurisdiction of the United States District Court for the District of Columbia for any legal proceedings" arising out of the contract and "accept, generally and unconditionally, the jurisdiction" of that court.
Each party waives the right to challenge cases brought in the D.C. District Court "on the basis of forum non-conveniens or improper venue".
と規定されていて、
さらに、
the parties do not "waive any first-to-file challenges to venue."
と規定されていたとのことです。

結局、
DCへの提訴は却下されて、
ジョージア州南地区への提訴が認められたわけですが、
何を追記したところで、
「the non-exclusive jurisdiction」ではダメだということだと思います。

もっとも、
「the exclusive jurisdiction」と規定していたとしても、
DCへの提訴が認められたかは怪しいと思いますが。

(2017年2月2日追記)
いろいろなニュース記事を読むと、
やはり、
WHがCB&Iの原発工事部門(CB&I Stone & Webster Inc.)と紛争になって、
その解決≒時間稼ぎのために、
買収したようですね。

今日、
東芝によるWHの株式保有を、
現在の87%から50%強まで引き下げる方針が報道されましたが、
いくらの値が付くのか興味深いです。

2017年1月25日水曜日

3月10日開催「法務担当者にとっての米国法知識の重要性」無料レクチャー&パネルディスカッション

昨年12月2日に、
英文契約書レビューに役立つ アメリカ契約実務の基礎』(レクシスネクシス・ジャパン株式会社)の、
出版記念無料セミナーを開催していただいた、
アンダーソン・毛利・友常法律事務所の石原(坦)弁護士を再びお迎えして、
「法務担当者にとっての米国法知識の重要性」と題して、
セミナーおよびパネルディスカッションをしていただけることになりました。

パネルディスカッションでは、
特にカリフォルニア州の司法試験合格に向けた勉強法に焦点を当てますので、
受験生の方や、これからLL.M.取得を検討されている方は、
必聴です!

開催日時は、
3月10日(金)19時~20時(18時30分開場)
開催場所は、
新橋某所で、
お申込みいただいた方に個別にお知らせいたします。

つきましては、
『先着30名』様限定でご招待いたしますので、
参加をご希望の方は、
私のWebサイト『商社法務.jp』の、
『お問い合わせ』をクリックして表示されるフォームに、
名前とメールアドレスに加えて、
メッセージ欄に所属会社名と法務経験年数をご記入の上、
お申込みください。

ご記入いただいた個人情報は、
Webサイト『商社法務.jp』上には表示されませんし、
また、
上記申し込みの目的のためにのみ使用させて頂くことをお約束します。 

また、
事前質問がある方も、
メッセージ欄にご記入ください。

折り返し、
こちらから会場など必要事項をご連絡いたします。

当日は続けて、
第17回「新橋・法務交流会」も開催いたしますので、
(石原弁護士もご参加されます)
個別に質問したい方などは、
併せてご参加ください。

以上、お申込みお待ちしています!

(2月12日追記)
第17回「新橋・法務交流会」の方は定員となりましたので、
募集を打ち切らせていただきます。
多数のお申込み、ありがとうございました。

セミナーおよびパネルディスカッションの方は、
まだまだ大丈夫です。
お申込みお待ちしています!

2017年1月12日木曜日

『注意義務』を英語でどう表現すべきか?

先日、
某米国企業の子会社である某中国企業から、
中国法を準拠法とする、
『注意義務』が絡んだ契約書を、
英語で起案するよう依頼を受けたと、
私の会社の中国現地法人から、
依頼を受けました。

そうなると、
同僚から日本語で具体的な取引条件を聞き取り、
中国法の考え方に基づきながら、
取引先の米国人が最終判断をするかもしれないと思いつつ、
契約書を英語で起案する、
というややこしい話になります。

まあ、それはそれとして、
『注意義務』を英語でどう表現すべきか?という、
より一般的な問題が、
ここでも浮上します。

準拠法に関わらず、
『善良なる管理者の注意をもって』(いわゆる善管注意義務)を直訳して、
"with the care of a good manager"
"with the care of a good custodian"
としている契約書を見掛けますが、
相手から意味不明と言われることが多いため、
私は、
準拠法を日本法にできる場合にのみ、
時には(the "Zenkanchui-gimu" under Japanese laws)などという括弧書きも加えつつ、
上記の表現を使用しています。

米国の契約書や書籍を見る限り、
最善の、または、合理的な注意を払いつつ、
(with (commercially) best/reasonable care)
少なくとも自身の所有物を扱う以上の注意を払う、
(at least with the care the Company would use to handle its own property)
という感じが一般的なようです。
(Kenneth Adamsさんは、"reasonable"一本で行け、と言うでしょうが)

また、
そもそも!"care"という単語を使うこと自体が、
奇異に感じられるのではないか?
という疑問も湧きます。

"efforts""measures"と具体的な動詞との組み合わせで、
注意義務を表現するのが、
より一般的な気もします。
(take all reasonable measures necessary to keep the Confidential Information confidential)

2017年1月1日日曜日

新年のご挨拶(2017年)

新年、明けましておめでとうございます。

旧年中は、
多数の方々に、
TAYL(新橋・法務レクチャー会)&新橋・法務交流会にご参加いただき、
本当にありがとうございました。

特に、
プレゼンターを務めていただいた皆様に、
改めてお礼を申し上げます。

本年も、
新年度となる4月には、
TAYL7&新橋・法務交流会の開催を予定しています。

日程が固まり次第、
改めて本ブログでも告知いたしますので、
ぜひご参加ください。


以下、2017年に、
TAYL(新橋・法務レクチャー会)&新橋・法務交流会で、
やろうと考えているアイデアです。

・TAYL-preE(TAYL7)&法務交流会17(2017年4月21日(金)開催予定)
 初の英語法務レクチャー会の開催前に、
 『法務の英語』をテーマに、
 各社の法務担当者の業務における英語の使用状況と、
 そのための学習法を、
 プレゼンテーション&パネルディスカッションしたいと考えています。
 
・TAYL-E(TAYL8)&法務交流会18(2017年5月26日(金)開催予定)
 初の英語法務レクチャー会。

・TAYL-BBQ(2017年5月以降に開催予定)
 TAYL-preE(TAYL7)で告知予定。

・TAYL-O(2017年5月以降に開催予定)
 初の野外レクチャー会。
 TAYL-BBQで告知予定。

・PAYL1(Pay As You Like)
 初の有料法務レクチャー会。
 ぜひこの方を!というリクエストがありましたら、
 気軽にご提案ください!