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2017年11月20日月曜日

「下請取引の適正化について」(平成29年11月15日付)


皆さんの所にも届いていることと思いますが、
本日11月20日(月)、
公正取引委員会委員長及び経済産業大臣連名の文書である、
「下請取引の適正化について」(平成29年11月15日付)が私の会社にも届き、
下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)に従い、
親事業者の遵守すべき事項について、
「社内周知及び実施」を要請されました。
送られてきた文書は、
公正取引委員会委員会のウェブサイトにも掲載されています。

私の会社は、
下請法についての社内レクチャーを定期的に実施していますので、
この要請を受けたからといって現時点で何が変わるわけでもありません。


しかし、
おそらく、
2017年2月6日(月)の私のブログ記事でも言及しました、
昨年末に、通達『下請代金の支払手段について』が50年ぶりに出されたのと同じく、
下請代金の支払手形のサイトを「120日手形」から「60日手形」に縮めるための、

2017年11月15日水曜日

下請法に関する「受入検査」の運用

公取委のよる通達『下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準』(平成28年12月14日改正)に規定されていますが、
『返品』が認められるためには、
以下の条件を満たす必要があります。


「(前略)当該給付を受領後速やかに引き取らせる場合又は給付に係る検査をロット単位の抜取りの方法により行っている継続的な下請取引の場合において当該給付受領後の当該給付に係る下請代金の最初の支払時までに引き取らせる場合に限られる。ただし,給付に係る検査をロット単位の抜取りの方法により行っている継続的な下請取引の場合において当該給付受領後の当該給付に係る下請代金の最初の支払時までに引き取らせる場合にあっては,あらかじめ,当該引取りの条件について合意がなされ,その内容が書面化され,かつ,当該書面と発注書面との関連付けがなされていなければならない。」




さらに、「製造委託,修理委託における違反行為事例」の一つとして、
「4-6 受入検査を文書で委任していない場合の返品
 親事業者は,受領した商品の検査を自社で行わず,かつ,下請事業者に対し,当該検査を文書で委任していない場合に,受領後に不良品であることを理由として,下請事業者に引き取らせた。」
と規定されています。






ここで、
(自ら受入検査をしない)商社にとっては、
下請事業者(=仕入先)に受入検査を委託するのと、
販売先に受入検査を委託するのと、
どちらがより望ましいのか?
という論点が浮上します。






下請事業者に受入検査を委託する場合のメリットは、
上記の『運用基準』に、
「給付に係る検査を下請事業者に文書により明確に委任している場合において当該検査に明らかな手落ちの認められる給付であっても,受領後6か月を経過した場合」
と規定されており、
「受領後6か月」は、受入検査で発見されるべき、いわゆる「明らかな瑕疵」を理由とした『返品』が認められることになります。




また、
いわゆる「隠れた瑕疵」を理由とした『返品』も、
受入検査を実施していなければ認められないはずですので、
これも認められることになります。






デメリットは、
下請業者から商社が納入を受領する場合はもちろんのこと、
たとえ下請業者から販売先へ直送の場合でも、
下請業者から当社への納入=受領時期と、
当社から販売先への納入and/or検収時期とのズレ、
つまりは、
(当社と販売先とで、瑕疵担保期間の起点が検収時と合意している場合)
瑕疵担保期間のズレが発生することですが、
これは、
販売先に受入検査を委託する場合も同じですので、
特にデメリットとは言えないでしょう。





ちなみに、
下請業者に対する各種対応の要請の起点となる『受領』ですが、
上記の『運用基準』には、
「ア 「給付の受領」とは,物品の製造又は修理委託においては,給付の内容について検査をするかどうかを問わず,親事業者が下請事業者の給付の目的物を受け取り,自己の占有下に置くことである。」
と定義されていますので、
下請業者に委託した受入検査が終了しても、
(そして、受入検査の合格時が所有権の移転時と契約していても)
当社の占有下に置かれなければ、
『受領』したことにはならないようです。




これに対して、
販売先に受入検査を委託する場合のメリットは、
販売先が受入検査をすることを要求している場合に、
その要求を満たせることくらいでしょうが、
これは、
受入検査を二重にやっても問題ないと思いますし、
下請業者に対する各種対応の要請の起点となる『受領』である以上、
瑕疵担保期間のズレが小さくなる訳でもありませんので、
特にメリットとは言えないでしょう。





デメリットは、
販売先が受入検査を実施してくれない場合、

または、
実施しても、3条書面に規定した検査期間内に実施してくれない場合、
下請業者に各種対応を要請できなくなることで、

これは極めて大きなデメリットだと考えられます。

上記をまとめると、
(自ら受入検査をしない)商社の場合、
下請事業者に受入検査を委託するのが、
より安全と考えられます。

2017年2月6日月曜日

下請代金の支払手段についての通達が改正

今まで気が付かなかったのが何とも間抜けなのですが、
今日2月6日(月)付のみずほ総合研究所株式会社からのニューズレターで、
下請代金の支払手段についての通達が、
なんと50年ぶりに改正されたことを知りました。

正確には、
2016年12月14日付で、
中小企業庁(=経済産業省の外局)と公正取引委員会の連名で、
全国約21万の親事業者及び約870の業界団体に対して、
通達『下請代金の支払手段について』が出されていたようです。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2016/161214Shitauke2.pdf

これは、
2016年6月19日(日)の私のブログ記事でも言及した、
同じく中小企業庁と公正取引委員会による、
『下請代金の支払手形のサイト短縮について』という、
昭和41年の通達に代わるもので、
「120日手形」の根拠が、
昭和41年の通達だった以上、
この2016年の通達によって、
どのような効果が、どのような時期に、発生するのか、
懸念されます。
(下請事業者にとっては「期待されます」ですね)

「段階的に短縮に努めること」
「将来的には60 日以内とするよう努めること」
という文言なので、
契約書なら、
「努力目標」として、
あまり気にしなくて良いのでしょうが、
公官庁による通達ですから。

ちなみに、
約870の業界団体の1つであるだろう、
『一般社団法人 日本電設工業協会』のウェブサイトに、
中小企業庁&公正取引委員会からの書面が掲載されていました。
http://www.jeca.or.jp/je16sys/pdf/805.pdf

内容は、
まず、上記の通達『下請代金の支払手段について』、
次に、経済産業省&国土交通省&公正取引委員会の連名による、
通達『下請等中小企業の取引条件の改善に向けて』(2016年12月20日付け)。

その通達『下請等企業中小の取引条件の改善に向けて』には、
以下の3つがぶら下がっており、
まず、
①公正取引委員会による、
『下請代金支払遅延防止法に関する運用基準』(2016年12月14日改正、2017年4月1日施行開始)。
次に、
②経済産業省(=中小企業庁)による、
『下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準』(2016年12月14日改正)
最後に、
③上記の通達『下請代金の支払手段について』

つまり、
通達『下請代金の支払手段について』を、
最初と最後に2回重複して掲載しているわけですが、
それだけ、
この通達のインパクトが大きいということだと思います。

以下、
各省庁のウェブサイトに掲載されている原文です。

①公正取引委員会
『下請代金支払遅延防止法に関する運用基準』
http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/unyou.html
『下請代金の支払手段について​』
http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/saito.html
『(平成28年12月14日)「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正について』
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/dec/161214_1.html

②中小企業庁(=経済産業省)
『下請等中小企業の取引条件改善のため、振興基準の改正、通達の見直しを行いました』
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2016/161214Shitauke.htm
『業種別下請ガイドライン』
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/ShitaukeGuideLineGyoushu.htm

いずれの改正も、
間に入る商社の存在は、
ほとんど考慮されていないように思えますが、
関係資料と併せて、
これから読み込んでいきます。

2016年6月19日日曜日

下請法による手形サイトの期日制限

どのウェブサイトを見ても、
「60日以内」に手形を振り出す必要があり(下請法2条の2)、
手形サイトは「120日以内」と書かれていますが、
その「120日以内」の根拠が書かれているウェブサイトはほとんどありません。

一つ見つけたのは、
↓の弁護士事務所のウェブサイトですが、
http://www.akatsu-bengoshi.or.jp/2011/107/
思った通り、
「公取&中小企業庁の昭和41年の通達」が根拠のようで、
「原則として120日以内」と記載されています。
http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/saito.html

要するに、
「当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形」でなければ良い、
ということですね(下請法4条2項2号)。