2017年1月12日木曜日

『注意義務』を英語でどう表現すべきか?

先日、
某米国企業の子会社である某中国企業から、
中国法を準拠法とする、
『注意義務』が絡んだ契約書を、
英語で起案するよう依頼を受けたと、
私の会社の中国現地法人から、
依頼を受けました。

そうなると、
同僚から日本語で具体的な取引条件を聞き取り、
中国法の考え方に基づきながら、
取引先の米国人が最終判断をするかもしれないと思いつつ、
契約書を英語で起案する、
というややこしい話になります。

まあ、それはそれとして、
『注意義務』を英語でどう表現すべきか?という、
より一般的な問題が、
ここでも浮上します。

準拠法に関わらず、
『善良なる管理者の注意をもって』(いわゆる善管注意義務)を直訳して、
"with the care of a good manager"
"with the care of a good custodian"
としている契約書を見掛けますが、
相手から意味不明と言われることが多いため、
私は、
準拠法を日本法にできる場合にのみ、
時には(the "Zenkanchui-gimu" under Japanese laws)などという括弧書きも加えつつ、
上記の表現を使用しています。

米国の契約書や書籍を見る限り、
最善の、または、合理的な注意を払いつつ、
(with (commercially) best/reasonable care)
少なくとも自身の所有物を扱う以上の注意を払う、
(at least with the care the Company would use to handle its own property)
という感じが一般的なようです。
(Kenneth Adamsさんは、"reasonable"一本で行け、と言うでしょうが)

また、
そもそも!"care"という単語を使うこと自体が、
奇異に感じられるのではないか?
という疑問も湧きます。

"efforts""measures"と具体的な動詞との組み合わせで、
注意義務を表現するのが、
より一般的な気もします。
(take all reasonable measures necessary to keep the Confidential Information confidential)

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