2016年3月15日火曜日

『The Legal Analyst: A Toolkit for Thinking About the Law』(Ward Farnsworth著)

『Restitution: Civil Liability for Unjust Enrichment』と同著者による本です。
http://www.amazon.com/Legal-Analyst-Toolkit-Thinking-about/dp/0226238350/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1433378794&sr=8-1&keywords=The+Legal+Analyst%3A+A+Toolkit+for+Thinking+About+the+Law

ゲーム理論の法務への応用についての本ということで、
この本を読む前に、
日本語でゲーム理論の入門書を何冊か読んだ方が効率が良いと思い、
amazonで評価の良かった以下の2冊を、
荒川図書館から借りました。

①『高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)』(松井彰彦・著)
http://www.amazon.co.jp/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E7%94%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%90%86%E8%AB%96-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%9D%BE%E4%BA%95-%E5%BD%B0%E5%BD%A6/dp/4480688382/ref=pd_bxgy_14_img_y

②『はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス)』(川越敏司・著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%90%86%E8%AB%96-%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%B7%9D%E8%B6%8A-%E6%95%8F%E5%8F%B8/dp/4062577828/ref=tmm_pap_title_0?ie=UTF8&qid=1433233449&sr=1-2

しかし、
①は、ありがちに「高校生からの」を間違った捉え方をした、
妙にくだけた文体が気持ち悪くて読めず、
②は、記述があっさりし過ぎていて興味が喚起されませんでした。

結局、
いきなり本書から読むことにしましたが、
実際に読み始めるまでに、
購入後約1年掛かりました。

もっとも、
一度読み始めたら、
さすがにWard Farnsworth教授、
非常に明確かつ読み易い英語で、
約1週間で読み終えることができました。
そして、
いきなり本書から読むことにした判断は正解でした。

本書を読んでようやく、
Torts(不法行為法)における、
Strict liability(No-fault liability)と、
Fault liability(Fault-based liability)との、
社会に与える影響(incentives)の違いを、
理解できた気がします。

もちろん、
Strict liabilityやFault liabilityが何を意味するかは、
法務担当者なら誰でも理解しているでしょうが、
なぜ、そのような違いが存在するのかについてまでは、
普通考えないものです。

しかし、
『Restitution: Civil Liability for Unjust Enrichment』と違って、
若干コスパが悪く(読む苦労×得られる知見)、
誰にでも薦められる本ではないです。

それでも、
いわゆる「法と経済学」(law and economics movement)的な考え方に、
初めて体系的に触れられたことが、
一番の収穫でした。

上司は、この手の本を相当に読んでいそうなので、
少しでも知見のレベルを揃えておきたいと思います。

今後、興味が続けば、
別の「法と経済学」や「ゲーム理論」の本も読んで行こうと思います。

「法と経済学」、
関係者は司法試験の試験科目にしようと働き掛けているようですが、
範囲が広過ぎ&政治的過ぎて、
当分は無理だと思います。

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