2014年8月1日金曜日

「liquidated damages」 and/or 「actual damages」

「Adams ON CONTRACT DRAFTING」の2014年7月30日付の記事で、
「liquidated damages」(予定損害金)と「actual damages」(実際の損害賠償)とを、
選択できる規定が、
米国ヴァージニア州のCircuit Courtで「無効」とされたと記載しています。
http://www.adamsdrafting.com/making-liquidated-damages-optional/

米国ヴァージニア州のCircuit Courtが、
日本のどのレベルの裁判所に該当するのかは不明ですが、
「無効」とされた理由は2つあり、
1つは、
米国ヴァージニア州の最高裁判所の判例が、
「liquidated damages」(予定損害金)は、
“to avoid all future questions of damage”
という目的を果たさなければならない、
と言っていることです。
もう1つは、
「liquidated damages」(予定損害金)と「actual damages」(実際の損害賠償)との、
多い方を選択できるのは、
米国法で禁止されている「penalty」(罰金)に該当する、
とのことです。

この考え方は、極めて明確で理解しやすいのですが、
残念ながら、
私が扱う英文契約書では見かけたことがありません。

よく見かけるのは、
「liquidated damages」(予定損害金)に加えて、
「actual damages」(実際の損害賠償)も請求できる、
という規定です。

しかし、
「liquidated damages」(予定損害金)or「actual damages」(実際の損害賠償)
という規定が無効なら、
「liquidated damages」(予定損害金)and「actual damages」(実際の損害賠償)
という規定も当然無効となるというのが、
論理的な帰結だと思います。
(あくまでも米国(さらにはヴァージニア州)においては、ですが)

この考えが、
米国全体で通用するのか、
今後hornbookか判例データベースで確認しておく必要があります。

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