2019年1月11日金曜日

『25年目の「ただいま」』サルー・ブライアリー(静山社)

『25年目の「ただいま」』サルー・ブライアリー(静山社)
ここ最近、「里親」になろうとしている知人の話を聞いたり、「特別養子縁組」をしようとしている知人の話を聞いたり、何よりも、私自身の離婚⇒娘の「親権」獲得&養育⇒元妻への「監護権」の移管があり、家族の形、特に養育の形について、真剣に考えることが多くなっています。

ちょうど明日からの連休3日間も全日、「ファミリー・コンスタレーション」というドイツ発祥の家族療法のトレーニング(3年)に参加して、2年目(研究コース)のプログラムを終了する予定です。
https://constellations-japan.com/

原書は2013年刊行で、原題は『A Long Way Home』ですが、2016年に『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』というタイトルで映画化されていますので、ご存じの方も多いのではないでしょうか(原題は『LION』)。私は、「里親」になろうとしている知人から本書をもらい、読んでみました。その知人と違い、私は残念ながらインドに行ったことがないので、実感という部分では弱いのですが、それでも、この世界に蔓延する数多の危険と、その中で著者に起きた奇跡的とも言える人生に魅せられて、一気に通読しました。映画も、amazon prime 会員ならprime videoで無料で観られるので、時間を見付けて観てみるつもりです。

ストーリーは、長距離列車に間違えて乗ってしまった5歳の貧困層のインド人の男の子が、しばらくカルカッタ(今は「コルカタ」と呼ぶそうです)の路上で生活した後、保護されてタスマニア在住のオーストラリア人夫妻の養子となり、幼い頃の記憶を頼りにGoogle Earthで自分が生まれ育った場所を見付け出し、25年後に実母&兄妹と再会できた、という実話です。発展途上国と先進国、実親と養親、善人と悪人、幸運と不運。本書を通読後、自分自身の人生を振り返って、(今尚めちゃめちゃ不満はありますが)自分の両親に対する感謝の念と、自分自身の幸運に対する感謝の念とを、新たにしました。インドに行ってみたい気持ちも、新たにしました。

ところで、近いうちに「里親」の名称が変更されるそうですが、確かに「里親」という名称から喚起されるイメージは、現状に合っていないように思えます。個人的には、現在の「養親」の一形態として「里親」も含めてしまうのが良い気がしますが、そうすると「養子」の定義も変更する必要があり、おそらく難しいでしょう。一体どのような名称に落ち着くのか、非常に興味があります。しかし「高輪ゲートウェイ」みたいな名称には、ならないことを願っています。
(「田端ナッシング」には笑いましたが。いや、娘の幼稚園があるのでほぼ毎日行っていますが、田端、とても良い所なんですよ。)
https://matomedane.jp/page/18869

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