2016年11月5日土曜日

タカタ米子会社、連邦破産法申請を検討 事業継続図る

2016年11月4日の朝日新聞の記事です。
http://digital.asahi.com/articles/ASJC42TRGJC4ULFA003.html

『大規模不法行為』(mass tort)を原因とする、
エアバッグのリコール&訴訟の問題を抱えるタカタの米国子会社が、
『チャプター11』(米連邦破産法11章)による再建手続きを検討しているとのことです。

「問題の中心地である米国でタカタ側が負う債務を法的に確定させた上で、再建支援を担うスポンサーをみつけやすくして事業継続を図る狙いがある」
とのことですが、
「債務を法的に確定させた上で」という点が気になりました。

この問題については、
今後も将来的に大量のリコール&訴訟の発生が予想されます。
そのように現在確定していない(おそらく)天文学的な額の『将来債務』を、
『チャプター11』の手続きで、
どのように「確定」させられるのかと。

『363セール』(363 sale)により、
(米連邦破産法363条による再建計画提出前の資産の個別売却)
『担保権その他の負担が無い状態』(free and clear)で資産を売却するにせよ、
『再建計画』(plan)により事業を売却または立て直すにせよ、
買主側が承継する(将来)債務(successor liability)が問題となります。

以下、この問題についての参考判例です。
・Olson v. Frederico (In re Grumman Olson Indus., Inc,), 445 B.R. 243 (Bankr S.D.N.Y. 2011)

『363セール』による場合、
リコールについてのメーカーからの求償による将来債務は契約で「確定」できるかもしれませんが、
訴訟による将来債務は「確定」できそうにないように思えます。

『再建計画』による場合、
将来債務に対する信託財産を設定するのでしょうが、
それがどの程度の規模になるのか、
私には想像もつきません。

おそらく、
アスベスト訴訟の事例・判例を見れば、
概略を掴めるのでしょうが、
(アスベスト訴訟よりは、はるかに短期&単純でしょう)
私の業務に直結しないため、
敷居が高いです。

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